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【授業レポート】ゲスト講師はばったん先生! 第6期 第5回授業レポート&ばったん先生へのショートインタビュー!!


8月5日(土)に行われたひらめき☆マンガ教室の授業。ゲスト講師は『かけおちガール』を代表作に持ち、『けむたい姉とずるい妹』(『Kiss』にて連載中)のドラマ化が決まるなど、第一線で活躍を続けるマンガ家のばったん先生をゲスト講師としてお招きしました。

 

活発にコミュニケーションをとりながらも確かな緊張感があり、非常に充実していた授業の様子をばったん先生へのショートインタビューとともにお届けします!

 

☆☆☆

 

講義では、主任講師のさやわか先生が聞き手となり、ばったん先生がマンガ家になるまでの経緯やマンガ家として培ってきた創作術などをお聞きしました。

 

同人誌即売会コミティアに出展したことがきっかけで商業マンガ家としての道を歩み始めたばったん先生。当時は、絵を描くことはあってもマンガを描く経験はほとんどなかったそうです。そこで読み切りマンガを勉強しようと、新人作家の投稿作を大量に読み漁り、「マンガってこんな感じなのかな?」と雰囲気を探りながら創作に取り組んでいたのだとか。

 

ゲスト講師のばったん先生。2023年8月5日(土)。

 

続いて行われた課題5「もしあなたが人魚姫の主人公だったら」(課題提示:ばったん先生)」の講評では、「キャラクターを作る」というテーマをもとに、コマ割りや構図などの技術論を実際に提出作品に赤ペンを入れながらご指導いただきました!

 

赤ペンが入れられた原稿は、作者の狙いがより読者に伝わりやすいものになっていることが一目でわかり、会場から歓声が上がる場面も見受けられました。受講生にとってはとても濃密な学びの時間となったようです。

 

講評の結果、課題5における完成稿選出者は以下の3名となりました。選出者は完成稿の提出時に次回の授業内で必ず講評を受けることができます。惜しくも選外となった他の受講生も、授業内での講評は確約されませんが、自由に完成稿を提出することが可能です。

 

〈課題5・「もしあなたが人魚姫の主人公だったら」完成稿選出者〉
☆中山墾さん「姉は、人魚姫40歳
引きこもりが外に出る、というシンプルな話でありながらも「キャラクターが魅力的なことに加え、世界が広がっているように感じて、描かれている世界観をもっと読みたくなった」とばったん先生から高く評価をされました。

 

☆桐山さん「あの子に
ばったん先生は「超好きです!」と一言。「陰のある女性を描くのがうまく、色気がある」ので、それを武器として認識してもっと使っていくと良い、とアドバイスをいただきました。耳を切る、という一見整合性がない行為にさえ納得感を与えるキャラクターが描けていることもグッドポイントとして挙げられていました。

 

☆たにかわ つかささん「方向音痴の人魚姫
読んでいて詰め込みすぎている印象があったということで、コマ割りや構成の面で赤ペンが入りました。一方で、キャラクターのかわいらしさと、キャラクターが抱える欠点を魅力的なものとして描けている点はたいへん好評でした。

 

続いて、課題4「好きだと感じたその瞬間」(課題提示:椎名うみ先生)の完成稿講評が行われました。こちらの講評では作品を通して受講生の武器を見つけていただいたり、受講生が躓いている部分を探ってアドバイスをいただいたりと、マンガ家としてもう一歩前進するためのお話をたくさんしてくださいました。

 

壇上で赤入れをしながら講評を行なっているさやわか先生(左)とばったん先生(右)。2023年8月5日(土)。

 

講評後には提出作品に対して課題点が以下の通りに与えられました。

 

〈課題4・「好きだと感じたその瞬間」完成稿課題得点者〉
☆形井中へいさん「サッカー部員志田ちゃんの自由なふるまい」6点
ちょっと硬いところがあるものの、さやわか先生、ばったん先生ともに「ペンがしっかりと入っていて、マンガっぽいマンガ」として仕上げられていると講評をしていただきました。

 

☆ひむかさん「体温の形」6点
今後たくさん作品を描くことで、演出を身に着けたり線がこなれてきたりすると、より魅力的になるとしたうえで、「少しだけ、気になったことがあった」とばったん先生。吹き出しの位置やめくりの見せ方などをご指導いただきました。

 

☆中山墾さん「推しとメシで生きています。」3点
残念ながらペン入れを終わらせることができなかった作品ではあるものの、作者独自の世界観が感じられるし、グルメマンガとして食べた時の反応がすべて変化しているのが良かったとアドバイスいただきました。

 

☆藤原ハルさん「1/720の初恋」2点
さやわか先生、ばったん先生ともに「すごく上手なマンガだ」との評価。そのうえで、作家ならではの要素を加えていくことを考えると、作者の意図に基づいた演出やダメ押しを磨いていくと良いのではないか、とのことでした。

 

☆明青りんごさん「夫のひとこと」1点
授業時間内での講評は行われなかったものの、完成稿として提出された本作品に1点が与えられました。

 

また、以下の受講生に「ひらめきポイント」が与えられました。ひらめきポイントとは、作品に対する評価とは別に、課題への取り組み方などに対して、主任講師のさやわか先生から与えられる点数です。

 

〈課題4・ひらめきポイント得点者〉
☆明青りんごさん 2点

 

ばったん先生に講評いただいた課題5「もしあなたが人魚姫の主人公だったら」のネーム提出作および、課題4「好きだと感じたその瞬間」の完成稿はこちらから無料でご覧いただけます。

それでは最後にばったん先生へのショートインタビューをお楽しみください!

☆☆☆

──本日はご登壇いただきありがとうございました。提出作品にもたくさん赤ペンを入れていただいて、受講生もより深い学びがあったように思えます。

 

ばったん先生 いえいえいえ……。
(ばったん先生は授業中にも何度も恐縮されていて、その姿がとても印象的でした)

 

──授業を聞いていて、とても理論立てて説得的にお話されている印象を受けたのですが、これまでマンガについて講義をするご経験はあったのでしょうか。

 

ばったん先生 練習したんですよ! 今回のために~~~!! 一人で練習してたんですよ~!!
(まさか、というような驚いた顔をされながら答えてくれるばったん先生)

 

──なんと、それは……! 練習と言えば、ばったん先生は小説を読むときでも、頭の中でマンガのコマを描いている、というお話がありました。そうした習慣は幼い頃からあったのでしょうか。

 

ばったん先生 いえ、マンガを描くようになってからだと思います。ただ、自分の作品に取り入れようという意識があるわけではなく、癖としてやっちゃう、という感覚が一番近いですね。

 

──読者として頭の中をカラにして作品を読む、ということはあまりされないんですね。

 

ばったん先生 そうですね。小説に限らず、マンガを読んでいても「この作品の良さはなんだろう」と無意識に考えてしまうかも。

 

──読者としてのばったん先生の姿勢がよくわかりました。家族や友人など、ご自身のマンガを読んでくれる人は昔からいらっしゃったのでしょうか。

 

ばったん先生 いなかったです。自分のマンガを読んでもらう、という経験は持ち込みに行った時が初めてだったと思います。だからひらめき☆マンガ教室のように、すぐに自分のマンガを読んでもらえるような場があるのはすごくいいなと思いました!

 

──そういっていただけるととてもうれしいです。

 

ばったん先生 でも逆に、一人でやっているからこそ、自分の内面に深く潜り込んで行ってマンガを作れたのかな、と思う部分もあるので……。一長一短だとは思います。

 

──授業では「自分の武器を見つけるためにも人に読んでもらうのが良いよ」とお話されていました。ばったん先生はご自身の武器をどう見つけたのでしょうか。

 

ばったん先生 やっぱり私も周りに言われて発見したところがあります。例えば「あなたのマンガでしか得られない栄養があるよ!」みたいなことを言われていると、ああそうなんだ、と自覚していくのかなと……。そういう意味では、「人に褒められたことを素直に受け止める」のはおススメです。

 

──今日もばったん先生に良いところを見つけていただいた受講生は多かったように思います。最後に、ご登壇いただいた感想をお聞きしてもよろしいでしょうか。

 

ばったん先生 夢中になってマンガを描ける時間って、案外キャリアの最初のうちだけにしかないのかなと思い始めています。だからこのひらめき☆マンガ教室っていう空間には、貴重な時間が流れているんだなと感じました。すごくいい空間でした。ありがとうございます。

 

──素敵な授業をしていただいたばかりか、お褒めの言葉までいただいてしまい大変恐縮です。こちらこそ、本日は本当にありがとうございました!

☆☆☆

 

本講評で取り上げられた作品はすべて「ひらめき☆マンガ+」の課題投稿ページから無料でお読みいただけます!
ぜひお楽しみください✨

 

おわり

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