
ひらマンのコトバ#12「基本的に世界観の設定とかって読者は興味ないんですよね。キャラクターにどう感情移入させるかだと思っていて、テクニック的には読者と主人公しか知らない秘密をどれだけ早くつくるか。」(佐藤大先生)
同人誌レース回の先出しやら特別編やらがあり順番が前後しておりますが、2月7日に行われた特別授業「大森望 SF創作講座 × ひらめき☆マンガ教室 合同授業」を受講しました! 夜には雪になっためっちゃ寒い日でした。
この合同授業というのはなんなのかといえば、ひらめき☆マンガ教室と同じくゲンロンが運営する「となりのスクール」であるところのゲンロン 大森望 SF創作講座と、せっかくとなりなんだし運営もいっしょなんだから合同でなんかやるといいんじゃないかというような形で立ち上がったまあまあ安易な企画なのだろうと思われます。しかしその安易(たぶん)な企画の結果、なんだか地場感あふれる貸会議室(2スクールの受講生を合わせると大規模なので外部の大会議室で行われました)に佐藤大と大森望とさやわかというそれ濃すぎるだろという3名が集まってSFとマンガの話をするめっちゃおもしろいトークイベントになるのがゲンロンスクールのおそろしいところ。とくに佐藤大さんはアクセル全開のトークで大変すばらしかったです。
合同授業では、SF創作講座の第3課題「美しいもの。ただし美しいという言葉は使えません」の提出作(フラッシュフィクション)に対して、ひらマン制作生が扉絵やキャラクターデザインを制作するというコラボレーション課題もあり、提出作品についての講師からの講評だけでなく、なぜかいくつかの作品に課題作が集中していたのもあってビジュアルのアプローチの違いや意図についての議論、フラッシュフィクションの原作者との解釈の違いなどの話も盛り上がりました。さっきは安易だとか言いましたがこの合同授業(とその後の大打ち上げ)によってSF創作講座系同人誌の挿し絵や表紙絵にひらマン生が登用されたり、今期だと名倉編さんとかがそうですが、SF生がひらマンを受講し始めたりするようなシナジーを続々と生み出しているのでもあります。

というわけで、今回のコトバは、佐藤大先生へのSF生からの「SFを書いていて世界を構築していく楽しさがあるが、積み上げた積み木を見せられても読者は面白くない。どうしたらSFらしく面白く見せられるか」という質問に答えたもの。「基本的に世界観の設定とかって読者は興味ないんですよね。キャラクターにどう感情移入させるかだと思っていて、テクニック的には読者と主人公しか知らない秘密をどれだけ早くつくるか。」という的確なアドバイスだったんですが、そこは徹底的に面白くしないと気がすまない佐藤大さん、「我々の世代は『志村後ろ現象』と呼んでるんですけど…」と続けていて、(ある世代における)分かりやすさに震撼しました。というか、このある世代にしか通じない説明自体が「読者と主人公しか知らない秘密」と同じ構造だ! エンタメ脚本家はこのように力を使うのですね。
