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娑婆とハエとあたし

由月のこ

由月のこ
娑婆とハエとあたし


【状況設定と主眼点】

最初のうちは、どんな性格でどんなリアクションをするキャラクターを描けばいいのか二転三転しました。しかし、以下の状況設定が頭に浮かんだ途端、主人公と相手役の造形および立ち居振る舞いがつぶさに見え出し、さらにコメディ要素を入れる必然性を感じることができました。

○状況設定

今は組織に追われている身の「元・殺し屋」の竜崎(女29歳)は、潜伏生活中の息抜きとして「推し活」にハマっている。竜崎が推している相手は、彼女に食料を配達してくれるフードバンク@照命寺の副住職(男27歳)だ。

○主眼点

元・殺し屋の竜崎にとって「殺生」は自明視されている行為だったが、副住職との交流により竜崎の「殺生」への自明性に亀裂を走らせることを狙いました。

【疑問点・反省点】

○狙い(上記の主眼点)はうまく伝わっているでしょうか?

○16ページに収まる内容として妥当でしょうか? コマ割りを細かくして無理やり16ページに収めました。

○マンガ内に親鸞聖人の仏教思想(他力本願および悪人正機説)をふんわりと注入したくて、とにかく押し付けがましい感じは避けたいと思いました。なので、副住職の語りにたどり着くまでの過程にできるだけコメディ要素を入れて、軽やかさや堅苦しくない雰囲気を下準備しました。これはうまく機能しているでしょうか?

○私が作り上げたキャラクターとしてではなく、まったく赤の他人として竜崎や副住職のことを想像して、観察して、2次元の平面上に写しとってみました。この作業自体はとても楽しかったのですが、提出したネームが日記漫画の要件を満たしているのかどうかわかりません。