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【投稿コース】第6期 投稿コース講評:『ふたりのシモーヌごっこ(ネーム)』【10月分】


ひらめき☆マンガ教室第6期から新設された投稿コースでは、月に一度、ひらめき☆マンガ+内に投稿したマンガの中から自由にひとつの作品をえらんで講評を受けることができ、内容はひらめき☆マンガ+で公開されます。

 

第6期、10月分の講評には全3作品の申込みがありました。本記事では、えぴのみすさんの『ふたりのシモーヌごっこ(ネーム)』の講評をお伝えいたします。

 

1.『ふたりのシモーヌごっこ(ネーム)』えぴのみすさん
講評:さやわか先生

 

受講生アピール文

以前講評で指摘された点を意識しました。
具体的に言うと、まず視点人物を設定し、その感情の動きを読者のガイドにしました。つり目ショート髪の子がそれですが、彼女が友達のよく分からないごっこ遊びに付き合わされて困惑から反撃に至る流れにしました。
懸念としては、ウェーブ髪の子が「あなたが飢えたことないってよく分かったわ」という台詞が好きな理由付けが弱いことです。現状2ページ目一番下のコマの、ウェーブ髪の子の台詞の欄外に「まずは食べなきゃ」と書いて済ませているので。ここは例えば、この子が小柄だけど食いしん坊だとか、衣食足りて礼節を知るがモットーだとかいう説明なりが必要でしょうか。
ボーヴォワールの本からの引用に関しては、物語上必要かつ意味のある形にできたと思います(が、これを芝居ごっこにした理由付けも弱いかもです…)。
後これは描いている途中生じた疑問ですが、吹き出しの位置や大きさ+吹き出しの中の台詞の大きさはネーム段階でかっちり決めてしまうものなのでしょうか。自分では吹き出しが小さくて読みにくいとか逆に大き過ぎて絵を邪魔している(例:3ページ目右下のショート髪の子がささやくコマ?)が掴めませんでした。何か大まかな基準などあれば教えていただきたいです。
講評よろしくお願いします。

講師講評(さやわか先生)

えぴのみすさん、ご投稿ありがとうございます!拝見いたしました。これまでの作品に比べて、「キャラクター」たちと、そして彼らの「関係」を主軸に読むことができるので、とても読みごたえが向上したと思います!

 

「あなたが飢えたことないってよく分かったわ」という台詞が好きな理由付けが弱いことについてですが、少なくともこの作品においては、彼女は主人公(視点人物)にとって「謎めいた人物」として物語が終わるので、細かく作り込む必要はないかなと思いマシが。ぶっちゃけ、この作品のシチュエーションとしては「主人公にとって謎めいた人物」が、「謎めいたよくわからないこと」を言っているだけなので、この台詞にまつわる詳細な説明は、読者にとってほぼ全く意味をわかる必要がない部分になっています。つまり、たとえばこれがアインシュタインの相対性理論についての話であっても、失われた中国の古代王朝の話であっても、マナティの受精についての話であっても、読者にとってはどれでも同じ(=よくわからない、謎めいた話)という意味だけを持っています。なので、えぴのみすさんがこのセリフに意味を込めたいなら、このセリフや本を謎めいた形で語られるものではなく、物語と分かちがたく組み入れられたものとして登場させねばなりませんが、このページ数でそれをやるのはかなり難しいと思うので、今のままでもいいのではないでしょうか。

 

吹き出しの位置や大きさ、セリフの文字の大きさなどについてですが、これはネーム段階でしっかりと決めてしまわねばなりません。ネームを手描きで曖昧に描いていると、本当は収まらない文字列をムリヤリ字を小さくして入れてしまったりしますので(ご指摘のように、今回のマンガはそうなっている可能性が高いです)、だからこそ、ネームはしっかりフキダシや文字のサイズ、見やすい構図などを整える必要があります(というか、ネームというのはそれも含めてアタリを取るような作業になります)。

 

基準については、他のマンガを見て、実際に世の中で流通しているマンガがどのくらいのものとして作られているかをチェックしてみるのがいいと思います。調べてみると、フキダシ内に入る文字のサイズはせいぜい2~3パターンしかないとか、フキダシ内の1行は長くても8~9字程度だとか、フキダシ内の行数は多くても5~7行だとか、いろいろなことが分かってくると思います。ただしこれは媒体や作品によりますので、自分が「スラスラ読める」「読みやすい」と感じるマンガ作品(別に、自分が熱烈に「好きな作品」でなくてもいいと思います)について調べてみるといいと思います。

 

よりおすすめなのは、単に眺めながら調べるのではなく、ネーム模写を行い、自分の手を動かしながら確かめてみることです。そうすれば、見やすい構図やフキダシが邪魔にならない方法、そしてどのくらいの文字数がマンガに掲載する限界なのか、などがわかってきます。よかったらぜひ、試してみてください!

講師講評ここまで

 

以上になります。

えぴのみすさん、講評にお申込みいただきありがとうございました!

おわり

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