持ち込みレポート①
こんにちは、イドガネです。
先日のひらめき面談で「持ち込み行ってきます!」宣言したので早速2社行ってきました。
結論から言うと、マジで行ってよかった、なんならもっと早めに行っとけばよかったです。
というわけで、ざっとレポート書いていこうと思いますが、
内容に入る前に2つ注意点があります
- あくまで持ち込みでのやり取りはクローズドなものなので、同様にレポートを描きたい場合はちゃんと編集の方の許可を取りましょう。
今回は出版社名を伏せればOKとのことでした。 - 今回の内容は自分で咀嚼・整理してから書いているので、編集さんの意図とは異なっている可能性があります。
●持ち込みの電話
今回は直接出版社に持ち込むことにしたので、電話での予約が必要でした。
多分、多くの人はここが一番ハードルが高いと思います。
ただ、思ったよりあっさり終わりました。
私「も、持ち込みしたいんですが…」
↓
「はい、いつ頃がよろしいですか?」
↓
私「直近だと○○日の××時で…」
↓
「はい、ではその時間でお待ちしてますねー」
以上です。
ただ、片方の会社では「持ち込まれるマンガのジャンルは何ですか?」と聞かれたので、マンガの内容を簡潔に説明できるようにしておいた方がよいと思います。
●持ち込み準備
今回メインで持って行ったのは「じいちゃんの手」ですが、念のため過去二つの完成稿も持っていきました。
見開きで見てもらいたいため、A3用紙に2ページづつ印刷しました(ひらマン授業で講師の方に見せる紙と同じような感じです)。
ただ、クリスタで見開きで出力を選んでも1p,16pは単ページで出力されてしまうので、それぞれの前後に空白ページを挿入し、ノンブル開始位置をずらすことで対応しました。
ノンブルをずらす方法は↓を参考。
https://www.clip-studio.com/clip_site/support/help/detail/svc/53/tid/85045
A3プリンターは家にないので、近所のコンビニにUSBメモリで持ってって印刷しましたが、死ぬほど時間がかかるのでちゃんと前日に終わらせておきましょう。
●持ち込み当日(1社目)
念のため10分前に付くように出発しましたが、ものの見事に電車が大幅遅延しました。
(出版社の方には遅れる連絡をしました、報連相は大事です)
出版社に到着し、編集の方がやってきて持ち込み開始です。
以下、編集の方から言われた内容です
〇じいちゃんの手
- 読後感がよい
- 手を触る理由もちゃんと良いいしており、人のパーツが好きという設定もオリジナリティがある。
- おじいちゃんの悩みも解決する話があればなおよかったかも
- ネーム運びはまだまだ詰められる余地あり。
例えば無意味に横長コマを使う傾向がある、そこを詰めれば内容を増やせるし、人物の胸元アップを表情と手元に分ければ演出力も上がる - 目アップのコマ(6p,4コマ目)は読者に伝わる(誰かわかる)までラグがあるので、読むリズムを止めてしまう可能性がある。
使い方は気を付けた方がよい。 - おばあさんの言葉が女の子の悩みを解決するという話はシンプルでよい。
- 手の場面(14,15p)は見開きはやりすぎかも
見開きにすると1p上下→2p上下と読者の視線がジグザグに動いてしまう。
1pに4コマ書いた方が視線が上下移動でおわり、シンプル。
削った分をリアクション(表情)にあてた方がよい - 絵のクオリティはもう2段階あげて
〇土角・賀茂のカウンセリング
- 霊の話を聞くという、読者をはっとさせるポイントがあるのがよい
- 女性がただ巻き込まれた感がある、この女性である必要性をもっと書いてほしい
〇オレのタルパ
- タルパという設定にオリジナリティがある
- 作品全体にドッキリ感がない、早めに女の子が妄想だとわかってしまうので、そこで読者が離れてしまう可能性がある。
- もうちょっと話を読者の予想の斜め上に持って行って欲しい。マッチョのタルパだけでは物足りない。
〇その他
- 最近のマンガ読者は雑誌ではなく作品につく傾向がある。
なので雑誌の方向性というのはあるが、バラエティは豊かにするようにしている。
以上が言われた内容の大まかなまとめです。
時間は30分ほどでしたが、かなり細かい部分までアドバイスを貰えました。
●持ち込み当日(2社目)
念のため10分前に付くように出発しましたが、ものの見事に電車が大幅遅延しました。
呪われてんのかな。
こちらは編集の方がひらめき☆マンガ教室の存在を知っていてくれたので、マンガを描いた背景(課題)など話がスムーズにできました。
〇じいちゃんの手
- 2pにちゃんとヒキ(読者の興味を引く要素)を用意できていてよい。
- リズム感がよく、読むのに詰まることはなかった。
- 難しいテーマを扱ったな、という印象。
- テーマに対して解決法が普通な感じ、この解決法で行くならもっと一般的な導入にした方がよい。
例えば、女の子の悩みからスタートするのではなく、いい相手がいてアタックされているがどうしていいかわからないなど。 - 作品の要素が手、女の子の悩み、花壇の手入れと3つあるが、花壇は唐突な感じがした。
もっと前半でおじいさんが花壇を大事にしている要素を入れてほしい。 - 14,15pは見開きなのもいいが、単ページにした方が他でできることが増える。
- 最後、女の子の結婚観(公務員としたい)で、女の子の性格がよくわからなくなった。
- 題材が地味(アクションをあまり入れられない)なので、女の子の方のドラマをもうちょっと書いてほしい
- お話としては成立しているが、やはり作画力が足りない。
原作者という道もあるが、アイデア力が必要。 - 老人の手がいいという話だが、この作品で出てくるのは老人の中でもかなりしっかりしている手。
もっと皴のある老人らしい手がいいという方が独創性がある。 - じいちゃんの手がいいという理由に、女の子との思い出も交えるといいかも
- 16pという縛りがあるなら、もっとシンプルに。
各要素が活かしきれていない
〇土角・賀茂のカウンセリング
- どの要素を楽しめばいいのかわかりにくく、前提もうまく伝わっていない
- 尖ってはいるが、話の納得感は「じいちゃんの手」の方がよい。
- 話としてシンプル過ぎ、都合がよすぎる感じがする
- 幽霊のえがき方にもう少し気を使ってほしい
幽霊も救う話なら、読者に救いたいと思わせてほしい
〇オレのタルパ
- 要素や前提の伝わり辛さや都合のよさはカウンセリングの話と同じく気になった
- 女の子よりも、ムキムキのタルパの方が面白い
この設定なら、女の子を作るつもりが、ムキムキのタルパができてしまったという話の方がよさそう - ギャグなのかいい話なのか、ジャンルが伝わり辛い
〇その他
- 長くサラリーマンとして仕事をしていたとのことなので、それは武器になるのでは。
- 目標は賞を取ることとのことだが、賞を取ってからが長いというのは理解しておいた方がいい
- マンガ賞で主にみているのは、尖っている部分があるかどうか
- 尖っている部分というのは過去の経験とアイデアを組み合わせて作られている
- 尖りすぎている題材を調整していく方がやりやすい
- 作品における自分の武器、つまり読者に何を楽しんでほしいかをしっかり意識して。
以上が言われた内容の大まかなまとめです。
マジで細かいところまで見ていただき、マンガ業界のリアルもちゃんと教えていただきました。
●まとめ
今回はアドバイスを貰うだけで終わる、いわゆる予選落ちの結果でしたが、2社ともにかなり細かいところまでアドバイスしていただき、本当に行ってよかった思います。
特に2社めの編集者の方にいわれた、「尖りすぎている企画を調整する方がやりやすい」という言葉は成程と感じました。
(特に自分は小さくまとめてしまう傾向があるので…)
前回の授業でストーリーの作り方・磨き方も教わったので、第5課題以降は企画力を挙げていこうと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました!