
好きなマンガ1冊:こうの史代『長い道』
はじめまして!早起き村といいます。
5期聴講コース、7期制作コースと経て、8期は聴講コースで参加します。
創作初心者で、昨年は作品をあまり提出できず、やりきれない1年になってしまいました。その後悔から今年は自主留年のつもりで参加しているので、聴講しつつ課題をかきます!!ぜひ感想をください!
どうぞよろしくお願いします!
さて、 お題の好きなマンガ1冊は、こうの史代『長い道』です。
こうの史代は、高校の担任の先生から「これは読んでおけ」と『夕凪の街 桜の国』を紹介されたのをきっかけに知りました。そのあと『この世界の片隅に』を読んでどハマりして、他の作品も読もうとしても当時kindle版も(たぶん)出ておらず、大きな書店から古本屋さんまで探し歩いて読んだのを覚えています。その中で1番ハマったのがこの『長い道』でした。
このマンガは、甲斐性なしの夫・壮介とのんびり屋の妻・道の2人の日々を描いた作品なのですが、第1話も、壮介が他の女と浮気をしたあとに夜遅く帰ってくるという甲斐性なしど真ん中のエピソードからはじまります。
道にバレないようにしようと、壮介は香水のニオイを払い、自分の服についた長い髪の毛を処理し、シャツについたキスマークを隠す(シャツにキスマークというバカバカしさもめちゃくちゃ好きです笑)。そこに浮気した女からと思しき電話がかかってきたので、慌てて、散歩に行こうぜ、と道を外へ連れ出します。壮介は気を逸らそうとテキトーな話をするものの黙っている道。さすがに道はもう気づいただろう、怒られろ!壮介!と思ってページをめくると、道は次のように言います。
わたし あなたと結婚できて良かった
こんな夜中に一緒にさんぽしてくれる人がいるっていいわね
夜中でもちゃんと信号はともっているし 川は流れているのですね
やばい!!!めちゃくちゃいい!!!!最高かよ!!!
こんな日常の何気ない瞬間に愛があるところが、どうしてもたまらなく好きなんです。壮介!浮気なんかやめて道を大切にしろよ!と言いたくなります。壮介はそのすぐ後のコマで「ひやひやして損したな」と悪い顔をしているのですが…
でも、そういう人間の悪いところも、優しく、おかしく描いているところが、この作品を大好きな理由です。
ちなみに、ここまでのあらすじだと、すごくリアリズムのある作品のように感じられるかもしれませんが、めちゃくちゃマンガかよ!と突っ込みたくなる展開も多いです。そもそも2人が結婚した理由がむちゃくちゃで、酔うと人になんでもあげたくなるという、道の親父が、酔うとなんでも盗んでくるという、壮介の親父に「娘をやるよ」と口約束したというものです。なんてひどい話なんだ…
でもこういったマンガらしい展開も好きで、しかも1話が3〜4ページで読めてしまうという読みやすさと、途中途中に挟まれる表現のバリエーションの面白さから、何度も何度も読んでいます。
こういった話ができるのは楽しいですね。自分はマンガについてよく知らなくて、話すと「このニワカが」と思われるのではという不安から、去年はあんまり読んだマンガの話をしてなかったのですが、今年は積極的に話していきたいな、と思いました。
今年一年、よろしくお願いします!