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【グルメ】蕎麦屋とかいう一品料理がうまいところ【No.3】


急にそばを食べいたい気分になったのでだいぶ前に見かけて気になっていた蕎麦屋に行った。

 

あまり蕎麦屋らしくない建付けで外からだと店内の様子は分からない。

木造の、少し気取った感じのある入り口からは何とも言えない威圧感。

今までは負け続けてきたが今日は違う。

ウッシと気合を入れてドアを押した。

 

並ぶのが大の苦手なので開店時間に合わせていた。

おかげでお客も居らず好きな席に座らせてもらえてよかった。

 

卓上の一輪挿しがなんともかわいらしく、名前を聞いたらユーフォルビアのスノープリンセスという園芸種だと教えてくれた。

女将さんと旦那さんが育てているのを切って飾っているらしい。

 

 

メニューを見たら季節ものが多かった。

どのくらいの頻度でメニューが切り替わるのかは分からないが、個人店の強みを生かして時期に合わせた美味しい一皿を提供しているのだと思う。

 

新しい店にきたら一つは知らないものを食べる、というマイルールに従って『サワラのさしみ』と『カレイとぶどうの包み揚げ』を注文する。そばは『揚げ花そば』を頼んだ。

 

 

皮目をあぶられて出てきたサワラは驚くほどおいしかった。

薬味にはミョウガとワサビとシソと(たぶん)カボスの皮を削ったものがあったのだが、それらすべてと合わせてもサワラのさっぱりとした油の甘さが打ち勝ってきてたいへん満足だった。

焼きの香ばしさもまとめ役ととして十分に存在感があり、やはり良かった。

 

続いて『カレイとぶどうの包み揚げ』なのだが、こちらは組み合わせの妙が楽しい。

 

 

一口噛むとジュッと熱せられたブドウの果汁が甘さたっぷりに飛び出してくるのだ。

そして追いかけるようにあとからカレイのふわりとした食感と淡白な味がやってくる。

ひとくちふたくちと食べすすめるたびに味の波が巡ってくる、メリーゴーランウンドのような料理だった。

淡白さとは時にとても良い働きをするものである。

そしてなんといっても付け合わせの銀杏がうまいのなんの。

これまた満足である。

 

 

というわけでこれがラストの『揚げ花そば』。

まだ白い花が咲いている段階に早刈りしたソバで作ったそばを花そばと呼んでいるらしい。

揚げの部分は揚げ玉のことだと思うのだが、正しいところは分からない。

また今度行った時に聞いてみよう。

 

一品料理の時点で分かっていたのだが、薬味がすでにうまい。

気分としては冷やし中華を食べているような感じで楽しかった。

でも肝心のそばについてはあまり分からなかったので次はシンプルなざるかなんかを食べてみようと思っている。

 

知らなった料理を食べて、しかもそれが美味しかったというのはととても幸せなことだ。

このお店は器もかわいかったし。

良かった良かった。

おわり

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