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名探偵の日

丸子 ふみお

制作コース

完成稿

丸子 ふみお
名探偵の日

課題1 「名探偵の日」 完成稿

ネームから修正したのは、二点です。
主人公(コバヤシ)のサイズをでかくすることと、セリフをいくつか分かりやすくするように、とのことでした。
だいたい武富サンの赤字の通りに直し、納得いかないところは直しませんでした。直したところは、強調されて、よくなりました。よかったと思います。

前回の講評で、視点人物/主人公について指摘されたのですが、あまりよく分かってません。
自分は、この話を、キョウスケ(元ホスト)が主人公、コバヤシは彼を補足する視点人物、だと思って作りました。キョウスケがメインの行動や心理変化をし、コバヤシの方は彼の行動を見て、モノローグでおぎなったり、話をまとめるために配置しました(でも、ある程度、コバヤシの反応もシッカリ描かないといけないと思い直し、今回の修正をしました)
コバヤシは主人公なんでしょうか。
武富先生のアドバイスはたぶん、「視点人物を配置したら、それは主人公なので、もっと強調せよ」ということだと思います。視点人物、即主人公なのか、それともあるていど自由度があって、二つをズラして考えてもいいのか、あまりよく分かりませんでした。
たとえば、極端に言うと、冒頭とラストだけ視点として登場し、説明とまとめだけやる人物、というのも可能なんでしょうか?

群像劇のようなものを作ってみたいので、もし講評を受けられるなら、その辺のことをお訊きしたいです(或いは飲み会とかで)
どうぞよろしくお願いします。

名探偵の日

読者のみなさんへ:ユメをひきずる、しょぼいおじさんの話です。なるべく、主人公キョウスケがしょぼくなるように描きました。自己紹介には……なってしまっているので、ちょっとザンネンな気持ちです。分かりにくいところや感想があったら、コメントください!よろしくお願いします。

先生がたへ:初めてマトモにマンガを描きました。けっこう難しかったです。絵がちゃんと描けるか不安だったので、はじめと最後の方だけ、ペンと塗りを入れました。見にくいかもしれませんが、よろしくお願いします。今回の課題は、自身の経験を材料にして、「物語」に調理することです。個人的な体験を、編集加工し、みんなに伝わる汎用的な形に変える訓練だと解釈しました。主人公はおじさんなので、ビジュアルはカッコよくはない(その代わりキョウスケは憎めない感じに。ミキはかわいくしたつもりです)だから構成を工夫してがんばりました。話にハマるように、設定を細かく決めました。
登場人物は三人。要約するとこうです。
キョウスケ……テキトーにユメを追い、落ちぶれたおじさん。主人公。
コバヤシ……キョウスケの幼なじみ。ユメを覚ます役。話の視点人物。
ミキ……キョウスケの変化のキッカケをつくる役。
細かく言うと
●キョウスケ……落ちぶれる必要があり、饒舌にウソをつき、だが憎めなく、陽気だ。だから元ホストが適当だと思いました。
ミキが懐くために、やや子どもっぽい。表情、手がよく動くようにしました(オッケーポーズをさせるため)やさぐれた感じを出したくて、髪はボサボサ気味、やせ型。服は黒。合掌するので、黒がいいと思いました。顔にキズが二つあるが、経緯を説明する余裕はないので「東京でワルもんにいじめられた」で濁しました。
●コバヤシ……キョウスケが引き立つように、逆。寡黙。実直。まともな大人。がっしり。寡黙でないと、話が成り立たないと思いました。必要なことしか訊かない。キョウスケも現実逃避したいから、話さず。モノローグもそんな感じの口調(ただ、ラストで水をぶっかけるのでやや粗くしました)コバヤシには、終始まともなことしか言わせてません。最後は同情しつつも、ちょっと怒っています。リサイクルショップ設定は、空き家掃除(と見せかけ遺品整理のようなもの)、キョウスケをリサイクルするような感じ、水ぶっかけ、に関わっています。
●ミキ……キョウスケのウソを信じこむ役。信じられるくらいの年齢です。その役のために、アクティブ。元気。「探偵の助手」になって、探検するくらいに。キョウスケのウソを信じつつも、キョウスケにゲンジツを見せちゃう役です。貰いっ子設定は、コバヤシがキョウスケを「拾う」ので、あったほうがいいと思いました。ラストで眠って、ユメを見る役でもあります。

シーンは大きく分けて三つです。比率は16ページ中、7ページ、4ページ、5ページ。
1) 登場人物の役割(1-7ページ(空き家に行くまで))
やや込み入った人物関係があるので、徐々に紹介するのがいいと思いました。キョウスケは、怪しい人物として登場し、過去があり、しかも自分の身分を偽るので、混乱しないよう気をつけました。ミキは積極的だが、コバヤシには距離感があります。基本的なフンイキはのどか、明るい。キョウスケも笑顔が多い(後半で泣き崩れるので)ホラ話も途中までうまくいっている。コメディトーンも少し。しかし、不安要素をところどころに入れました。キョウスケの暗い表情と、コバヤシの冷静な視点です。物理的な場が、二回変わるので、なるべく途切れないように工夫しました。
2)変化のイベント(8-11ページ(空き家))
空き家でフンイキを変えようと思いました。ゴチャゴチャの中に、不穏なブツを描こうとしています。布団を見るまで、ちょっとだけ怖くしたかったのですが、ウマくいってるでしょうか。ミキを「恐い子ども」として描きたかったのですが。布団のシミは絵として分かりにくいので、セリフでハッキリ言わせました。合掌も分かりにくいかもしれないので、コバヤシモノローグでサポートしました。
3)最終的に(12-16ページ(帰ってきた後))
このシーンがうまくいっているかどうか分からなくて、バージョンがいくつもあります。要約すると、「キョウスケが泣き崩れ、コバヤシが水をぶっかけて、目ぇ覚ませ」なのですが。何だかはじめの方の間が悪いような気がします。コマが小さいでしょうか。でもだいたい必要なセリフな気もします。見せ場で、ウソつきキョウスケは「泣きオッケー」で、コバヤシはどっしりと反応させたかったので、やや間をとりました。最後のページは、サクッと終わらせたくて、セリフは少な目です。眠るミキはあのサイズでいいのか、不明です。意図せずですが、最後のページは「目ぇ覚まして、フロ入って、ゴハン喰って、寝る」になっちゃいました。

というのが、考えただいたいです。課題では「物語」について、キャラクタ設定と起こるイベントを合致させることだと書いてありました。製作は、テキストエディタでやったらうまくいきませんでした。そのあとクリスタで、絵とセリフの候補をたくさん作って、パズルピースみたいにし、組み立てました。絵やコマ割りは、はじめは映画っぽく作ったら、失敗でした。何だかぜんぜん時間が経たない。間が取れない。キョウスケが、泣いてオッケーして、すぐに水をぶっかけたら、スゲー台無しになってしまいました。たぶん、時間は、コマ枠の外で経つのだ、と気づきました。そしてマンガの絵は、むしろ映画ポスターとか広告デザインに近いと思いました。ようするに、必要な分だけ、必要なサイズや目立たせかたで描く。そういう発見が、作る過程で、色々あったので、初回授業ではその答え合わせをしたいです。初めての作品なので、うまくいってるか分かりませんが、ぜひ講評を受けたいです。よろしくお願いします。