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鬼子の夢

由月のこ

由月のこ
鬼子の夢

映画でもマンガでもサスペンスホラーが大好きです。そこで今課題では、サスペンスホラーを自分でも作ってみることに挑戦しました。

サスペンスホラー初心者なため、ベタな展開に則っています。禁じ手の夢オチも使ってます。

想定媒体:グランドジャンプ、スペリオール

【ネームに綿密に絵を入れた理由】

コツコツ積み立てるように毎日練習することが苦手です(←学習ドリルが苦手なタイプでしたし、テスト勉強や受験勉強も無計画で、一か八かの人間でした)。ただし、コマの中に絵を描いてキャラの表情やポーズをつける作業は楽しいため、ネームの上で絵の練習をしている感じです。

また、サスペンスホラーの表現型やそれっぽい演出を実際の原稿用紙にどう落とし込むのか事前練習していた感じでもあります。

この提出ネームとは別に作ったミニネームでは、もっともっと簡略化した形で描いてます。

【反省点】

ネームを作り終えた後、人物造形が薄っぺらいなあ…と自分にがっかりしました。人間の暗部に切り込みながらエンタメとして楽しめる作品を作りたいです。

また課題2のネームと同様、むりやり16ページに収めた感が強いです。後半が駆け足になり、ダイジェストになってしまったことが悔しくてたまりません。クライマックスの主人公の行動に説得力を持たせることが本当に難しくて、自分の実力不足をひしひしと感じております。

【質問】

想定読者は30〜60代の男女なのですが、このような内容を男性読者はどう受け止めるのでしょうか?私自身は女の欲望や暴力性をあばいていきたくて描いてます。

【自分の武器について】

マンガに役立つか甚だ疑問なのですが、精神分析や現代思想、宗教、哲学、社会学などに関心があり、大学卒業後(心理学専攻)も持続的に勉強してきました。

理論が苦痛ではありません。体系的に物事を見たり構造を理解することにワクワクします。

▷他大学のジェンダーフォーラムに参加して女性学やフェミニズムを勉強しました(故井上輝子氏に学ぶ)

▷ここ数年は精神科医・松本卓也氏の講義を聴いてました。フロイトとラカンの精神分析の事例を丹念に読み込み、とりわけラカンの理論には驚嘆と畏怖の両方が入り乱れるような感覚があり、人間の深淵を覗いた気分でした。

▷社会学者・宮台真司氏の私塾に参加し、社会学と人類学をアクロバティックに串刺しにする体験は貴重でした。宮台先生からはこの世界をどう見るのかといった「目」をいただいたと思ってます。