課題4 完成稿の感想
こんにちは。6期聴講生のたけもとです。
第4課題「好きだと感じたその瞬間」の完成稿への感想を描きました。
今回もギリギリになってしまいました。
以下、並びはサイトの投稿順です。
●形井中へい『サッカー部員志田ちゃんの自由なふるまい』
絵もしっかり丁寧に描かれている印象で、止まらず最後まで読めました。冒頭のスパイクで踏まれて泣いてる男子がいい表情だなと思いました。主人公にはちょっとあざとさを感じましたが、そう感じるということはしっかりキャラクターが描けているのかなと思いました。
●大須賀健『おかしいとは思わねぇか?』
毎度といえばそうですが、ネームの時と全然印象が変わるので驚きます。より青年誌向けに意識された絵なのかなと感じました。「おかしいとは思わねぇか?」のポイントが絶妙に共感しづらいところが面白かったです。他のシチュエーションでもこの作者が考えるツッコミどころを見てみたい、という気持ちになりました。テーマも絞られていて印象に残りやすいマンガだと思いました。
●ぼんち。『恋に落ちても。』
絵が丁寧でテンポ感もあって良いと思いました。元嫁が面接官というのがコントの設定みたいで面白かったです。離婚した原因までは読み取れず、もっと背景にいろいろありそうな話だなぁと感じました。
●藍銅ツバメ『なんとなくネクロマンサー』
会話のテンポがやはり面白くて、ちゃんとどちらのセリフかもスムーズに分かって良かったです。世界観の背景となる知識が読者にあると、ズラしてる感じがより分かって面白いマンガなのかなと思いました。
●山岡兄弟『約束を守る』
いろんなジャンルのお話が作れてしまうのはすごいなと思いました。この話の前提となる部分を読み取るのが難しかったので、話を整理してくれる様なキャラクターがいると良いのかなと思いました。
●あい乙いなびこ『公園であの子と』
いろんなコマ割りを試しているのが良いと思いました。「友達を作る」が1番目のやりたい事だというのは初見では見落としてしまったので、序盤のコマではなにか強調する演出をした方が良いかなと思いました。スタンダードな話のようでいて、でも要素の一つ一つは少し変わっていて、ちょっと不思議な読後感になりました。
●明青りんご『夫のひとこと』
絵もちゃんと丁寧に描かれていて、トーンの使い方もお話に合っていて良かったです。ネームよりもとても良くなっていると思いました。ズーン、というコマのトーンが隣のコマの夫のポジティブさとも対比になっていて良かったです。ページごとの意味の整理がしっかりされている様に感じて読みやすかったです。夫のキャラがもっとどういう人か分かるとより共感できて良いなぁと思いました。
●桐山『境界』
丁寧に描かれている作品だなぁと思いました。絵がうまいので全部をモノローグで説明しなくても伝わるような気がしましたが、そこの塩梅は難しいのかもしれません。怪談が好きだということもちゃんと伝わって良かったです。
●ねりけし『げきあつ!K-POP』
こういう絵も描かれるんですね!と驚きました。K-POPにハマるまでの様子がばっちり伝わります。冒頭からの展開に抑揚があって演出力がすごいなと思いました。知らない世界だけど、こういうのありそうと思わせてくれる面白さがあります。早すぎるチャット欄の描写も笑ってしまいました。福岡行きはどうなったのかさらに続きが読みたくなるマンガでした。
●くまのぶ『おぼんやすみ』
父さんが可愛いかったです。主人公がちょっと引いたスタンスなのも良くて、体験に客観視がちゃんとある感じがして読みやすかったです。汗の強調もとても効果的だと思いました。景色を見た主人公の表情にもハッとさせられて、口の線の揺れも今回の作品の表現に合っていると思いました。
●深田えいひれ『極限状態』
台詞が印象に残りました。キャラクターのビジュアルは台詞ほどはクセがない気がしましたが、それも狙いなのかもしれません。スクワットの説明のコマでなぜか笑ってしまいました。細部もおもしろい気がしました。
●阿山カンフー『ツチノコイヌ』
初完成稿すごいです!おめでとうございます。1ページ使っているたまごからの登場シーンはかわいくていいと思いました。独特の世界観があるので、こういう短編が集まった作品集があったら読んでみたいなぁと思いました。
●きぬばり『好きは突然に』
導入のうんちくがいいなぁと思いました。話の終わり方がネームと全然変わってより面白くなっていました。冒頭部分を短くして女の子のキャラをすぐ出すのも良かったです。主人公をなぐさめる友人のキャラが突然出てきたように感じたので、先になにかしら絡みがあったほうが良いのかな?と思いました。
●ひむか『体温の形』
展開をしっかり盛り上げているのが良かったです。冒頭のセリフがちゃんと終わりのフリになっているのも良いと思いました。好きな世界観をストレートに表現されているのがすごいと思います。容姿端麗〜のコマで先輩の特別感がもっと演出されるとより良いのかなと思いました。
●藤原ハル『1/720の初恋』
絵の完成度がすごいと思いました。共感する読者は選びそうな内容ですけど、好きなことを描き切っている感じが良いと思います。主人公の友達が親近感があってなんかいいキャラだなと感じました。
●ヤギワタル『ファクトチェックするトラベル』
タイトルまでの流れがスムーズで読みやすかったです。いつもおしゃれさがあるお話ですごいなと思います。独自の設定なのに説明もうまくて自然に入れました。主線を細くしたというのも違和感なくて合っていると思います。食べ物を美味いと感じる描写が2回あるのは、特別な意図があるのかな?と感じました。
●東京ニトロ『グランド・ツアー』
不穏な感じで始まって、実際悲しい話だったので一貫したトーンがあるなと思いました。少し人物の見分けがつかないところがあり、先輩の顔をちゃんと認知する前に終わってしまった感じもしました。自分が読み慣れているマンガのタッチの問題かなとも思います。ちゃんと空気感が出せているのがすごいです。
●中山墾『推しとメシで生きています。』
セリフ運びが上手いなぁと思いました。吹き出しの形も効果的で、読む楽しさにつながっている気がします。緩急もあって読みやすかったです。主人公に、こういう人いるよなぁともう少し身近に思えるような特徴とかがあるとより良いなぁと思いました。
以上です。
感想を書いていると自分の読み方の偏りも見えてくる気がします。
第一印象的な感想だけでなく、もっと考えられるようになりたいです。