のろまな占い師
自分が何を嫌だと思っているのかを明確にしないままの状態でプロットを作成しはじめたせいか、かなり迷走しました。嫌なことを強調しようとすると物語としての魅力が落ちてしまうので、嫌さを明確に伝えることと、物語の面白さを追求するバランスの取り方に苦労しました。
嫌なこと)
・新しい何かを取り入れない人に対して、「遅れてる」などと言って揶揄する人や態度。
・時流に乗ることを最優先する「バスに乗り遅れるな」的精神。
古いものが好きな主人公(カナカナ)と、新しいものを取り入れない人を馬鹿にする人物(バクさん)を対立させる物語をつくろうと思い、2人を占い師として設定しました。
最初につくったネームはこの2人が単に対立するだけの単調な話になってしまったので、主人公を入れ替えるネームに変更してみて、ネームを作り直しましたが、それも結局単調であることには変わりありませんでした。対立の図式が変わらないことにその原因があると考え、2人の価値観が対立する物語ではなく、1対1から1対2、1対多というように対立の図式が徐々に変わっていく話にしました。
「主人公は嫌なヤツに最後は勝つ」という展開を考え続けていたのですが、勝つことを諦める方向で考えたら展開がガラッと変わって良くなった気がします。
主人公がバクさん(ざんぎり頭の女性)に追い詰められる7,8ページあたりは、もう少し短くしようと思ったのですが、解決策が見当たらないまま〆切となりました。この部分は、バクさんが主人公を精神的に見下しているということを強調したかったので、主人公を見下す構図の絵にしました。
また、すでにAIは題材として手垢がついている感じもあって、AIという言葉を出すかも迷ったのですが、「新しいもの」としての代表として採用しました。AI自体を嫌ってるわけではありません。
いただいた講評をもとに、セリフを整理しました。
また、タロットのシーンを増やし、タロットとAIの対立構造が明確になるように調整しました。
最後も明るい感じで終わるように変更しています。
風景カット、クローズアップなども追加して、画面が人物のバストショットで続かないように意識しました。