
好きな漫画「地球へ…」
わたしはSFが好きなので、素敵なSF作品をみななさまにお伝えしようと思います!
SFといえば、竹宮恵子の「地球へ…」

1978年、第9回の星雲賞を受賞した作品です。
SF好きのわたしは、金髪碧眼にヘッドフォンの美男子、ソルジャー・ブルーに惹かれ漫画を買っちゃいました。
竹宮恵子は「花の24年組」と呼ばれる作家の1人です。
「花の24年組」は、昭和24年前後生まれで、1970年ごろ少女漫画の表現に「かわいいお話」の枠組みを超えた文学的、心理学的、また哲学的な表現を積極的に盛り込み、革新をもたらした作家たちを指します。
あらすじ
地球人の数や考え方が管理されるようになった社会で、検査をされた結果、基準からつまはじきにされた人々がいた。それがミュウと呼ばれる人種であり、身体のどこかの不自由さ故に第六感を発展させた人たちをミュウという。その第六感をエスパーといい、心の中を読む能力を持つ。ミュウたちは不出来な存在として地球から排除され、宇宙船で過ごす。地球の大地を踏みしめることを夢見ながら。主人公はジョミー・マーキス・シン、彼もまた地球の基準から弾かれた人物である。ジョミーは自身の優れたエスパーの能力により、ミュウの長であるソルジャー・ブルーに導かれ、ミュウたちの住まう宇宙船へと到達する。
「地球へ…」は複雑で難解だと言われることもしばしばあります。しかし、平成生まれのわたしが手に取るほど有名ということは、魅力的な作品であることには間違いありません!
竹宮恵子自身も文庫版のあとがきで、よく働いている作品だ、と述べています。
ミュウという種は、目の不自由な人が聴力が優れている、といった事例を能力だと拡張して捉えた表現だと思われます。しかし、それのみならず、現代の我々から見るとニューロダイバーシティの先駆けと見ることはできないでしょうか。
エスパーと呼ばれるテレパシー能力、ミュウという種は、いわゆる神経発達に特性を抱える人たちを表現したものとも、現代社会からあらゆる理由でうまく馴染めず透明化している人たちであるとも考えられます。
ここには
「いったい自分とは、人間とは、なんなのだろうか」
という問がうかがえます。
この作品が魅力的な理由のひとつですね!
好きなシーン
前置きが長くなりましたが、
一巻第一部の私が好きなシーンは、それまでミュウの長をしていたソルジャー・ブルーが力を失い、ジョミーにソルジャーとしての立場を託すシーンです。

ソルジャー・ブルーのキャラクターデザインの特徴であるヘッドフォン(作中では補聴器や記憶装置といわれる)これを、ジョミーに継承するのです。ヘッドフォンはミュウの長がつけているトレードマークであり、これはすなわちSF流、王の冠であります。これがジョミーにわたり、ジョミーはソルジャー・ブルーの背負ってきた悲しみや苦しみや覚悟、記憶を丸ごと継承することになります。ミュウたちに感情移入すれば今までの希望の要の命が失われるので、不安にもなりますが、読者としてはこれから主人公がどのようにミュウを背負って地球を目指すのかとてもワクワクするシーンであります。
もちろん第二部以降登場のキースもいいキャラなのですが、それはまた機会があれば。
ちなみに「地球へ…」の文庫版はたったの3巻ですので、興味をお持ちくださった方は是非、手にとってみられてはいかがでしょうか?
