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【投稿コース】第7期 講評:『まる・さんかく・しかく』【10月分】


投稿コースでは、月に一度、ひらめき☆マンガ+内に投稿したマンガの中から自由にひとつの作品をえらんで講評を受けることができ、内容はひらめき☆マンガ+で公開されます。

 

本記事では、たかみねさんの『まる・さんかく・しかく』の講評をお伝えいたします。

 

1.『まる・さんかく・しかく』たかみねさん
講評:さやわか先生

 

受講生アピール文

投稿コースのたかみねです。初めて投稿します。よろしくお願いします。

現在描いている漫画が月末に間に合わなかった為、今回は2年ほど前に描いた漫画をアップします。

掲載媒体はまんがタイムきららを想定して描きました。投稿しましたが、残念ながらご縁には繋がらなかった作品です。

 

オカルト・女子高生・4コマで何か描きたいなと思い制作しました。自分なりに振り返ってみると、キャラクターは気に入っているのですが、掲載媒体を想定した時にあまり下品なネタはダメかなぁと悩みながら描いてました。結果的に、どこか振り切れていないような漫画だな~と自分では評価しています。また、今後はストーリー漫画を描いていきたいと考えています。

初めての投稿になるので、読んで頂いた感想や、漫画として分かりやすいか・読みやすいかという視点でアドバイスを頂けると幸いです。

どうぞよろしくお願いします。

 

 

講師講評(さやわか先生)

たかみねさん、投稿ありがとうございます!拝見いたしました。早速ですが、作品と一緒にいただいたコメントにお応えする形で、ご講評を差し上げますね。

 

まず、拝見して最初に思ったのは、全ページにわたって絵に統一感があり、質が高いということです。これはマンガを描く上でとても大事なことです。統一感が失われると、読む人は一気にその作品が質の低いものに見えてきて、読むのをやめてしまったりします。

 

そして、この統一感を出すには、絵を破綻させず、(努力して)丁寧に描いている、ということなので、たかみねさんの作家としての「粘れる」「頑張れる」性格を感じさせます。それは、作家として成長していく中で大事な能力なので、とてもいいことだなと思いました。

 

一方で、絵そのものにはやや硬さがあり、技巧的にこなれていないと思わせる面も、ないではありません。とりわけ気になったのは人物の表情で、特に目の表現は、人物そして感情による差(強弱)があまりなかったと思います。その結果、このタイプの4コマ作品でやらなければいけない、キャラクターとその感情がぐっと前に出てくるタイプのおもしろみを出す上で、まだまだ発展の余地があると言えるでしょう。

 

ただ、そうした「薄味」な感じは、そもそもこのマンガの構想段階からあったものかもしれません。オカルト研究会、生徒会、食べるのが好きな天然系女子、などなどの定番のネタを使うこと自体は全く問題ないと僕は思うのですが、では、それが他の作品に出てくるオカルト研究会や生徒会(つまりは、そこに所属するキャラクターたち)や大食い女子と、どこが違うのか、この作品でしか読めない個性がどこにあるのかは、作者が描いた時点で「このくらいやれば伝わるだろうか」と思ったほどには、読者に伝わるものになっていないと思いました。

 

もっとも、上記したようなことはたかみねさんご自身も「結果的に、どこか振り切れていないような漫画だな~」と評価なさっている通りだと思います。つまり、僕も同様の印象を抱いたわけですが、その原因が、上記したような点(絵、そして構想段階の弱さ)にあるのかなと思った次第です。

 

今後はストーリー漫画を描いていきたいとのことですが、ストーリー漫画でも同様に「自分が思っている以上に強め」にキャラクターや設定の個性を出していくと、読者にとってちょうどいいのかもしれません。これもたかみねさんご自身がおっしゃっていることと重なりますが、いったん思い切って、やりすぎかなというほどやりきってしまう、のがいいかもな、と思いました。そのくらい思い切ってやった上で、読者に届く「強さ」とはどのくらいなのかを推し量っていくといいかもしれません。

 

最後になりますが、「漫画として分かりやすいか・読みやすいか」という点では、最初に申し上げた「丁寧さ」があるので、そこまで読みにくい作品にはなっていません。むしろ読みやすい部類になるでしょう。しかし要所要所でわかりにくいところはありました。それは純粋にマンガの技術力のせいもあるかもしれませんが、そもそも4コマという制限のかかった(つまりコマが小さく固定されているため、読みやすくするには4コマならではの工夫を必要とする)形式であるがゆえのこともあると思いました。しかし、これについては、いまここでひとつひとつ直すべきポイントを指摘していくよりも、今後やっていきたいとおっしゃっているストーリー漫画を実際に描いてみながら、そして大事なのはその作品数を重ねながら、上達していくのが一番いいと思います。最初に申し上げたとおり、たかみねさんはこの作品を作れるほどに、丁寧に努力ができる、つまり堅実に成長できるタイプの方ではないかと思ったので、一作ずつ、着実にこなしていっていただければと思います。

 

拝読しての感想としては、以上のようになりました。もし何か、活動のうえで参考にできるところがあれば、ぜひ取り入れていただければありがたく思います!また、上記した内容でご不明な点・詳しく知りたいところなども、もしあればぜひおっしゃってください。よろしくお願いいたします!

講師講評ここまで

 

以上になります。

たかみねさん、講評にお申込みいただきありがとうございました!

おわり

 

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