ひら☆マン6期さんばメモ(6/10 師走の翁 先生)
ひらめき☆マンガ教室の5期・6期聴講生である、私、さんばが、
昨年度(5期)の制作生が「壇上では緊張してしまい、FBをうまく受けられない(大意)」
とぼやいていたのが心に残っていたので、
助けになれることを考えた結果、今年度は、講義メモをまとめて公開することにしました。
第3回講義 ゲスト講師 師走の翁 先生
師走の翁_Wikipedia
目次
①ブログの意図/前提の確認
②講義部分
・インタビュー部分
インタビュー(トピックのみ)
・講評
ネーム
完成稿
③今回のまとめ
①ブログの意図/前提の確認
【ブログの意図】
・ひらめき☆マンガ教室の各講義は、
「ゲスト講師へのインタビュー」→「作品講評」となっている。
・インタビューや各制作生への講評時のアドバイスには、
ゲスト講師の「ポリシー」や「イズム」が通底していると感じる。
→だから、講義メモを通して、それをあぶりだしたい。
・基本的には同じ内容を別の言い方で言っている部分を、そこをピックアップしているつもり。
制作生の先生からのアドバイスのへの理解の補助線になればいいとおもう。
【すべての講義の前提】
ひらめき☆マンガ教室の講義すべてに通底するのは「ひらめき☆マンガ教室必勝法」だと理解しているので、記載!
ひらめきマンガ教室必勝法(重要順)
☆意地でも完成させる。
☆何度もやる。何度も失敗する。
☆積極的に行動する。
☆理由を説明できるようにする。→自分がやってることを理解する。
☆ゴールから逆に考える。
☆他人の表現を観察し採り入れる。
☆思い込まない。(かもしれない運転)
【メモの前提】
・各個人に対するFB内容の具体はメモしない。
・できるだけ「考え方」の部分での指摘をメモしていく。
・さんばが主観的に「大事な指摘」だと思ったことを書く。(真に重要な指摘かは判断せず、聞いてて個人的な観点から重要だと思った指摘を書く)
・「他の人もそうなんですけど~」という言い方から始まるアドバイスを主に書き起こしていく。
②講義部分
【インタビュー内容】(トピックのみ)
・エロ漫画は、「エロ」をやっておけば、他どんなジャンルを組み入れてもOKなところがいい
・電子化で同人活動のほうが良いという考え方もあるが、お金をもらいながら育ててもらえるのが商業作家になるうまみ。
・同人活動は自由度が高いと思われているが、実際は、編集がOKだしたら、雑誌に載るし、原稿料がもらえる。なので、商業のほうが自由度がたかい。 →お客さんがダイレクトだと「お客さん次第」の影響が大きく出るので逆に不自由。
さやわか先生から質問:エロ漫画家は一般マンガにいけない?
→シームレスに移動できる。そもそも、一般ジャンルでも「簡単なエロ(=お色気)」を欲してる。エロは画力が問われる。また、エロで結果を残したら、すぐ、他から声がかかる。
・エロは見せ方が決まってるので、やりやすい。
「ネーム模写の重要性」師走の翁先生作スライド(資料配布アリ)
(以下内容抜粋)
・師走の翁とは?
・受講生のマンガの面白さとキャリアと必ずしも一致しないのはなぜか。
・「絵作り」例題
→セリフ運びではなく、絵作りでいろいろ説明ができることを教えてくれてる。
・ネーム模写をやろう!
→「構図とその意図」の手持ちパターンを増やすため
マンガ構図などを理解できる
構図や構成のパターンを覚えていく稽古が可能。
模写するマンガ=自分が読みやすいマンガ、なりたい方向性のマンガ、読まないジャンルをやってもいい。→どの武器を欲しいかで選ぶ。
(稽古と練習の話が良かったので掲載)
練習=できることの精度を上げる。
稽古=やれないことをできるようにする。(=基本辛い)
課題文の武器の質問の意図の説明。
・武器は常に考え更新する必要があるが、
「人と違う、あなただけの」武器である必要がある。それは創作の「筋肉の素」になる。
【講評】ネーム講評
5作選出→選出理由:課題に書かれていることを理解し、書けているかどうか。(さやわか先生)
<師走の翁先生 FBの前提>
提出作品(および作家)は
①ひらマンで初めてマンガを描いているひと、
②初心者ではないけど、まだ商業レベルじゃないひと
③商業レベルのひと
がいるが、
①の人にやさしいアドバイスになる
②の人に厳しいアドバイスになる
③の人は商業で勝てるアドバイスになる。
マンガ家としての「やっていき方」の話
・やる気のないときには、頑張らない。ロボットのように手を動かす。調子が出てきたら、がんばる。やる気や頑張る気持ちに蓋をして、「作業をする」
・漫画家として面白くなるには自分を見つめなければいけない
見つけ出した自分をさらけ出さなければいけない。だから、キツい
・「この(作りたい)物語にとって何が重要なのか」を、作者は「解っていて」それを「説明できるべき」
・読者に受け取らせたい(≒読み取らせたい)事は「物語にして、納得させる」が必要。
提出ネームに対するアドバイス
・起承転結の「起承」「結」が多い。「転」がないマンガが多い。
・マンガの物語を進める上で、表現の優先順位「行動→会話→心の声(モノローグ)」。
・設定を思い付いたら、それが「どうしたらより面白くなっていくか」を突き詰めていくと物語になる。
・モラル問題:男女逆転して考えてみて、倫理的にダメな設定や、表現はダメ!
・テンポを考える時、コマ内情報の厚みで考え、バランスを取る。また、間をうまく使う。(≒怪談や漫才などの間を考えるとわかりやすい。)
・ネーム時点で、5W1Hがせめて伝わるように描こう!
・漫画はコマの中で(意図せず)話題が変わってはいけない。
・キャラのカップリングは「2人として」のエピソードが読者の説得には必要。
【講評】完成稿講評
前提:師走の翁先生の鶴谷先生課題「物語にしてください」の解釈
=「悪いもの」や「嫌いなモノ」に許しを与えろ。ということ。
「嫌いな○○」を物語にしようと思って、解像度を上げて、視点を変えれば、
相手なりの理屈があり、それを読者に説明する必要があるから。
マンガ家としての「やっていき方」の話
・質問:プロとしてマンガになるのはいつなの?と聞かれる
→自分で期限を区切ってやる。ゴールから逆算する。
・「決め」で進める。
・ネーム原作者は重宝される
・マンガについて理解している人は何も言わない。文句を言うひとだけ口を開く。
・機会があれば、違う世界・知らない正解を覗き見るのはマンガのネタ的にGOOD
完成稿に対するアドバイス
・モラル問題:「日本中の人に読ませると思ったときにOKかを考える」(師走の翁先生)
・モラル問題:エンタメになっているか?
・モラル問題:「倫理的でないことを作者はわかっていますよ」があるとよい。(さやわか先生)
・「マンガはすべて意図なので、意図がないことはしてはいけない。」(さやわか先生)
・モノローグで書きたい事を絵や芝居で見せるとマンガらしくなる(師走の翁先生)
・状況が変わる≠物語(師走の翁先生)
・読者に説明し過ぎないことも大事。(ただし、説明上必要なものは減らさない)
・「今まで読んだマンガのデータベースがあるから、そこの「登場人物の関係性」前提にマンガを描いてしまい、その前提を共有されていない読者には「わからない」がはっせいしてしまう。というあるあるがある」(さやわか先生)
・「読者にとって変だと思われる事は辞めましょう」「他のマンガがやってない事はやらない」→読者に読みにくさを強いるようなことは止めましょう。(さやわか先生)
③今回のまとめ
・「倫理的に」という点で指摘があった時に、師走の翁先生は「そのせいで楽しめない」という趣旨とセットで語っていた。
→マンガを楽しむ上で「読者にとってのノイズになるからNG」という意味合いで捉えなおすのがいいかも。
・さんばはわからなかった話
??「そうはならんやろ」もあるけど「マンガだからOK」もある。そのラインはどこなんだ…?
??「作者は重要ではなく、作品が重要」(大井先生)
以上、師走の翁先生、12時間の白熱講義ありがとうございます!
まとめるのが大変でしたが、「全員質問システム」により、いろいろな話題がでても、万能で対応なさっててすごかったです。
また、どんな回答もアドバイスも、確固たる軸として、
・読者が楽しめるか?
・読者はわかるのか?
・マンガ(および物語)として成立しているか?
という視点があり、まとめていると、理解が進んでいくのが楽しかったです!
さんば