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ほぼ日コンテンツ摂取記録;「空想」米津玄師と「脱走と追跡のサンバ」筒井康隆 音楽と小説


7月1日に米津玄師のライブ「空想」に行ってきた。17時から19時30分。
そして、22時からは「脱走と追跡のサンバ」筒井康隆の読書会をした。

米津玄師を知らぬ人はまあいないと思うので紹介はほぼ省略するが、
彼がボカロP「ハチ」としてデビューして、その勢いのまま米津玄師としてデビュー、「Lemon」がドラマ主題歌として大ヒット紅白出場を果たした。程度のことは今回の話の補助線として記述しておく。

ハチ時代の代表曲といえば、「マトリョシカ」「パンダヒーロー」といった鮮烈なワードを高速で叩きつけられる、気持ちの良い不協和音のような作品が親しまれたが、米津玄師以降の代表作は、「アイネクライネ」「Lemon」と言った落ち着いた作風の方が評価されている。

今回のライブではどちらの側面も感じることのできたいいライブであった。

そう、米津玄師/ハチは、そこまで変わっていない、ハチの頃から落ち着いた曲調の作品はあったし、米津玄師としても激しい曲調の歌はある。もちろん、こんなのはあらゆる「メジャー」アーティストに当てはまることで、その時の自分がもっともウケる曲と自分の好きな解き放たれた曲とどちらも持っている。そして、それはそれがどこで発表されたり、どんな形で発表されるかで、メジャーの立ち位置も変わってくる。その中で上手に踊り続ける才能こそ、「メジャー」アーティストの力、なのかなと思ったりした。

さて、米津玄師の狂騒が冷めやらぬまま、次の狂騒へと僕は向かう。

「脱走と追跡のサンバ」は1970年にSFマガジンで連載された作品だ。
あなたが、時をかける少女とか家族八景とかしか知らないなら、きっと驚くことだろう。
けれど、パプリカを見たことがあるなら、なるほどと思うことだろう。
今回の筒井はそっちの筒井だ。

作品の内容については別にもはや語られ尽くした作品だが、御大の作品でも、これが最高傑作だと言われるようなこともある。

この切れ味、無茶苦茶さ、そう言ったものに読者が熱されるのはそうだなと思った。
読み進めるほどに、その競争に酔いしれるのだろう。

SFマガジンでこの作品が掲載された時、きっとある読者はなんだこれは、こんなにかっこいいものが?!と思ったことだろう。
僕がハチの音楽を聴いて、その無茶苦茶でかっこいい感じ浮かされたように。

作家の持つ二つの側面、その厚みこそがその作品の強みになっている。
そんなことはわかっているけど、わかっていることと体感することには大きなズレがある。

そうでなければ、そうはなれないのだと。

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