マジックとマルチバースの話
〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉運営スタッフの堀内大助です。じつは本業は奇術家(マジシャン)です。シラス「堀内大助の空飛ぶマジック劇場」でマジックについての番組配信をやっています。
おかげさまで、本日は初回放送から1ヵ月。既に配信した番組は11本!(今回を含めると12本!) そのあいだにはゲンロンカフェでのMr.マリックさんへの公開インタビューもあり、個人的にも盛り沢山でたいへん充実した1ヵ月でした。
本日22時から1ヵ月記念の番組を配信します。これから弊チャンネル(通称ソラマジ)をご覧になる方も多いと思うので、まずはこの1ヵ月の番組をふり返りつつ、今後の予定や構想についてもお話できればと思います。
さらに『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を観てきた感想もお話します。というか、本映画を観て思ったんですよ。マジック道具「ブロウ・ブック」はマルチバースなんじゃないかと。
なにを言っているのか。初期映画の研究者として著名なトム・ガニングの論考に「変容=変形するイメージ」(『映像が動き出すとき』、みすず書房、2021年)というのがあります。その論考のなかで、古典的なマジック道具「ブロウ・ブック」を映画史の流れに位置づけようとガニングは試みます。「フリップ・ブック」(パラパラマンガ)との類似と区別によって、たいへん刺激的な論が展開されているのですが、では「ブロウ・ブック的な映画とは?」については個人的にずっと疑問を抱えていました。その答えが『アクロス・ザ・スパイダーバース』にあった…?
マンガに興味のある皆さんにも楽しんでもらえるお話ができるかと思います。ぜひご覧ください!