最終課題 ネームの感想
最終課題のネームの感想です。
素朴な絵柄で、ラーメンをゆったりと楽しんでいる様子が感じられてよかったです。小食なのに、大盛りであることで有名なラーメン二郎が好きというのも意外性があって、どう楽しむのか気になりました。
2pで食券を買うタイミングを、3pでは、いつ麺の量を言えばいいかをきっちりと説明しているのが、丁寧でいいなと思いました。4pで、「汁なし」がどんなものか解説してあるのも、よかったです。知識がない人に向けて描かれていることが、しっかりと伝わってきました。
写真でラーメンがどんな風か見せるのも、分かりやすくていいなと思います。味の説明が、少し控えめに感じられたので、どんな味なのか、匂いはどうなのかなどを、もっと細かく紹介してもいいかもしれません。
2コマ目を読むと、なかなか怪物は怖そうな雰囲気ですね。そんな怪物に人々がすぐに慣れたということは、結構怪物たちはいい奴だったりするのかなと、そんなことを考えました。説明文を読むと、表現上の新しい挑戦があるということなので、完成稿では、3コマ目の大きく引いた視点の絵がどうなるか興味がわきました。
葉ちゃんの照れ顔がかわいらしくてよかったです。24p2コマ目の、鎌倉くんから「僕の彼女なんですから」と言われたあとの表情が特にいいと思いました。24pの場面は、鎌倉くんがどんな表情だったのか気になりました。
12p1コマ目の黒く表情の見えない顔、16~17pで、「ガキが舐めてると潰すぞ」と怖い表情をしていたりするので、鎌倉くんは心に闇を抱えた人なのかなと思い、葉ちゃんは大丈夫かちょっと心配になりました。
鎌倉くんの色々な表情や、かわいらしい側面をもっと見てみたくなりました。
25p2コマ目で「”ン!」と言う葉ちゃんが、咳払いをしているのか照れているのか、どんな気持ちなのか、どんな場面か上手く読み取れなかったので、彼女の気持ちや状況を補足するような描写があると、分かりやすくなっていいかもしれません。
27pのグイッと葉ちゃんが鎌倉くんを引き寄せてキスをするシーンは、葉ちゃんがそれまでの遠慮しがちな態度から、勇気を出して一歩踏み出した感じがしてここも印象的でした。最後のページで机に突っ伏している葉ちゃんも、かわいらしくてよかったと思いました。
ゆるい雰囲気を、最後まで楽しみながら読めました。
元カレが三人が三人とも個性があって、それぞれみんな違った性格なのがいいですね。
7p2コマ目の柏木さんが、口調からだけでなくて、表情からガラの悪さがにじみ出ていて、人柄がパッと分かるのがいいと思いました。
細かいところですが、MTGと言う言葉が、なにを意味するのかパッと分からない人がいるかもしれないので、何かちょっとした説明があるといいのかなと思いました。
元カレの中では、乾くんが押しが強くて特にインパクトがありました。11pで身に着けているものが全然見つからないのがおもしろかったです。桃パフェですぐに気が逸れてしまうのも、かわいらしかったです。
各話の2p目からバトルがはじまって、必殺技がその2p先で繰り出されてと、一定のリズムが保たれているので、テンポよく感じられました。かわいらしい絵であることで喧嘩がそれほど生々しくないのも、読みやすさに繋がっているのかなと思います。
繰り出される必殺技が、格好よくなくておもしろかったです。「とぼける」や「話題ずらし」は力押し感が特に強く感じられて、だいぶ無理があるのが楽しかったです。
最終話では、正くんがふと虚しさに気がつきながらも、「俺にはこれしかねェんだよ・・・」と不器用に泣くのが、もの悲しさがあってよかったです。「明日からまた生きていくために」のナレーションとともに、シンプルに描かれた鳥が飛んでいくラストシーンは、コミカルさもあり、いい話っぽい雰囲気もあって印象に残りました。
シャワーを浴びている遠山さんと、「どうしよう」と困った様子の日下部くんからはじまる導入は、ドキドキするような場面であり、日下部くんは何に困っているのか、二人にどんな事情があってこの状況になったのか興味がわいてきました。
6pの1コマ目で二人の顔がかなり接近しているのが分かるので、次のコマの日下部くんの動揺がしっかりと伝わってくる感じがしました。7p1コマ目の、日下部くん視点の見上げるようなアングルの絵も臨場感があって、ドキドキした気持ちが分かりやすくてよかったです。
31pの最後のコマで「じゃなくて!!」と突っ伏している遠山さんは不憫なのですが、コミカルでかわいらしかったです。それまでのグイグイ迫ってくる小悪魔的な感じとは違った不器用な面が表に出てきて、表情が豊かになってグッと親しみやすく魅力的になった感じがしました。
形井中へいさん『志摩先生とうるるちゃん』
7p2コマ目の「プロになりたいです」と言ったあとの真剣な表情がよかったです。目つきに鋭さがあって、意志の強さが伝わってきました。次のページで、気合の入った顔で「できましたぁ!!」と見せた絵が、力の抜けたような感じなのが、前ページと落差があっておもしろかったです。描いている本人は真剣そのものなのがいいですね。
14pの「これをお納めください」の顔が、いかにも悪そうな感じがして、コミカルで特に好きな表情でした。
また、17pの1コマ目で、褒められて赤くなってうなずくのがよかったです。彼女の努力が垣間見え、前のシーンとのギャップがあって、かわいらしく感じました。黙っていることで、彼女の真剣な気持ちが伝わってくるようでした。
うるるちゃんの表情が豊かで、その表情の変化が読んでいて大きな楽しいポイントでした。
18p1コマ目で「前言撤回」のモノローグの志摩先生のキリっとした顔が、心の変化を感じられていいなあと思いました。
5pで「お兄ちゃん心配!!」と妹を見つめているお兄ちゃんは、愛嬌があっていい感じでした。
冷めた表情の10pの1コマ目のお兄さんの表情や11pで挟まる回想、12p1コマ目の表情から、妹への思いが伝わってくるとともに、寂しさや孤独感も感じられました。お兄さんに何があったのか、その過去に興味が湧きました。そこは詳しく描かれてはいませんが、生きづらさを抱えているような、ただ妹へ過度に愛情を持っているだけの人ではないような感じがしました。
お兄ちゃんの気持ちを分かっていながら楽しんでいる一癖ありそうな妹の「キモい」とお兄ちゃんを突っぱねるセリフで終わるラストシーンも印象的でした。妹が何を考えているのかはっきり分からないので、謎めいていて、怖いような感じがしました。
山岡兄弟さん『パティスリー・ヨシダ』
様々な謎や秘密がちりばめられているので、興味を引かれました。また、ミアやそこで暮らす人の普段の生活はどんな感じなんだろうと、その暮らしをもっと見てみたくなりました。
11pで、ミアがパティスリー・ヨシダで食べた衝撃を表す絵が大きいので、インパクトが伝わってくる感じがしました。また、58~59pの津波がやってくるシーンは、2pをまるまる使っているためか迫力があって印象的でした。
ミアも含めた人々が祈っている「バデル」とは何なのか、ヨシダさんは何者か、刑事が追っている事件とヨシダさんとは関係あるのかなど、色々と、どうなっているのか気になるところがありました。それぞれ関連していそうで、事件の内容や繋がりは分からないままだったので、もう少し事件がどんなものかや、この世界がどうなっているのかを知りたいと思いました。
16pの5コマ目でツバメくんが、かぐやさんに「たぶんその違いってこの指先くらいの差でしかないと思うんだよ」と語る場面は、言葉だけではなくて、合わせた手という絵で、人それぞれの違いを表しているのがいいなと思いました。
かぐやさんがはっきりと「これからはあんたの中のかぐや姫じゃなく」「私自身を見てほしい!」と気持ちを伝えて、二人が分かり合う20~21pのシーンが印象的でした。
かぐやさんの言葉のあと、セリフのない白雪さんの表情が21pの1コマ目で描かれ、「うん」という返事が、一呼吸おいた次のコマにくるので、かぐやさんの気持ちと言葉を白雪さんがゆっくり丁寧に受け止めているように感じられて、このシーンは特に心に残りました。
20pで、ヨウコさんが、髭剃りの音がしなかったという何気ないことから、リュウくんの異変を感じ取るのがいいなと思いました。ヨウコさんがリュウくんを普段からよく見ていて気にかけているのかなと、二人の関係が分かるような気がしました。
27pで何気なくリュウくんが「人って案外、簡単に死んじゃうんだよなあ」「新鮮なんだ」とサラッと言うのが怖い感じがしました。彼に何が起きたらそこまで変わってしまうのか、変化の過程は描かれてはいませんが、操られたりしているのか、事件に接しているうちにだんだんマヒしていったのかなと、色々と想像させられました。ヨウコさんが、リュウくんの怖い面に触れてから別れを告げるまでが、けっこうスピードが速く感じられたので、葛藤や衝突など、別れようと思うまでの気持ちの揺れなどが描かれると、分かりやすくなってよいのかなと思いました。
12pは、ページをめくると、リエさんが主人公に抱きつくシーンがページいっぱいに大きく描かれているので、不意打ち感と、主人公の驚いた感じが分かる気がしました。前のページが会話中心で進んでいるので、12pで文字がなくなるのも、パッと見た印象に変化があって、いいなと思いました。そこから二人がいい雰囲気になったりするのかなと思いきや、刃物を持ったリエさんをとめる展開へと続くのが、ちょっと予想とは違い、おもしろく感じました。
また、14p~15p、不穏な場面では雷がゴロゴロとなって停電し、20~21pで二人の緊張が解けると電気がつくという、キャラクターの心境とシーンがリンクしているのもよかったです。ここはシリアスなシーンだな、ここから少し深刻なトーンが薄らいで明るくなってきたなと、それぞれの場面の意味が分かりやすかったです。
ラストシーンは、「もうリエさんと会うことはないと思う」のモノローグとともに、二人の関係の終わりを感じさせ、もの悲しさがあってグッときました。スパッと話が終わる印象なので、主人公がリエさんの家を出ていく場面を描くなどして、別れを噛みしめるような、何か余韻を感じさせるシーンがあっても、またよくなりそうな気がしました。
中山墾さん『姉は人魚姫、40歳。』
この作品は、以前に投稿されたものを読ませてもらった時、お姉さんのかわいらしさと、年齢を重ねながら、知らないところへと勇気を出して飛び込んでいく展開がいいなと感じました。ブラッシュアップされてどのように変化するのか、気になります。
今回のネームでは、ドーラちゃんの存在感が増したように思いました。課題5完成稿のドーラちゃんも押しが強かったですが、4pのシーンが追加されたことで、さらにパワーアップしている感じがしました。
ドーラちゃんが4pで強い口調で、お姉さんが人間世界へ行かなかった理由を話し始めるのがいいなと思いました。お姉さんが行けなかったことを気にしていて、あまり触れてほしくない感じが、より出ていた気がします。
その前の3p4コマ目での「ムリムリムリムリ!足手まといになっても嫌やし!」のお姉さんの表情がかわいらしかったです。臆病な人柄がよく表れているように感じました。お姉さんがどんな性格か捉えやすくなったと思います。
15pと16pでのはじめて見た地上の景色は、お姉さんにとってインパクトがあると思うので、もっと大きく描いてもいいのかなと、そんな風に感じました。
日本とドイツのモノレールの共通点や違う点が紹介され、知らないことが多かったので興味深く読めました。そもそもモノレールとはどういったものか、基本的な説明も軽くあると、モノレールをよく知らない人が、お話に入っていきやすくなるのかなと思いました。
主人公が、せっかくドイツに来たのに、モノレールについて話す相手がいないのは寂しい感じがしましたが、最後は自力で元気を取り戻すのがおもしろかったです。日本でのモノレールに乗った経験で、ドイツのモノレールの長さを把握するのが、すごかったです。モノレールの上級者っぽい感じがしました。
以上になります。ネームが投稿されてから、かなり時間が経ってからの感想になってしまいました。素早く書くまでになるのは、まだまだ遠い道な気がします。
いよいよ、最終課題ですね。これまでの投稿でも何度か書きましたが、少しでもこの感想が、励みやモチベーションの足しになったなら、うれしく思います。