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ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第6期 課題3 「 肉体的接触があるクライマックスシーンを描いてください。」完成稿感想


こんにちは。あおたかです。

今回は課題3 「 肉体的接触があるクライマックスシーンを描いてください。」の完成稿の感想を書きました。

今回の課題

・何かしらの肉体的接触があるクライマックスシーンを描く
・クライマックスシーンは思い切り名シーンのように描く
この二つの条件を満たす必要があります。握手・ビンタ・キス・パンチ・抱擁など接触の仕方は自由で、その上で見た人がいいシーンだったなあと思わせなければなりません。難しそうだ・・・

あと全体的に手を握るシーンを描く人が多かった。ひらめき☆マンガ教室でぼくと握手!

それはともかく、課題3の完成稿の感想です。全部で16作品あります。

完成稿の感想

ぼんち。 シちゃった。

学生時代のバスケ部仲間の飲み会が終わって終電を逃した女性主人公が幼馴染のイケメンの家に行く話。クライマックスの接触は二人のキスシーン(14,15ページ)。

冒頭の場面がネームから修正されて二人の関係性がわかりやすくなった。また、セリフ部分も勢いを残しつつも読みやすくなっていると思う。

サムネのシーン付近でのドキドキ感も完成稿になってより楽しめた。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task4/36/Immediately/

■作者

ぼんち。

あい乙いなびこ お酢

誠四郎と靡の夫婦二人のラブラブ話。接触は二人で椅子に相乗りからのキス。

ストーリーライン(靡が誠四郎のために料理を作ってあげる)や二人の関係性(二人が夫婦で誠四郎がヒモ)が明確になり、ネームより話が格段に分かるようになっているのがよかった。接触もきちんと描かれている上、一捻りある(ただのキスではなく嫌いな酢だこの口移しになっている)のがよかった。

二人は相思相愛でいい話ではあったが、冷静に考えると結婚記念日にわざわざ靡が苦手なお酢を使って料理する必要はない気もする。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task4/36/Immediately/

■作者

あい乙いなびこ

山岡兄弟 いつもここにいるよ

おばあちゃんが好きだった少女の一生を描いた話。おばあちゃんの死から大人になり子供が生まれ死んでいくまでの人生が描かれている。お話自体はネームから変更なし。

AI絵を使用して描かれていることもあってかネームの段階から絵が完成していた分、完成稿での変化はあまりない。変更ポイントは少女のコマが少し増えていることとコマ割り。

絵をAIで出力している分、コマ割りやセリフ量などの画面作りで見やすさを担保する必要はありそう。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task4/36/Immediately/

■作者

山岡兄弟

藍銅 ツバメ(らんどうつばめ)フルーツ王国のイチゴちゃん

果物人間が暮らすフルーツ王国に住む顔がリンゴのリンゴ太郎と妹のイチゴちゃんの話。二人のキスシーンが接触。

ネームから変わったところはあまりなく、丁寧に仕上げられていて読みやすかった。

フルーツ王国にも税務署があるとのことだがいったいどんな世界観なのだろう・・・

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task3/44/Immediately/

■作者

藍銅ツバメ(らんどうつばめ)

大須賀健 あのときの1000円

15歳の時ハルトに1000円を奪われたコタロウが12年たって取り返しに行く話。1000円を返してもらうこと以外の話や設定はネームとはほぼ違う話になった。接触はミサキ(ハルトの恋人)に触れるところ。

現在の主人公はずっとよだれか涙か血を流していて異様な雰囲気を感じた。15歳の時はそんなことなかったのに・・・

ネームと2022ver(https://hirameki.genron.co.jp/portfolio/4057/)に続く新たな「1000円」シリーズ(?)。同じネタでこれだけいろんなバージョンの話が作れることに作者のこだわりを感じた。最近自分も人に貸した1000円が返ってこないまましばらくたつので少しずつ共感できるようになってくるかも。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task4/36/Immediately/

■作者

大須賀健

藤原 ハル ふ・れる

ゾンビになる感染症が流行った世界でスーパーに取り残された恋人たちの話。お話の部分での変更点は特になし。コマ顔コマの構図は少し変わってる。(P8~p11のカメラが近づいたところや6ページ下のコマのカメラ角度、15ページの顔カットや最終ページの内田さんの膨れ顔など)

作者の画力が高いこともあって完成稿になると作品に一気に迫力が出てスゴイ。接触の手をつなぐシーンもエロい感じがマシマシでよかった。完成度は頭一つ抜けてると思う。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task4/36/Immediately/

■作者

藤原ハル

きぬばり 本草狂!久佐の煎じ薬

江戸時代の本草学者の女の子久佐の話。彼女が勉強するきっかけとなった幼馴染を助ける展開となり、薬を飲ませるためにキスするシーンが接触のクライマックスシーン。

話の大筋は変わらないが、本草学の話を冒頭に移動したり回想をカットして一コマに圧縮するなど構成はがっつり変わっている。ネームより話がまとまって読みやすくなっていてよかった。セリフの大きさもちょうどいい感じ。

初提出作品でしっかり完成稿までかけていることがスゴイと思った。今回の話は作者の書きたいテーマであることを感じたので頑張ってほしい。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task4/36/Immediately/

■作者

きぬばり

ねりけし エピソードゼロ

主人公が母親のお腹の中にいたころの話。元気に動いていたため男の子だと思ったら女だったというオチ。ネームからの大きな変更はなし。

人間を描く時の線はいつもより細い線で描かれているのでいつもと違う雰囲気がある。サムネのおばあさんの顔が(3ページ目の右上コマ)が何かやばいものを見てしまった雰囲気を感じる迫真の表情で印象に残った。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task4/36/Immediately/

■作者

ねりけし

やながわけんじ 私立は友達じゃない

幼馴染のノブとミズキの交流を描いた話。別々の中学に進学した後の何とも言えない距離感がいい感じ。

4ページ目でミズキがノブに追いつくコマが勢いがあってよかった。二人の距離が近くなっているのがいい。オチでも効いてる。

5ページ目での左下での上目遣いや11ページでのウソ泣きなどの修正によって、ミズキがいっそうかわいくなっている。

話以外でも背景やアイスなど細かいところも緻密に描かれていることで、「このキャラクターはこんな世界にいるんだ」ということが感じられていいと思った。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task4/36/Immediately/

■作者

やながわけんじ

くまのぶ 新しい春へのダンス

バレエで失敗したトラウマから踊れなくなった菜綱が同じクラスの鮫島杓と一緒に踊る話。10~15ページで二人で手をつないで踊るところが接触のクライマックスシーン。

ネームであった母親との話がなくなり回想も短縮されたことで、話が二人の関係性にフォーカスして理解しやすくになった。菜綱が過去を乗り越えたことがネームよりも伝わるようになっていると思う。

杓の出番も相対的に増えて個人的に嬉しい。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task3/37/Immediately/

■作者

くまのぶ

七井一汐(なないつ) 2人の孤独

触れると人が死んでしまうアザ症に感染した二人の話。男性に触れられない二人が防護服越しに触れ合うところが接触シーン。ネームからの修正ポイントはセリフの言い回しや追加のコマで大幅な変更はない。

完成稿になって主人公のヘルメットがドラミちゃんみたいに見えてかわいかった。

ヘイトスピーチおじさんがネームでは一人だったのが完成稿では増えているのもそれっぽくなっていてよかった。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task3/52/Immediately/

■作者

七井一汐(なないつ)

赤い氷 人間

人間がスライムになってしまう世界で薬を飲まなければ生きていけない体の青宮と元恋人の桃宮ジュリアがセックスする話。接触は二人のセックスシーン。

ネームの時に「完成稿でグロに振るのか抑えるのかは気になるところ」(https://hirameki.genron.co.jp/blog/2023/06/18/4145/)と書いていたらまさかのエロだった。ドロドロしてるからグロともいえるかも?ぐちょぐちょのセックスシーンは印象的。

マンガの内容からは外れるがアピール文の最後の一文が何に対しての謝罪かわからなくて気になる。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task3/52/Immediately/

■作者

赤い氷

高月晃太 接触の時間

コンビニで働くクール系キャラの虎井みやびと天然キャラの宇野ちいの二人が恋人つなぎする話。実際に二人で恋人つなぎするところに加え宇野が虎井の右手を掴む接触シーンが追加された。

完成稿になると女の子のかわいさが上がってとても嬉しい。特に宇野はネームよりもしゃべる機会が増えて魅力的なキャラになったと思う。

虎井に関しても一方的に説明していたネームから内面でドキドキしている様子が描かれるようになっていてこの話では完成稿のほうがあってるように思う。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task3/53/Immediately/

■作者

高月晃太

ヤギワタル 戻る権利

10年間父親の介護に追われていた主人公がタイムリープできることを知り父との思い出を振り返る話。接触は主人公がラストで亡くなった父の肩に手を添えるところ。

つらい過去をなくすよりも父との楽しかった思い出をなくさないためにタイムリープをあきらめる主人公の決断が感動的な作品。

自分だったらタイムリープできるならタイムリープしたいところではあるが、同じ時間軸に自分が二人いることになると面倒で、一人しかいないとすると父親が見捨てられる(そうでなければ元と同じ介護に追われる人生になる)といったSF設定の部分が気になった(本編のテーマからは逸れた感想ではある)。

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task3/60/Immediately/

■作者

ヤギワタル

桐山 そこにAIはあるんか

AI絵師に打ちのめされた絵師の軟骨(主人公)と彼のファンの八丁堀が合う話。接触は14ページの握手とラストの馬乗り。

4ページ目の八丁堀さんの笑顔がすごくよかった。服も凝ってて素敵。

今回は最後まで完成していない状態になってしまっているので次回以降では完成稿が見れるを楽しみに待ちたい。ガンバレ!

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task3/57/Immediately/

■作者

桐山

中山 墾 俺の性的問題と彼女の事情

魚田(主人公)が10年ぶりにあった初恋の女性とセックスした結果、女性が謎の泡(精子玉)の中に閉じ込められる話。クライマックスは8ページで魚田が女性の手を握って助けるシーンで、脳内ではエヴァ破で再生された。

死んだ目をしていた魚田の表情がだんだん変わっていくところがアツい。6ページ目の迫真の表情はカッコイイ。冷静に考えれば精子玉にとらわれているという状況もいい意味でのバカらしさがあってマンガっぽい。

女性の回想がなくなり話がすっきりした一方、大須賀さんもコメントで指摘しているようにタイトルの「彼女の事情」の部分は完成稿では何のことかわからないので別のタイトルが必要だと思った。

数年ぶりの完成稿ということだがブランクを感じさせないほど面白かった。次回作も楽しみ!

■マンガ

https://hirameki.genron.co.jp/issues/task2023/task3/57/Immediately/

■作者

中山墾

感想は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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