【最終課題・講評会感想】あの作品のあのコマが好き!【後半】
こんにちは、6期聴講生のyomです。
最終課題・講評会感想の後半です。
↓最終課題作品はこちらから読めます
前半はこちら↓
最終課題について、各作品の中で自分が一番好きだと思った1コマについて感想を書きました。
順番は最終講評会の講評順になっています。最終講評会の後に書いたため、講評会で話されていた内容についても触れています。
一部作品の画像を引用させていただきました。問題ない範囲の引用を心がけたのですが、もし「削除してほしい」などありましたら遠慮なくお伝えください。対応いたします。
後半で取り上げている作品
☆ 藍銅ツバメさん『あらゆる文士は娼婦である』
☆ くまのぶ さん『小食二郎訪問 〜環七一之江店〜』
☆ ひむか さん『プリンセスを探して』
☆ 山岡兄弟さん『パティスリーヨシダ』
☆ はやしなおと さん『ドイツと日本のモノレール乗り比べてみた』
☆ アキオさん『私が家を燃やした』
☆ 深田えいひれ さん『可愛がり専用職員』
☆あい乙いなびこ さん『怪物』
☆ 馬場逸さん『あこがれ』
☆ 藍銅ツバメさん『あらゆる文士は娼婦である』
玄関先での3人の名刺交換のコマが面白かったです。
「すっごいよくない自己紹介してる」という的確でとぼけた感じのツッコミ、靴や背景がきちんと描かれていてキャラの描き分けもされていて、絵もうまいなぁと思いました。
あと猫のみゃんたがかわいかったです。
☆ くまのぶ さん『小食二郎訪問 〜環七一之江店〜』
4ページ1コマ目のこの絵がすごく好きです。
湯気を眺めている主人公の表情、店内の細かい様子が丁寧に描かれていていいコマだなぁと思いました。
くまのぶさんの作品は同人誌と課題7以降に一気に読みやすくなったと思うのですが、「いい絵だなぁ」とじっくり見てしまうコマが毎回あって、独特のかわいい絵柄と相まって不思議な魅力を感じます。
講評を聞いていて、二郎マンガは狭いようで色々な可能性があるんだな、と思いました。今後どうなっていくのか楽しみです。
☆ ひむか さん『プリンセスを探して』
かぐやのこの表情がすごくいいなぁと思いました。
丁寧に繊細に描かれた眉や目の細かい線、光やあたたかさを感じられるトーンの表現、素晴らしいです。
お手伝いされた方の力もあるのかもしれませんが、全ページを丁寧に仕上げていて本当にすごいと思いました。
ひむかさんの「宣言してやり遂げる姿勢」は気合いが入っていてかっこいいな……と思いながら見ていました。個人的に影響も受けていて尊敬しています。
☆ 山岡兄弟さん『パティスリーヨシダ』
ラストの1枚絵の飛行機と空、旅立つヒロインの後ろ姿が美しかったです。
絵の力でなんかいい感じに納まっている、というところもあるのかもしれませんが、欲しい絵を出すまでの過程を聞くとかなり根気のいる作業をされていて「やっぱりラクして作品を作れるわけじゃないんだ……」という当たり前のことがよくわかりました。
過去の講義でも度々盛り上がっていましたが、制作の裏話が興味深かったです。
講評で神成明音さんが仰っていた「人間が見えたい」という言葉が印象的でした。山岡さんの人間が見えるnoteのマンガ、面白いです。
☆ はやしなおと さん『ドイツと日本のモノレール乗り比べてみた』
ガラスに手と顔をくっつけているコマがコミカルで好きです。
簡単な線なのに何をしているのかちゃんとわかるうまい絵だと思いました。
完成しなかったことは残念ですが、それでも〆切に提出したはやしさんの姿勢には頭が下がります。
講評での「絵柄が統一されていればそういうものになる」というお話にはなるほどと思いました。
☆ アキオさん『私が家を燃やした』
1ページ1コマ目のアパートが燃えている絵がよかったです。アキオさんの背景の絵、なんか味があっていいんですよね……。背景がちゃんと仕事をしている感じがあって作品に奥行きが出ていると思いました。
途中から2人の人物の会話だけで話が進みますが、無言の人物のコマやセリフだけのコマ、背景のコマが入っていて、それが独特のテンポと読みやすさになっているように感じました。1年でコマを割ってマンガを描けるようになっていてすごいと思います。
☆ 深田えいひれ さん『可愛がり専用職員』
ラストから2ページ目の女性3人が「ゴォオオォ」と登場しているページがよかったです。
顔や体形、筋肉へのこだわりなどタイプの違う女性を楽しんで意欲的に描いているのかな、と好感が持てました。
講評で「三船さんが一番美人なのがわかる」と言われていたのも「確かに!」と思いました。
難しいポーズや動きを積極的に描かれているように見えますが、この感じでたくさん描いていけば絵の上達は早いのでは、という気がします。
☆あい乙いなびこ さん『怪物』
2コマ目の怪物の動きと描き文字の感じが面白かったです。
今までのいなびこさんの絵柄とはだいぶ違っていて驚きましたが、アピール文を読んでなるほどと思いました。「1ページを丁寧に描く」という目標をきちんと達成されたんですね。
個人的には『お酢』や『ランドセル宇宙』のような作品が好きなのですが、ああいった感じの作品を今描いたらどうなるのか見てみたいと思いました。(今描きたいものとは方向性が違っているのかもしれませんが……)
今後のTwitter(X)での活動も見させていただきます。
☆ 馬場逸さん『あこがれ』
ラストの女の子の表情が不満そうにも見えるし目が笑っているようにも見えて魅力的だと思いました。
下描きのような線が入っていますが、わざとそういう絵にしているのかどうか気になりました。
講評は厳しいお話もありましたが、さやわか先生の「なにかもったいない、せっかくここまで描けるのであれば……」というあたりは同じように思った方が多かったのではないかと思います。
私も同人誌に続いて馬場逸さんの作品が読めて嬉しかったです。
☆ ☆ ☆
最後くらい全作品について感想を書きたい、と考えた時に「好きな1コマについてなら書けそう」と思ったのですが、実際に書いてみたら全然進まなかったりして「やっぱり書けないかも」「できないことをやろうとしたのかも」と何度も思いました。
制作生の方々が〆切に課題作品を提出してきたことは本当にすごい…… と改めて思いました。
ひらめき☆マンガ教室第6期、1年間おつかれさまでした。
ありがとうございました!