
好きな漫画「闇金ウシジマくん 17」
こんにちは。ひらめき制作コースの川澄圭です。
今回のお題は好きな漫画の好きな巻とのことで、私は「闇金ウシジマくん」の17巻(スピリッツなので集?)が好きなのでこちらについて書きます。
ウシジマくんは有名なので説明不要な気もしますが、主に闇金でお金を借りる人を編ごとの主人公にしたエピソードを重ねていくオムニバス形式の作品で、17巻は「楽園くん」編の後半にあたります。
「楽園くん」編は自分に自信が持てず周囲からの評価もパッとしないセンターTと呼ばれている若者の中田くんがラブホ清掃のバイトをしながら原宿でオサレエンペラーという簡単に言えば読モの頂点を目指す話です。
どういう服が着たいという明確な好みもないまま物凄い勢いで変化していく流行に遅れを取らないよう服を買いまくる彼ですが当然のことお金が足りないと感じており、ある日現オサレエンペラーのG10くんに自転車泥棒の所謂闇バイトを紹介され、それをきっかけにお金がどんどん手に入り欲しい服や欲しい評価も手に入ってオサレエンペラーに近づきはしていきます。
ただ闇バイトの内容は泥棒から薬物の運び、売人へとどんどん悪質になっていく上、憧れの世界での人間関係は軽薄で、ずっと憧れだった読モの女の子と付き合えたのにその子もその子で愛してくれれば誰でも良かったような感じの子で主人公が見下していた田舎者との浮気現場を目撃することとなり、センターTくんは彼女にも薬を売り付けファッションのための金に変えてしまいました。
そんなこんなでなにもかもをお金に変えてオサレエンペラーとしての空虚な立場を獲得する中どんどん悪い世界への深みにはまっていき、そろそろ次の段階へ進もうと自分のショップを開店しようとしたところ、地面師的な詐欺に遭ってしまいます。
店の利益をヤクザの人に何%か渡す契約をしていて、既に二千万投資して貰ってしまっている状態だったのでヤクザはキレてセンターTくんのことを監禁拷問してしまうこととなりました。
その直前、ずっと一緒に住んでいたルームメイトにそのことを正直に話した所、ルームメイトの職場のお店が脱税をしていてその裏帳簿を売れば2千万円にはなるだろうとウシジマ君のいる闇金に連絡を取っていましたがそんなことをしてしまってはルームメイトの命も危険に晒されてしまう状況です。
ヤクザはキレて一刻も早く二千万を返せとセンターTくんを拷問する中ルームメイトを売れば命は助かると言われるものの、何もかもを金に変えた空虚な自分からルームメイトすら売ってしまったら何も残らないことに気づき黙秘を続けてなんとか間に合いその場を凌ぐことに成功しました。
散々悪いことをしたセンターTくんも職場の信用を売ったルームメイトも当然その後は悲惨な末路を辿ることを示唆されて終わるのですが、ここのオチの演出があまりにも最高で、オサレエンペラーが空虚であり本当に大切なものに気づくという、オサレエンペラーになる前からなんて事のない日常を共に過ごしお互いの生活を少しずつ支え合っていたセンターTくんとルームメイトの楽しく穏やかな美しい会話のシーンがなんとも心に響きます。
全てを失いながら最後に本当に必要なものに気づくというこのオチは今まで読んだ話の中で一番好きです!
読みづらい文章失礼しました!