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創作への取り組み②


12月はくやしいかな投稿できず、1月もぎりぎりの投稿になります。

前回の投稿を元に、何とかネームを描くぞと息巻いていたのですが、講評でご指摘いただいたとおり、

・分量の見込みが圧倒的に甘く、自分の手に余るものだった

・新奇性あるアイデア要素の欠乏

がどうしようもなくもたれかかってきて、路線変更の必要性を痛感しました。

また、慣れないクリスタと向き合ってはいるのですが、まだまだ修行が足りない状況です。

 

そこで今回は大変勉強になった11月講評を元にテキストモデルの変更に挑みました。

 

1.分量の問題

 

これは経験不足故に陥った問題でありますが、講評で具体的にご提示いただいたマンガ移行時の分量感を参考に軌道修正したいと考えました。

マンガの分量を決めるのはやはりエピソードの数かと考えました。

前回自分は4つの場面に渡る物語を作成しています。更に場面③では実質2人のキャラクターとのエピソードを盛り込むため実質5つのエピソードが盛り込まれる物語でした。

この分量に対して、講評で20ページくらいが必要ではとご意見いただけました。当然エピソードとひとくくりにしても長い場面を描く場合もあるわけですが、ざっくり自分の物語傾向からは1エピソード4ページくらいなのかも知れません。

今回ネーム描きと向き合ってかなり厳しい!という点と、残りの投稿コース期間を踏まえるとやはり前回想定したかった全部で8ページ程度におさめるべきと考えています。

したがって、今回は2エピソード程度で成立し得る物語に変更したいと考えました。

  

  

 

2.新奇性あるアイデア

ご指摘いただき、マンガ原作者、マンガを描く力が未熟、どちらの場合も突出したアイデアが必要というのはストレートに最優先事項とすべきと感じました。

それが無ければマンガ原作者は不要であるし、マンガを描く力が未熟なものの作品は面白いの期待値がゼロに近くなってしまうという当たり前なことを再認識させていただきました。

その観点から前回の案を見るに、結局すでに描かれている物語感が否めず、まだまだ描くべきアイデアの磨き方が甘いと痛感しました。

 

新奇性、ブルーオーシャンを見つけるにはどうするべきか。

 

以下思いついた3つの点を挙げていきます。

 

現代だから可視化されているものや、明らかに過去にはなかったものを盛り込むのが①つの手ではないでしょうか。

ただ、そうしたものは当然創作者が我先に飛びついているものだと予想されるわけで、シンプルに盛り込むだけでは駄目な気がします。

  

②つめとして、既存のもの、できるだけ連想の輪から遠い事象を組み合わせるのも手かも知れません。

 

③つめに、定番、当たり前となっているものの違う道を探すというのもあるように思いますが、これは当然定番がしっくりくるからこそ定番になっているわけで、相当成功が難しい手のように思います。

 

 

そういった形で新奇性アイデア獲得作戦はすぐに定まったのですが、今回そこから先の、肝心要のアイデア探しに苦心しました。

結果、締め切りギリギリ今に至るわけです…

結局一応は物語案を思いついたものの、新奇性アイデア作戦の②は全く満たさず、やや③をかすっているかな程度の案が限界でした…

 

ただ立ち止まっていても仕方在りませんので、以下再びテキストベースのマンガ原案を記載します。

 

 

〈物語の外観〉

 

今回こそマンガ分量にして8ページ程度の短いものを想定

引き続き自分の作画技術が著しく低いことは変わらないので(むしろネームをかいてみようとしてより実感)、あまり絵の力に頼ったものにはしたくないし、できない

想定読者は自分自身が想像しやすい青年誌を読むような人でもやや重い読み味のマンガを好む人

新奇性アイデアのパターン③を意識して、ループものだけれどやり直しにならない物語をテーマとしました。

 

〈ストーリー〉

 

場面①

 

主人公は初め中学生の女性。兄と両親と4人暮らし。

過干渉かつ自分の求めるものを子どもに投射する両親で、特に父は学業に挫折した過去があり、ルサンチマンを抱え、それを子に背負わせるタイプだった。

もともとあまり学校の成績もよくない主人公とは違い、兄はある程度の学業成績をおさめていた。そうした背景から両親の重圧は兄に注がれ、主人公はむしろ関心を寄せられることもなくネグレクト気味に育てられる。

大学受験が近付き、徐々にエスカレートする父からの干渉。

それに耐えてきた兄だがある日一線を越え、衝動的に父を刺殺してしまう。

絶句する主人公と母を余所に立ち竦む兄。

その時突然壁に大きな穴があく。

向こう側は真っ暗で全く見通せない。

しかし、兄はその暗がりへと駆けていった…。兄が暗闇に吸い込まれるとすぐに穴は閉じる。

 

場面②

 

10年後。

主人公は大学を卒業し、生家とは離れた地でひとり細々と暮らしている。やりがいのある仕事ではないが安定した職にも就いていた。

兄はあの日から行方知れずで、母も心労がたたりすでに亡くなっている。

丁度あの事件から10年後の同じ時間。

日常を一変させたあの日に主人公は思いを馳せている。

ふと部屋の壁に目をやると、いつの間にかそこにはあの日見たのと寸分変わらない穴があり、やはり向こう側には暗闇が広がっている。

あの日の記憶が蘇り、過呼吸気味になる主人公。

うずくまって見つめる穴の向こう。小さな足音がそこから届くようになり、それは次第に大きくなっていった。

薄れ行く意識の中、ぼんやりと人影が姿を見せる。

そこにいたのは兄だった。ただ、再開した兄はあの日の兄ではなく、10年老け込んだ彼でもなかった。そこにいたのは小学生くらいの頃合いの兄だった。むしろあの日から10年ほど遡ったくらい、そんな頃合いの兄だった。

その確かな姿を確認したところで主人公の意識は一度途切れてしまう。

再び目覚める主人公。

一瞬夢を見ていたような気になるが、目の前には変わらず小学生の兄がいた。

彼は主人公に向けて話し始める。

どうやら兄の記憶はあの父を刺した日から続いているようで、穴をくぐる間に身体だけが若返ってしまったようだった。兄の背格好と過ぎていった10年をつきあわせると、丁度10年くらい若返ったようだった。

主人公の中であの日に至るまで追い詰められ続けた兄の姿が思い出された。もちろん、父を刺すという手段に逃げた兄を許すことはできないが、あの日に日に壊れていった兄を思い出すと、とてもじゃないが小学生の見た目をしたあの日の兄を糾弾する気にはなれなかった。

「お兄ちゃん、今度はやりたいことやったらいいんじゃない?」

気付くと主人公の口からその言葉が漏れていた。

 

場面③~走馬灯のようなイメージ~

 

それから主人公は小学生の兄を育てることになった。

勉強を強いられて机にかじりつく兄が目には焼き付いていてすっかりわすれていたが昔の兄は絵を描くのが好きだった。

主人公は仕事帰り、画材屋に寄り水彩画の入門者セットを買いそろえ兄に渡した。身体に中身も吸い寄せられるのか、子どもらしく兄は喜んだ。

主人公は黙々と働いて兄を養い、兄は黙々と絵を描き続けた。

休日は少し遠出をしたり、水族館だとか兄が通り過ぎていった世界を見に行ったりした。

時間はあっという間に過ぎていく。

気付けばまた丁度10年が過ぎ去ろうとしていた。

30半ばの主人公とあの日の背格好にまで育った兄。

ただ、あの日の兄を思い出せないほど今の兄とあの日の兄の姿は重ならなかった。

あの日から20年後のあの時間が近づく。

2人は向かい合って座っている。

「ありがとうね」

兄はそれだけ言った。

主人公は兄にたずねる。

「もしまた穴がひらいたら、お兄ちゃんは向こうに行ってしまうの?」

兄は微妙な表情になるが、

「なかったことにはできないからね」そう呟いた。

結局、同じ時間、きっちり穴は壁に生まれる。

真っ黒なそれを見据えると、兄は笑顔だけ主人公に向けて暗闇の中へ消えていった。

兄は10年未来へ進むのか、それとも逆に10年前のあの日に戻るのか。

<どちらにしても兄はあの日の自分をきちんと引き受けにいくんだろう>

主人公はそう胸に浮かべ、兄のいなくなった部屋を見渡す。

がらんとした部屋の床におおきなスケッチブックが置かれている。

兄はちゃんとここで生きていた。

それを噛みしめながら主人公はスケッチブックを開く。

そこには4人の家族の風景が描かれていた。

今の主人公と年老いた両親、きちんと主人公よりも年を重ねた兄がいた。

〈了〉

 

 

 

結局2幕のつもりがどうしても3幕になってしまいました。

しかも、マンガにするには結構な描写力を要する気もしますし、

一番頑張りたかった新奇性溢れるアイデアにはまだまだ程遠い形です。

 

2月投稿に向けてこの物語をどうにかネームにできないか頑張りつつ、平行してまた物語探しを継続していきたいと思います。

よろしくお願いいたいます。

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