恋ってなんだ?
普段は小説家として、ミステリーやSF、お仕事もの、恋愛もの等の小説を書いています。隔週でウェブエッセイを連載しており、エッセイ本も出版しています。
中学の美術の授業以来、絵やイラストを描いたことがありません。マンガを描くのも今回が初めてです。そのため、「ほぼゼロに近い画力で、どのようにマンガを成立させるか」、すなわち、「どのようなマンガであれば完成形として提示できるか」を考えながらつくりました。
幸い、今回は「自己紹介」というテーマなので、複雑な絵が必須とならない「エッセイマンガ」形式を選択しました。
現段階では人間を描くことができないので、「ちいかわ」的な生き物キャラクターが中心となる絵柄にしました。
いきなり上限枚数の16枚に挑戦すると、〆切までに完成させられない可能性があるので、今回は「8枚」のマンガにしました。
そのうえで、「自己紹介」という課題の解釈ですが、実際に経験したことをもとに、そのときの心の動きを表現することで、作者の人となりが伝わるマンガを制作する必要があると思いました。ただ、人となりが伝わればそれでよしというわけではなく、「作者を好きになってもらう、ファンになってもらう、応援団を増やす」ことまでできればベストだと思いました。
そこで、今回のマンガ制作の目的を、「小説家のSNSアカウント(X、Instagram等)に掲載して、ブランディングとプロモーションに使うマンガを制作すること」としました。以下の2パターンの読者を想定しています。
想定読者①:すでに小説家としての私を知っているSNSフォロワー
……私自身のキャラクターや考えをより深く知ってもらい、親近感を抱いてもらって、作家自身につくコアファンになってもらいたい(ブランディング)
想定読者②:SNS上でマンガが拡散された結果、私を知った人
……「面白い人だな、この人の作品を読んでみようかな」と思ってもらい、私の小説に手を伸ばしてもらいたい(プロモーション)
マンガを読んだ人に、私の応援団になってもらうことが目的なので、私を一番応援してくれている夫を登場させたうえで、夫不在の一週間に右往左往する私の姿を描くことで、読み手は自然と私を応援したくなる(はず)と考え、「夫出張中の一週間」をエピソードとして採用しました。
作家性・商品性としては、「明るい永田カビ(さくらももこ風味)」のラインを(できているかはさておき)狙っています。コマ割りや文字の入れ方、絵の配置などは、永田カビ、さくらももこ両氏の作品を参考にしました。
エッセイマンガの場合、テキストが多めになり、印字テキストと手書きテキストのバランスや位置で作品のリズムが変わると思ったので、今回はネーム提出の段階で、印字テキスト/手書きテキストは明確に使い分けています。
<講義で知りたいこと>
①すべてが初めてなので、何がどこまでできていて、何ができていないか、何一つ分からないです。「ここがおかしい」「こうしたほうがいい」という点があったら、何でも指摘してほしいです。
②画力がないので、今回提出したネーム以上のペン入れができるか分からないです(これ以上何をしていいのか分からない)。「ペン入れのときに、これをしたほうがいい」という点があったら教えてほしいです。
③コマ内の文字がどの順序で読まれるのか、分からなくて困りました。法則があるなら教えてほしいです。
④「線の太さを一定にしろ」という話を事前に聞いたので、気合いでなるべく同じ太さになるよう心がけたのですが、気合い以外の方法でコツなどありましたら、教えてほしいです。
人生で初めて完成させたマンガです!
描いていて、とても楽しかったです。様々なアドバイスをくださった皆さんに感謝しながら、ペン入れをしました……。
商品性&コンセプトとしては「明るい永田カビ」です。
<知りたいこと>
(1)全体として、とにかく丁寧に!を心がけたつもりです。もし、できていない部分があったら、「やるべきだと知らない(orやらないほうがいいと知らない)」部分なので、何でもご指摘していただけると助かります。
(2)先行作品をかなり参照して制作しています。どのくらいまでなら真似してOKなのか(剽窃とならないのか)、業界内のルール、線引きを知りたいです。
(3)以下、少し長くなりますが、いただいたコメントと自分の反省点、完成稿での修正点を記載します。修正とペン入れの思考過程を見ていただいたうえで、「ここの考え方が違う」「ここで変な方向にいっている」などありましたら、教えてほしいです。
1.いただいたコメント
①講義でいただいたコメント
・トピックを一つに絞って深掘りする
・文字を減らす
・画面全体の白黒のバランスに気を配る
・閉じているべき線は閉じる
・線の太さを変えて画面にリッチ感を与える
・下手でもいいので、とにかく丁寧に、統一感のある画面に仕上げる
②大井先生&他の受講生からいただいたコメント
・コマ内の文字と絵を連動させる(文字と絵で別々のことを伝えない。1コマ内では基本的に1つのことを伝える。文字で書いてあることの意味を絵で深めるのはOK)
・コマ内&ページ全体として、右から左に、上から下に読まれる。視線が通りやすい位置に文字と絵を配置する。
・文字が小さくて読みづらいので、他作品の文字の大きさを参照したほうがいい
2.反省点
ネーム段階では、テキストエッセイにイラストをつけたものになっていて、「マンガ」の形式になっていなかったと反省しました。
テキストエッセイとマンガエッセイでは読者層が異なるため、マンガで描く場合、エピソードの選択や並べ方を変える必要があると気づきました(描く内容の変更)。さらに、マンガ形式特有のルールを踏まえた描き方を学ぶ必要があると痛感しました(描き方の変更)。
①描く内容の変更
夫不在の一週間を描くマンガなので、夫と関連するトピック(恋愛ネタ)に絞って、エピソードを再構成しました。内容の主眼が変わったので、タイトルもネーム時点から変えています。
また、一コマ内の文字を減らしつつ、描きたい内容のニュアンスを正確に伝えるために、枚数を8ページから16ページに増量しました。そのぶん間延びする可能性があるので、キャラクターの表情にバリエーションを持たせることで、なるべく読者を飽きさせないよう工夫しました。
②描き方の変更
ゼロから自力で正解にたどりつくのは難しいので、先行作品を参照して修正しました。具体的には、永田カビさんの諸作品を大幅に模倣しています。コマ割りや構図、絵の入れ方、色のつけ方、文字の大きさやフォント等も真似しました。
ただし、永田さんのマンガは人間が主人公なので、髪の毛や服装で白黒のバランスがとりやすくなっています。他方、私のマンガは動物キャラがメインなので、黒く塗れる箇所が限られています。そこで、使用する線をより太くして、白黒のバランスをとりました。
線を太くしたことで、全体的にペタッと感(ツルッと感)が出て、永田さん特有の手描きの味わいが薄くなりました。枠線等を(永田さん同様に)手描きでつくると、テイストが不統一になって違和感が出てくるので、枠線等はデジタルの直線でつくりました。
また、永田さんの作品で使用されている青みピンクの着色だと、全体としてやや悲壮感や狂気感が強く出てしまうので、作品内容の明るさに連動させて、より暖かい印象を与えるオレンジ系ピンクの着色にしました。
以上です。上記以外にも、「ここがおかしい」「こうしたほうがいい」等、気になることがあったら、何でも、ご指摘いただけるとありがたいです!