前の作品へ
次の作品へ

捨て

ほりい泉

ほりい泉
捨て

課題1は途中までしか描けなかったので、これが実質人生で初めて描いた完成原稿になります!ものすごくしんどかったです。心身を削って描きました。

すんなりと描きたい絵が描けないので、何度もしつこく描き直しています。そうやってかなり背伸びをして描いた作品です。

完成稿を描くのがこんなに大変だとは正直ずっとネームだけを描いていたいくらいです。

でも出来はどうあれ完成稿を描けたというのは私の中で大きな財産になると思いました。

それだけをもってしても、ひらまんに入った価値があるのではないかと。

〔直しについて〕

講評会の際に鶴谷先生から受けたご指摘2

①主人公が母親と偶然会うのは少しもったいない、主人公自ら母親を捨てるために赴くという流れにしてはどうか

p11はモノローグなしでもいいかも

まず①についてですが、仰ることはすごく分かったため、一度は直す方向で進めました。

母親を探す方法候補1→探偵

しかし探偵を使ったらおそらく簡単に見つかってしまうし、その経緯を描くのも微妙。主人公苦労してないし、ということで没に。

候補2→制作生の大須賀君から戸籍謄本を取るというアイデアを貰い(大須賀君ありがとう!)、確かに居所を突き止めるならまずは戸籍だよな!と思い、これでいこうと思いました。

しかし戸籍を取って一発で居所が判明しては簡単すぎるので、主人公が生まれ故郷に赴き母親の戸籍(除籍)を取って母親の新戸籍を知り、今度はそちらの役場で戸籍の附票を取って住所を辿っていくということをやろうと思い、実際描き始めましたが、頑張って削っても1ページに11コマくらいになってしまい、明らかに詰め込んだ感が出てしまうので没にしました。

ページ数に制限がなければ他にやりようがあつたかもしれませんが、主人公の母親探しにかけられるページが約1ページという中では、やはり最初のネームのまま運命的に出会うという流れが最善であると判断し、直しは行いませんでした。

次に②についてですが、こちらも熟考の末、直しはしませんでした。理由は主に3つあり、〔1〕主人公自身も誰かにとっての嫌なものであるという視点を入れたかった 〔2〕このモノローグがないと「この母親は本当はひどい人なんかじゃなくて家を出たのも何か止むに止まれぬ事情があったんじゃないの?本当は主人公のこと愛してるんじゃないの?」と読者に考えさせる余地を残してしまうから 〔3〕モノローグが途切れる箇所が増えるとモノローグの効果が弱くなるという懸念この作品は特徴的なモノローグで押していく作品で、それが売りといってもいいくらいなので、途切れる箇所が増えると効果が弱まってしまい「そもそもこういうモノローグで進んできていた」ということが読者に(一時的にであれ)忘れられる可能性があると思いました。

自分の感覚としてはモノローグが途切れても成立するギリギリのラインが3箇所(6p,13p,14p)であると考えたため

以上の理由から直しをしないという決断をしました。

ご指摘2点とも、時間をかけて悩みに悩みましたが最終的に我を通す形になり、折角アドバイスを頂いたのに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

長文を最後までお読み頂きありがとうございました!

捨て

悪いイメージのついた物が嫌で嫌で使えなくなって処分してしまうという、自分の面倒な部分を題材にしました。どういう「嫌さ」について描かれた漫画なのか明確に伝わるように気を配りました。

当初、主人公のモノローグの語り口調は「〜だ」「〜だった」のような普通のものでした。その段階ではこの作品に対しいくつかの問題点を感じており、それは①暗いだけの話で面白みに欠ける②本来ならもっとページ数が必要な話を16ページに詰め込んでいるため、ダイジェスト感が強い③全体的にまとまりがない、といったものでした。
そこで苦肉の策として捻り出したのが、モノローグの語尾を「〜で」をはじめとする母音eで韻を踏む(全部ではありませんが)というものです。
結果、自分としては成功したと思っています。
物語全体を通して流れるメロディーのようなものができたことにより、面白みとまとまりがでた気がするし、ダイジェスト感についても、これはこういう(ある意味MVのような?)作品です、という感じに見えるようになったのではと思います!勘違いかもですが!

お読みいただきありがとうございました!