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Taxi Dog

沖永和架奈

沖永和架奈
Taxi Dog

●今回取り組んだ自分なりの課題:第一課題講義で指摘された16ページで人間のフィクションを描くこと。

●想定読者・媒体:漠然と青年誌、あまり考え切れていない。

●ジャンル:忠犬モノ→ひたすら特定の人物や存在との再会を信じて待ち続けるタイプの物語。
「追われる者」と「待つ者」という二重性のある方がお話としての推進力が生まれて面白くなりそうな気がした。

●感情の変化:期待(そのうち必ず来る)→失望(クリスマスを過ぎても来なかった)(+来訪者は誰かという疑念)

●主人公について:潜伏生活における最低限の生活資金の取得にはタクシードライバーというあり方は一つの選択肢に思えた。車以外にはあまり元手がかからず、働き方も自由で、いざという時の逃走手段にもなるため。
「兄貴」以外には心を開かず、街で似た背格好の男を見たり、食事をする時にも四六時中兄貴の影を追っている。
常に緊張した生活の中で、唯一「兄貴」からも「追っ手」からも離れた精神的な逸脱が生じる瞬間というものが唐突に挟まれるストリップショーの時間なのだと思います。

【反省点・至らなかった点】
・どこがどういうエピソードになっているのかという点がはっきりしない。断片的なシーンの羅列になっている。読切という課題の中で続き物のような終わらせ方を選択してしまったのも(他に面白い結末も思い浮かばなかったからではあるが)反則技みたいで良くない点ではある。
・生活の細かな表現というところまで考え、表現するところまでいけなかった。部屋はどんな内装なのか、車種は何か、銃は何か、どんな街に潜伏しているのかetc。
・追ってくる犯罪組織のヤバさと主人公の逃避行動(割と目立つ職業)と兄貴が最終手段として渡すものとの間のリアリティのバランスが取れていない感じはしている。
・総じて絵や画面にこだわるところまで意識が届きませんでした。