ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第6期 課題2 「 『嫌いな人、嫌いなこと、嫌いな考え方』について描いてください。」完成稿感想
こんにちは。あおたかです。
今回は課題2 「 『嫌いな人、嫌いなこと、嫌いな考え方』について描いてください。」の完成稿の感想を書きました。
感想の内容としては以前noteで書いたたものと同じになりますが、改めてこちらのサイトにも投稿しようと思います。
ぜひご覧ください。
今回の課題
『嫌いな人、嫌いなこと、嫌いな考え方』について描いてください。 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト『嫌いな人、嫌いなこと、嫌いな考え方』について描いてください。 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイトゲンロン ひらめき☆マンガ教室は、主任講師を評論家・マンガ原作者のさやわかが務め、幅広くマンガ界で活躍する人材を育成していschool.genron.co.jp
「嫌いな人、嫌いなこと、嫌いな考え方」について描くということで、自分の嫌いなことについて冷静に分析したうえで読んだときに面白くできるかが必要な課題です。自分のことについて書くという点では前回の課題1と通じるところがあると思います。
以下、課題1の完成稿の感想です。マンガは各リンク先で無料で読めます。全部で18作品あります。
完成稿の感想
形井中へい 胸センサー
相手の視線がビームになって見える能力を持つせいで胸を見られるのが嫌になっていた秋吉(主人公)が、胸を見るのを我慢しようとする松田の頑張りを認めてあげるお話。
8ページの右下のところのセリフの改変(ネーム段階では「なりたくもないフェミニスト~」→完成稿では「仕方ないんだろうけど~」)で、主人公が嫌がっていることがネームよりもわかりやすくなっていてよかった。
5ページ目のビームの出方が、両目からではなく目と目の間から出ているように見えるのは気になった。
明青りんご(あおりんご) 三人の鬼がいる!!
タイトルがネームから変わり3人の嫌な上司と主人公との話になった。
上司たちの良さに気づかせてくれるキャラが嫌な奴(ネーム時の女性二人)からいいやつ(同期)になっていて、ネームの時よりも嫌いなことがわかりやすくなっていてよいと思う。
最後のオチも面白いこともあってか、堅山さんの印象が強くてあとの二人は若干嫌な感じが薄い気がした。
ばやしあきや 布団は魔境
起きるのが嫌で布団から出てこない主人公と幼馴染のリサとの話。
完成稿で絵になって二人が可愛くなってよかった。14ページ目の布団から(いったんは)出る決心をするシーンの二人の表情が特にいい。
13ページと15ページはキャラの心情を見せてほしいので目が書いてあったほうがいいと思った
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/bayashiakiya/30574/
深田えいひれ 負け戦
ライブをやる前から諦めている二人のアイドルを激励する話。
大筋はネームと一緒だが途中のエピソードは変更されていた。途中のエピソードが変わっても面白く読めたのでキャラをつくるのがうまいんだなと感じた。
マンガとしては面白いと思った一方、諦め方がギャグになっていてあっさりしているように感じた。その結果、課題に応えるという点では嫌なこと(挑戦する前に諦める)が何かはマンガを読んだだけではわからないかもしれないと思った。諦めに対してうじうじ感があると嫌な感じがより出るかもしれない。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/fukadaeihire/30614/
ぼんち。人のフリ見てなんとやら。
主人公のメイドと嫌なおじさん客のやり取りの表裏を楽しむ話。タイトルのデザインがおしゃれでステキ。
2ページ目の中央下や3ページ目の左下にあるような主人公が口を開けて固まった表情がよかった。素のメイドも不良少女っぽくていい感じ。
メイドがおじさんに対して心の中で毒舌を吐いていくところは勢いがあるが文字を追ってしまって表のやり取りが入ってきづらく感じた。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/gnob/30378/
きぬばり 電車で足を開く人
タイトルの通り電車で足を開いている人が嫌な話。
身近なあるあるネタかと思いきや、後半で自動車レースやロボットが出てきて意外性のある面白さがある展開だと思う。
完成稿としての提出ではあるがまだネーム段階だと思うので次は完成稿を見たい。
ほりい泉 捨て
人生で初めて描いた完成稿とのことだが、ちゃんとした作品になっていてすごい。
ネームから大きくは変わっていないが、暗めの背景色をうまく使っていて怖い雰囲気を感じさせるようになっている。
気に入らない理由をどんどん見つけてあらゆるものを捨てていった主人公が最後に残すものが母との思い出の花というのは感動的な話ではあるが、この性格だとまたすぐに捨てそうだなと思った。(あるいはこの成長?を経てずっと置いておくのか?)
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/holyizu/30480/
あい乙いなびこ ポルノ映画の乙女くん
あこがれていた映画の仕事をすることになったのに嫌いなポルノ映画を撮らされることになってしまった乙女(主人公)の話。
課題1から絵柄が変わった。等身が上がった絵でリアルな描写がされているので、今回の題材にあった絵柄が選べているのがいいと思った。
エロ映画を撮る話だが絵から伝わる情報だけだと足りないように感じたので、わかりやすくエッチなシーンがあると主人公のポルノに対する忌避感をリアクションとして描けていいかもと思った。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/inabiko/29961/
やながわけんじ トイレの片岡さん
嫌なことがあるとトイレにこもってしまう片岡さんへの対応に主人公が苦慮する話。
主人公が片岡さんに対して怒ったり泣いたりと感情豊かになってネームの時よりキャラが立っていると思う。後半は片岡さんのセリフが少なくなるが、表情や行動でキャラを魅力的にかけていると思う。
11ページや16ページなど盛り上がりの場面でキャラが左を向いているコマが多くて似たような場面が続くなとは思った。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/kenjiyana7/30070/
藍銅 ツバメ(らんどうつばめ) お狐サマが解釈ちがい
古びた神社に住む狐の神と通りがかった主人公のお話。二人のやり取りが軽妙で面白い。
ネームから大きな変更はなく丁寧に仕上げられていると思う。狐がより魅力的になっていてよかった。
狐の髪が2ページ目の左上だけ線が少ないのは気になった。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/randotsubame/30420/
くまのぶ 完璧な男
仕事はできるが人に対して冷たい矢井田が嫌だという話。同僚の主人公視点で話が進んでいく。
矢井田の嫌なところが、登場人物の戸惑いや愚痴、詰められた時の泣き顔などいろんなリアクションで描かれていて仕事はできるが嫌な奴であることが伝わってくる。
12ページからの主人公が美咲を助けるために嘘をついてかばう流れが明確になっていてよかった。
マンガも何が起こっているかわからないところがあまりなくて読みやすくなっていると感じた。13ページ目右上の髪?の部分はよくわからなかった。美咲の髪だとすると主人公がつかんでるのは矢井田なので不自然だと思う。
大須賀健 あたしの笑った顔が嫌いなの
東京で疲弊したルリが地元に帰ってきて友達のモモカに励まされる話。嫌なこと(自分の笑う顔)やキャラの関係性は同じだがお話は変わっている。
東京の仕事場の話や前半で地元のカップルを見て笑う話があることで、人の不幸を面白がるルリのキャラが自然にわかるようになっている。自分の笑顔が嫌いだったルリが最後はうれしそうな笑顔で終わるのもきれいなオチでよかった。
2ページ目のタイトルがあるコマで、ルリがうれしそうな笑顔を鏡で見ているのにそこでは嫌悪感を感じていないのは少し気になった。セリフも2ページでは鏡を見て何かに気づいてるように見えるが、3ページ目ではスマホを見ているのでつながってないように感じた。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/takeshi/30016/
藤原 ハル きらいなあのこ
陽キャの琴森や周囲の人間をみて嫌だと感じてしまう小梅川(主人公)が嫌な話。
絵になって琴森のキラキラした明るい感じがでていてよかった。6ページ目で主人公をのぞき込んだり、13ページ目でピースしたりなどいろんな動きや表情を見せてくれるのがいい。
最後にちゃんと友達になることで話がまとまるとともに、ここから二人のお話が始まる予感を感じさせて続きが気になる読み切り感が出ていると思った。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/tamacodama/30454/
高月晃太 部活だから
いたずら好きでぐいぐい来る理科部の先輩(横仲)にゲジゲジをけしかけられて振り回される後輩(倉田)の話。先輩後輩の軽い百合っぽい雰囲気が楽しめる。
ゲジゲジを怖がる倉田の反応が面白かった。14ページ目で頑張って我慢してるところもいい。
横仲先輩も実は怖がりだが倉田と仲良くするために頑張っていることがわかりやすくなっていてよかった。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/tksk8888/30658/
たにかわつかさ たえろっ!冨永先生
子供大好きな冨永先生がすぐに答えを求めてしまう小崎くんに我慢できずブチ切れる話。
先生が子供をかわいがる姿が可愛くてよい。小崎も子供好きな先生でもうざいと思わせるようなキャラになっているのがいい。
ネームの時は先生を辞めさせらていたが完成稿では怒られただけになり、最後に小崎君も出てくるオチになっていて楽しい話に合ったラストになったと思う。
14ページ目と15ページが微妙につながっていないのと15ページの左のセリフが「ちゃんと自分で考えなーい」になっている(「考えなさい」の間違い?)のが気になった。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/tsukacharn/30793/
ヤギワタル のろまな占い師
タロット占い師のカナカナ(主人公)がAI水上占いが流行っている時代の流れにあらがう話。主人公以外の周囲の人がみんな嫌な感じで主人公を否定するのが印象的。
ネームの時は時代に取り残されていることに困惑する終わりだったが完成稿では前向きに頑張ろうという話になっていた。
最終的にカナカナがタロット占いが好き以外にタロットにこだわる理由がないのは気になった。AI水晶占いにはないタロット占いの強みがわかる話があるとより共感できるかなと思った。
ねりけし しいたけぐらし
主人公の苦手なシイタケの原木がキャラになり、シイタケを美味しく食べるようになる話。主人公・シイタケ・青カビなどのデフォルメキャラがかわいく、ゆるふわな雰囲気を楽しめるマンガ。
シイタケが嫌いな話ではあるがシイタケはおいしそうに描かれている。ゆるキャラ飯マンガとして楽しく読めた。
5ページ目のシイタケの原木が登場するシーンの反応が「歩っとる」なのは気になった(歩いとる or 立っとる?あるいは造語?)が、そういう言葉がちゃんとあることを後から知り勉強になった。
山岡兄弟 クズの惑星
UFOに乗ってやってきた宇宙人とひらめきヒラリ(主人公)とのファーストコンタクトをネタにしたギャグマンガ。勢いが良い話。
完成稿でページが16ページにまとまってよかった。話の流れもネームに比べてわかりにくくなったことはないと思う。
課題の嫌なことがマンガを読んだだけではよくわからなかった。ネームのアピール文では人間と理不尽が嫌ということなのでその掘り下げが見たいと思った。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2023/students/yamaokabros/30129/
感想は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
余談
今回描いたnoteをもとにyoutubeでマンガの感想をしゃべる配信をやってみました。よければそちらも見ていただけると嬉しいです。