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初恋、二周目

新川帆立

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新川帆立

新川帆立
初恋、二周目

想定掲載媒体:青年誌 (特にモーニングを想定)

できているかはさておき、目指している商品性は「男向けの岡崎京子」です。完成稿は安田弘之さんのような絵柄で描く予定です。

 ▼企画について

①元の企画文『初恋、二周目』

玉口聡、35歳。高校まではひ弱でいじめられていたが、大学進学を機に一念発起。運動会空手部に入部し、OBのツテで総合商社に就職。堅実な仕事ぶりで同期の出世頭となり、今や年収2000万円の課長職だ。同窓会で初恋の人、美波と再会。美波は幼子を抱えたシングルマザーで、経済的に困窮している様子だ。学生時代に叶えられなかった初恋を今なら叶えられるかもしれない。聡は美波を食事に誘う。大人の青春やり直しストーリー。

②修正した企画文

山岡聡、30歳。通勤途中に初恋の人・高田さんと出くわし、食事に行くことに。高田さんから積極的なアプローチを受け、一夜を共にする。高田さんはシングルマザーで経済的に困窮していた。他方で山岡は総合商社で課長として働く出世頭だ。お金目当てで近づいてきたのではないかと訝しみ、山岡は失望。高田さんを粗雑に扱う。しかし高田さんは実は、山岡のことを本当に好きで、勇気を出してアプローチしていた。すれ違い両片思いを描く、大人のやり直し青春ストーリー。

③修正理由

青年誌向けに、大人の男性がより共感できる「深さ」を出し、より楽しめるポイントを増やす必要があると考えた。大人が楽しめるビターなテイストに寄せたうえで、「初恋の人から実は想われていた」という嬉しい要素を追加した。

④読切としてのまとめかた

連載第1話にする場合、今回のネームのラストに2ページほど足して、高田さんの視点(「実は本当に山岡のことが好きだった」という情報)を追加して、「引き」にする。そのうえで、第2話は高田さん視点のストーリーにする想定です。ただし今回のネームは、独立した読切として読めるものを作るという観点から、山岡視点だけでビターに締めました。

▼気をつけたこと

①モノローグが多いマンガになっている自覚はある。演出と絵で表現できるようになりたい。が、現段階の自分の画力と演出力では大人向けの微妙な感情を的確に表現できないので、今回はモノローグに頼ると決めた。そのぶん、モノローグの文章はなるべく読みやすく、読みがいのあるものになるよう心がけた。

②ペタッとしたポスター的な画面を想定しているので、コマ枠はあまり開かないようにしている。また淡々と静かに進むリズムを想定しているので、コマ枠の形もオーソドックスに四角く割っている。

▼気になること

①「このコマをこういう絵にすれば、この文字はいらない」「こういう演出にすれば、この文字はいらない」というように、文字を減らす方向の修正が可能なら、修正案を知りたい。

②読み味として「ただのザマアもの」になっていないか。主人公の心の痛みが伝わる作りになっているか。

③企画として、フックが弱すぎないか。また青年誌向けの内容として適切か。

そのほか気になることがありましたら、何でも指摘してほしいです。講評のほど、よろしくお願いいたします。