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赤茄子私刑─トマト・リンチ─

由月のこ

由月のこ
赤茄子私刑─トマト・リンチ─


【ネームからの変更点】

変更はありませんが、最後に1ページだけ追加しました。

ネーム:14ページ

完成稿:15ページ

追加した理由は、講評のときに女性主人公と夫の顔がラストページで見えないままなのはどうなのかと指摘を受けたからです。

追加したラストの主人公の笑顔についてですが、読者の方々にちょっとした衝撃を与えることを目指して描きました。弱者なのか強者なのか判別しがたい女性の二面性とか、行為(トマティーナ)に宿る狂気とかがそこはかとなく伝わって、面白がっていただければ幸いです。従来の「サレ妻もの」を脱構築してやるぞ!という意気込みで取り組みました。

想定媒体:グランドジャンプ

赤茄子私刑-トマト・リンチ-

〈キャラクターとエピソードについて〉

私が専業主婦になったとき、人生が味気ないものに突如変質してしまいました。その経験をベースにして、閉塞的な状況の中で鬱屈した感情を抱える専業主婦を描こうと思いました。

鬱々とした暗い気持ちを開放させる享楽的なイベントとしてスペインのトマト祭り(トマティーナ)を引用することを思いつき、主人公の女性キャラを「サレ妻」に設定。浮気した夫への復讐・禊の過程で主人公のエネルギーが「枯れ→充足」へと変化するところをおもしろく伝えたくて、ネームを切りました。

トマトをぶつけられる側の夫の容貌は三白眼キャラにして、冷たい印象を強調。読者からは「制裁を受けても仕方がないキャラ」といふうに感じてもらえるよう配慮しました。

〈不安なこと・わからないこと〉

①内容がちゃんと伝わっているのか不安です。読んでいて意味不明なところや重複した要素(要らない箇所)、足りない要素、物語のテンポ感に問題があればご指摘ください。

②主人公のやっていることはトマト祭り(トマティーナ)を隠れ蓑にした私刑行為・暴力加害ですが、マンガとしておもしろく受け止めてもらえるのか不安です。読者に忌避感を抱かせずに読んでもらうにはどういった工夫が必要なのでしょうか?

〈反省点〉

物語というよりはひとつのエピソードの切り抜きになってしまい、課題に応えていないと感じました。それと、キャラクターの微妙な感情を伝えられるマンガを目指しているのですが、単なる顔マンガになってしまったことを反省してます。