
課題2作品(文字ネーム)
課題2作品(文字ネーム)
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タイトル:『追尾爆弾』
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主な登場人物:
アカツキ・・・少女
ミツル・・・・少年
式神・・・・・老婆のような姿
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「」・・・セリフ
()・・・心の声
M ・・・モノローグ
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P1
【コマ1】
タイトル『追尾爆弾』
まわる自転車の車輪
ミツルの鼻歌「ふんふーん。ふんふーん。」
【コマ2】
何かを見つけ自転車を停めるミツル
ミツル「あ。」
【コマ3】
ミツルの遥か向こう、地平線に何かの異形の影が見える
ミツル(やっぱりきた。)
【コマ4】
Uターンして振り返るミツル
ミツル(時計のように正確だな。)
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P2
【コマ1】
白帽にマスク姿のアカツキが焼き立てのパンをトレイに並べる
【コマ2】
マスクを外したアカツキが上司に笑顔で挨拶してる
アカツキ「おつかれさまでした」
上司 「あ、アカツキちゃん、慣れてきたからさ」
【コマ3】
上司 「来週からこねるのもやってみる?」
上司の声で振り返ったアカツキ、嬉しそう
【コマ4】
ロッカールームで着替えるアカツキ
アカツキ(仕事を覚えるのは嬉しいな)
【コマ5】
スマホにミツルからの着信履歴
アカツキ(あ。)
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P3
【コマ1】
家。スマホで話すミツル
ミツル「来たよ、式神。」
【コマ2】
道を歩き、スマホで深刻そうに話すアカツキ
アカツキ「そっか。あとどれくらい?」
【コマ3】
地平線の道。ペタっと歩く異形の式神
ミツルの声「明日の夜にはここに着く。」
【コマ4】
道。深刻そうに歩くアカツキ
ミツルの声「帰ったら荷物まとめて。」
アカツキ「明日バイト辞めなきゃ。」
ミツルの声「俺はさっき電話で辞めた。」
【コマ5】
公園のブランコに座るアカツキ
アカツキ(いやだな。)
アカツキ(全部いやだな。)
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P4
【コマ1】
巫女のような格好をした小学生くらいのアカツキが何かを見ている
アカツキのM「私が生まれるずっと前から、」
【コマ2】
目線の先にはシャーマンのように踊る母の姿
アカツキのM「ママはみんなの神様だった。」
【コマ3】
スーツの男が上半身を、大きな口の異形の者にすっぽり食われている。
アカツキのM「ママは遠くの人の命を奪えた。」
【コマ4】
政界や経済界の人間たちに囲まれる母の姿
アカツキのM「だから偉い人たちがママにお願いに来た。」
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P5
【コマ1】
誰かの口元の黒い影。何か呪文を唱えている
アカツキのM「でもある日、」
【コマ2】
暗い森の中をアカツキの手を引いて走る母
アカツキのM「ママは、ママの組織に裏切られた。」
【コマ3】
異形の姿をした呪いの式神がゆっくり歩いてくる
アカツキのM「その日からママは呪いに狙われた」
【コマ4】
母に連れられながら後方の式神を見る小学生のアカツキ
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P6
【コマ1】
公園のブランコを漕ぐアカツキの背中。
アカツキ(ママ・・・)
【コマ2】
「ウィークリーマンション佐世保」と看板のある門に帰って来るアカツキ。
【コマ3】
生活用品のほとんどないシンプルな部屋。
アカツキ「ただいま。」
ミツル 「おかえり。今日のこの部屋の最後だからさ、」
【コマ4】
ミツル、鍋を持って笑顔。
ミツル 「アカツキの好きなカレーにした。」
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P7
【コマ1】
カレーを頬張るアカツキ
【コマ2】
その様子を見ながら満足そうにカレーを頬張るミツル
【コマ3】
食べながら
ミツル「次は北の方に行こう。部屋も見つけてある。」
アカツキ「うん。」
【コマ4】
呪いの式神の足。ペタっと一歩進む。
ミツルの声「計算だと57日間は、あいつから逃げられる。」
【コマ5】
じっと下を見るアカツキ
アカツキ「散歩に行きたい。」
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P8
【コマ1】
月夜の川沿いの道。アカツキとミツルが歩いてる
【コマ2】
歩くミツル。
ミツル「ここも見納めか。」
ミツル「貯金がたまったら海外に行こう。」
【コマ3】
歩くアカツキ。
アカツキ「ダメ。あいつは直線で私に向かってくるから」
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P9
【コマ1】
地面に半分埋まる呪いの式神。
アカツキの声「地球の中に入っちゃう。そしたら」
【コマ2】
アカツキが眠る顔のすぐ横の地面から式神の顔が出てきている。
アカツキの声「いつ来るのかわからなくなる。」
【コマ3】
無言のミツル
【コマ4】
空に月、眼下に町。見下ろすアカツキの背中
アカツキ「あいつは月でも追ってくるよ」
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P10
【コマ1】
アカツキがベッドに、ミツルが床の布団で寝ている
【コマ2】
アカツキは目を開けている
ミツルの声「眠れないのか?」
【コマ3】
呪いの式神が夜の街中を歩いている
アカツキのM「呪いの式神は、ママの力でも止められなかった」
【コマ4】
呪術師が3人、呪文を唱えている
アカツキのM「ママの仲間が何人もかかって止めようとしたけど」
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P11
【コマ1】
呪いの式神の足。ペタっと一歩進む。
アカツキのM「呪いは『速さ』を捨てることで、異様な『重さ』を持っていた。」
【コマ2】
式神の足がペタペタと方向転換する。
【コマ3】
式神の足が方向転換した方へ歩き出す。
【コマ4】
自動車を運転する母と助手席に座る小学生のアカツキ。
アカツキのM「あいつはゆっくりだが、どこまでも追いかけてきた。そして」
【コマ5】
眠るアカツキと母。
【コマ6】
母の枕元に呪いの式神が立っている。
アカツキのM「ママは油断してしまった。」
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P12
【コマ1】
アカツキの背中側、ベッドにミツルが潜り込んでくる。
【コマ2】
後ろからアカツキを抱きしめるミツル。
黙ったままのアカツキ。
【コマ3】
ベッドから抜け出るアカツキ。アッという顔のミツル。
【コマ4】
ベッドの縁に座るアカツキ。
ミツル「・・・ごめん。」
【コマ5】
アカツキの背中。
アカツキ「いつか・・・いつか大丈夫になったら、ミツルとそうしたい。」
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P13
【コマ1】
ミツル、少し驚いた顔。
【コマ2】
ミツル、穏やかな顔。
ミツル「うん。」
【コマ3】
朝、カレーを食べる二人。
ミツル「カレーは二日目派だな」
アカツキ「私はいつでも美味しい派」
【コマ4】
パン工場の事務室。アカツキの背中が見える。
上司の声「そっか、残念だねえ。」
【コマ5】
ウィークリーマンションの玄関で空の部屋を眺めるアカツキとミツル。
ミツル「2ヶ月間ありがとう。」
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P14
【コマ1】
自転車に二人乗りするミツルとアカツキ。カゴに大きな荷物。
アカツキ「ミツルはいつから見えるようになったの?」
ミツル「えっと、君のお母さんが僕の頭を撫でてから。」
【コマ2】
自転車の二人乗り。
ミツル「アカツキは、親のような力は使えないの?」
アカツキ「試したことないし、」
【コマ3】
自転車二人乗り。何かを見る二人。
アカツキ「試したくない。」
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P15
【コマ1】
二人の自転車の向こう、呪いの式神が歩いている。
【コマ2】
二人の自転車が大きく方向転換しながら式神を横切っていく。
【コマ3】
呪いの式神は無表情のまま、じっとする。
【コマ4】
アカツキの行った方に方向転換する式神の足。
【コマ5】
アカツキの行った方に進み出す式神の足。
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P16
【コマ1】
自転車を漕ぐミツルの背中に横顔をつけるアカツキ。
【コマ2】
二人乗りの自転車が進む。
アカツキ「ふんふーん。ふんふーん。」
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(終)