【投稿コース】第6期 投稿コース講評:『双六岳にて(ネーム)』【11月分】
ひらめき☆マンガ教室第6期から新設された投稿コースでは、月に一度、ひらめき☆マンガ+内に投稿したマンガの中から自由にひとつの作品をえらんで講評を受けることができ、内容はひらめき☆マンガ+で公開されます。
現在、オンラインで講評を受けることのできる「投稿コース」を含め、ひらめき☆マンガ教室第7期の受講生を募集中です。
ぜひお申し込みください!
詳細:https://hirameki.genron.co.jp/creators-wanted/
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第6期、11月分の講評には全5作品の申込みがありました。本記事では、えぴのみすさんの『双六岳にて(ネーム)』の講評をお伝えいたします。
1.『双六岳にて(ネーム)』えぴのみすさん
講評:大井昌和先生
受講生アピール文
視点人物は遠藤ですが、彼女の鬱屈が上手く表現できていないように思います。
遠藤は感情の起伏が激しい人物で、仕事の鬱屈は2ページ目4コマ目でその一端を描いたものの、家庭については3ページ目2コマ目でそれとなく示唆したのみです。そもそも彼女がなぜ貴志と不倫しているかも言及していません(この作品で不倫の善悪を問うつもりはありませんし、彼女自身呵責を感じてはいません)。
前作への講評でさやわか先生から頂いた吹き出しについてのアドバイスは意識したつもりですが、特に2ページ目は上手くいってないように思います。単にページ全体として文字数が多いということですが。3ページに無理にまとめようとした訳ではありませんが、結果として展開というかコマとコマのつながりが(特に遠藤が同僚への不満をぶちまけた後)スムーズでない印象です。ページを増やしてコマとコマの間を埋めれば少しは緩和されるでしょうか。
カラーはこの作品に景色を眺めるシチュエーションがあることから必要だと考え、ネームなので大体の感じで塗りました(完成稿をつくる暁には、より丁寧に塗りたいと考えています)。
講師講評(大井昌和先生)
えびのみすさん、投稿ありがとうございました!
まずはカラー込みでネームを作る意欲はすごいと思いました。
ただこれは3pで終わってしまっていて、あるお話の一部分を切り出された感じのものなので、色の意味が情景を説明するにとどまってるように思います。
また、あるシーンを切り出してるだけなので習作か未完のテイなので、おそらく表現様式のみを見てほしいということだと思います。コメントを読んでもそのような感じましたので、その上での講評だと思ってもらいつつお話をすれば、えびのみすさんのコメントで全てを説明してありますので、この3pは答え合わせのようなものだと思いました。
どういうことかといえば、コメントで「Aの箇所はこういう意味で書きました」「Bのコマの表情はこういう意味で読んでほしいです」「この女性はスーパーの店員です、不倫してます…」
たった3pの未完の漫画に説明書のような解説、そして話はない、つまり漫画表現の部分だけを見てほしいということだと思いますが、表現の部分には全部こういう設定ですといい但し書きしかない、つまり初めから表現すら信じてない、という形になっているわけです。
表現とはメディアや表象などで作家の意図を伝えるもので、だから読者は表現を読み取ろうとすると思いますが、その表現を信じてないのでコメントで全て設定や読み取り方を書いておくという本末転倒な形が、この3p漫画には読者がいらないのだなというように感じます。
自分はこういう表現をしたのでそのように読んでください、というのはプログラムのコードを書いてコンピュータには知らせる行為と同じだと思います。
まずは読者に作品を委ねることから始めるといいと思いました。
講師講評ここまで
以上になります。
えぴのみすさん、講評にお申込みいただきありがとうございました!
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おわり