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【投稿コース】第6期 投稿コース講評:『そこじゃない。(ネーム)』【8月分】


ひらめき☆マンガ教室第6期から新設された投稿コースでは、月に一度、ひらめき☆マンガ+内に投稿したマンガの中から自由にひとつの作品をえらんで講評を受けることができ、内容はひらめき☆マンガ+で公開されます。

 

第6期、8月分の講評には全5作品の申込みがありました。本記事では、えぴのみすさんの『そこじゃない。(ネーム)』の講評をお伝えいたします。

 

1.『そこじゃない。(ネーム)』えぴのみすさん
講評:大井昌和先生

 

受講生アピール文

最初、一般誌に載る程度の性表現の、ちょっぴりエッチなギャグ漫画を目指して描きはじめました。が、結局男性器表現が不可欠となり、青年誌に載るには露骨過ぎ、成年誌に載るには刺激が足りない(=抜けない)中途半端な作品になってしまったと反省しています。成年誌でしたら恐らく本番か射精表現(この作品だとニーソとかパンツに)が必要かと思います。目指すべき性表現の方向性が定まっていません(高橋脩先生の『ラストギアス』など読むと、一般誌でも結構過激な表現はできるように思います)。
ただ、作者としては中途半端ではありますが、この作品はやはりエロ漫画よりはギャグ漫画であると考えています。

テンポやコマ運びの悪い箇所があります。8頁に収めようとして唐突になってしまいました(4頁と5頁の間。ここはマユの叫びを聞いたノブの表情があるべきかと思いましたが、描いたところで嘘の表情になるのでカットしました。6頁最後から7頁へのつながりは、唐突感を強調したかったのでこれで良し)。また、8頁目は1コマ目のノブのアへ顔から次の土下座のコマへ行くのが正しい順番なのですが、マユの「ヤバい…」につながるようにも読めてしまいます。

それと、全体的にコマ割りが単調であるように感じます。 

講評よろしくお願いします。

 

 

講師講評(大井昌和先生)

投稿ありがとうございました!
この漫画はフリがあってオチがあるコメディマンガですので、まずは普通にコマを割るだけで見やすくなると思います。 単調に思えるのはコマ割りが単調なのではなく展開のテンポが単調なのでそのように感じるものになってしまってます。それをきちんとしたコマ割りでタメやめくりの引きなどを作ることでリズムのある構成を作れれば単調さはなくなるかと思います。

成年/青年漫画における描写の問題は漫画的記号表現でそのものを描かなくても、モザイクや謎の光で読者とのコンセンサスはとれるものだと思います。

 

それとご自身による作品へのツッコミについて答えていくと。
・《4頁と5頁の間。ここはマユの叫びを聞いたノブの表情があるべきかと思いましたが、描いたところで嘘の表情になるのでカットしました。》
4-5pにはノブの表情は必要です。
ここでリアクションがないまま抱きついても読者は置いていかれてしまいます。ノブというキャラの本心ではないので嘘の表情になるというのであれば、その嘘の表情を書かないといけないわけです.なぜならその表情が嘘であることで読者はノブが感情を誤魔化して抱きついていることがわかるようになるからです。
ただこのように自分の作品を俯瞰して見ようとする行為はいいと思います。

 

・《6頁最後から7頁へのつながりは、唐突感を強調したかったのでこれで良し)》
6-7pのつながりはおっしゃる通りなのですが、これは唐突感ではなくこれがテンポの良さです。省いていいものを省くとテンポが生まれ、逆に間のコマがあってもテンポは生まれるようになります。

 

・《また、8頁目は1コマ目のノブのアへ顔から次の土下座のコマへ行くのが正しい順番なのですが、マユの「ヤバい…」につながるようにも読めてしまいます。》
これはコマ割りがなぜ混乱しているのかといえば、書き手が混乱しているからです。
なぜ普通にコマを割ったほうがいいかというのはこういうところに出てきます。
書き手が時系列を整理できず混乱しているところを、読者に委ねよう=読者に責任転嫁するために変なコマ割りをしているだけなのです。
最後まで考えて書かなければいけないのを放棄せずきっちり整理して読めるようにしましょう。

講師講評ここまで

 

以上になります。

えぴのみすさん、講評にお申込みいただきありがとうございました!

おわり

 

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