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私の好きな漫画


A 「ばら色の頬のころ」(全1巻)

B 好きな理由

中村明日美子先生にハマったきっかけの作品であり、私の大好きな漫画表現が詰まっているから大好きで、この作品を選びました。

まず映画のようなコマ割りが好きです。私は縦割りのコマを作るのが苦手なのですが、先生はうまく使ってらっしゃって、すごく勉強になりました。縦割りのコマはページ下部までなかなか目線を落とさないと思うのですが、下の方に吹き出しを置くときと置かない時で読者の読む時間を操作してらして、読む側の時間管理をされているな、と感じられるところが好きです。その細かい時間管理のおかげで、映画的だと感じるのだと思っています。

そもそも、漫画の中の時間の概念をこの本で考え始めたかもしれません。大学の卒論も漫画表現に決めて、先生の作品で書きました。それぐらいに好きです。

また、表情の表現も参考にしています。ドナという女の子が声を殺して泣くシーンがあるのですが、その時に「泣きたくないから我慢しているけれど我慢しきれない顔」が見事に表現されていて、私は初めて見た時驚きました。そう!人間ってこういう顔になるの!と心から思いましたし、そんな細かい表情の表現を今まで見たことがなかったので、忘れられないシーンとなりました。さらに、その時に主人公は「ドナーーぁ…」と名前を呼ぶのですが、この名前を呼ぶ時の最後の「ーーぁ」も本当に素晴らしいな、と思い…。どんな声で、どんな感情で言ったのかがすごく伝わってくるので大好きです。こういう細かい言葉の表現も抜かりなく研ぎ澄まされていて、学生ながらに本当に感動しました。

先生はベタを使うのも上手く、白と黒のパッキリとした構成が素晴らしいです。憧れています。1ページを1枚の絵だと思って仕上げているそうで、一枚単位で見たときの構成も素晴らしいです。手書きの模様やカケアミもすごく好きです。なので私もできるだけ自分の手で書きたいと思っています。

話の内容も、外国の寄宿舎の話で、どうしてこんな話が描けるの?と思いながら夢中になって読みました。海外の映画を観たような読後感なのが本当にすごいと思っています。結末がハッピーエンドではないところも好きです。前日譚の作品なので、ここから『Jの総て』という作品に続くのですが、この作品単体もすごく面白いので、すごいです。

私からすると、「当時のアメリカにいたのかな?」みたいな雰囲気が漫画の中に漂っていて、私が逆立ちしてもこれは描けないなあすごいなあと何度も思っています。

この一冊との出会いのおかげで先生の作品をたくさん読み、「この人の漫画が好きだ!こんなのを描きたい!!」とずっと思って漫画を描くことができたので、忘れられない大好きな一冊です。 

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