
好きなマンガ1冊『ファイブスター物語』19巻
ひらめき制作コースの渡邊清文です。一年間よろしくお願いいたします。
初回講義は別件の予定があって出席できないため、受講生の皆さんとお会いできるのは8月になります。自己紹介がわりに、Xの固定ツイートに #私を構成する9つのマンガ を置いています。
好きなマンガ1冊を紹介するにあたって、ここに挙げているものいないもの含めて、現在進行形で読んでいるマンガから選ぼうと思いました。ということで、
私の好きな1冊は、永野護『ファイブスター物語』19巻です。今年刊行の最新巻。
現在進行形といっても、連載開始は40年前です。たぶん作者が亡くなるまで描き続けられ、未完で終わる可能性が高いと思ってます。ジャンルは巨大ロボットSFファンタジー大河歴史ロマン。作者はシンプルに「おとぎ話」だと言ってます。未読の方に説明するなら「宇宙のどこかの星団にさまざまな国が群雄割拠していて、超絶カッコイイデザインの『スーパーロボットと美少女アンドロイドと、騎士や王侯貴族や市井の人々など様々な人間たち』が活躍する群像劇。ちなみに主人公は神」ということになります。
好きな理由の一番は、この何でもありで全部入りの全てにこだわったデザインです。作者の趣味全開の引用に参照、混ぜるな危険、闇鍋御免、あらゆるモノの細部までこだわったデザイン。「あらゆるモノ」というのが重要です。老若男女、人間か人造人間か機械かも問わず、戦闘服から下着までの衣装、建築、紋章、スイーツ、生物、超生物、ロボットの外見と内部機構、あらゆるモノのデザインです。
19巻には大きく二つのエピソードが収録されています。ひとつは北の大国で若く病弱な皇帝が亡くなり、新皇帝が即位するいきさつ。もうひとつは第1巻から登場していた野生の天才騎士にして最低最悪な性格の悪役=裏の主役の一人・黒騎士デコース・ワイズメルが、ようやく(登場から連載期間で30年以上を経て)騎士となる決意をした若者との、スーパーロボット(GOTHICMADEと呼ばれています)を駆っての決闘に敗れ、亡くなるエピーソードです。
好きな理由の二番目が、この巻にのエピソードには溢れています。
本編全巻より設定資料集を全部揃える方がお金掛かるし、王や騎士たちの血統、ロボットと美少女アンドロイドの設定と裏設定に溢れるカタログ主義的で血統重視のマンガのように見えます。しかし数百人のキャラクターの緻密な関係と、時に10年以上掛けて張られた伏線で編まれたストーリー重視の物語であり、前半のエピソードのような特権階級の物語ではあるものの、後半のように血筋など無関係の野生育ちが成り上がるエピソードが意外に多いところが好きな点です。
動乱の時代の歴史絵巻なので時は流れていきます。個人的に好きなキャラクターも、男性キャラ一押しのデコースが亡くなり、女性キャラもシリーズ・シアンくらいしか残っていません。楽しみが減っていきます。しかし、代わりに新しい刺激が必ず得られるという信頼があります。とりあえず続きの雑誌連載も絶好調ですが、20巻以降も楽しみにしています。
