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スキップとローファー(一巻)感想


髙偏差値で人生設計まで決めている主人公、岩倉美津未は素直で個性的で天然な性格の持ち主。いかにも地方出身といった、垢ぬけない出で立ちの彼女が高校入学のため石川県から上京するが、そこでクラスの女子から注目を集めるイケメンの志摩 聡介と仲良くなりはじめる。志摩に近づく女子、その中の女子に恋慕する男子、志摩の過去を知る演劇部の男子など、入学当初から岩倉と志摩を中心にリアルで共感を生む人間関係がはじまる。岩倉に対して嫉妬や卑下する感情を持つ女子もいるが、岩倉の持ち前のまっすぐさで次第に周りが変化していく。志摩にもつかめない、ミステリアスな部分もあり、読んでいて彼/彼女らの動向を見守りたくなる青春群像劇の始まりを味わいました。

一巻を読んでみて、共感を生む描写(冒頭の「電車で見送る地元の友達」という妄想)、読者に満足感を与える細かい物語のアップダウン(岩倉が道に迷い入学式に遅れるが志摩のおかげで何とか間に合う)、安心して読める工夫(おじさんのナオが保護者である。幼馴染と連絡をとっている)などが物語に自然に組み込まれ、それが物語から乖離していないことに読者として安心感と、描き手として物語構成の上手さを感じました。

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