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はろー!わーるど

ひむか

ひむか
はろー!わーるど

【課題への解釈】
「全てのリミッターを外す」「商業では絶対できない事」「意味不明な漫画を浴びる」
という課題文から、今回求められているのは
「自分の漫画技術を駆使して今まで一番頑張る」という事ではなく、
「漫画という手段を使って、自分が出来るMAXの表現方法に挑め」
という事だと解釈しました。

【目指した表現】
私は漫画は本来もっと自由であったはずだと考えています。
キャラがコマ枠に気付いたり、コマとコマをぶち抜いていったり、
昔はとてものびのびしていたと思っています。

また、(上記とほぼ同義ですが)昔はより実験的な表現が
驚きと共に受け入れられていたと思っています。
私は手塚治虫の描いた『やまなし』が好きなのですが、
この漫画は上段と下段で分かれており、それぞれ並行して物語が進みます。
両方ほぼ同じセリフが使われているのに、上段は童話の演劇、
下段はリアルな戦争の体験が展開されるというものです。
これはおそらくいまの商業誌ではできない事だと思います。
「型にハマってない」ので弾かれるためです。

【今回の漫画でやったこと】
漫画という二次元の創作物の枠を広げたいと考えました。
Z軸や拡張性を入れられないかと思い、結果三次元と二次元の邂逅の物語にしました。
ただ、三次元の中に二次元を持ってくることは
『ロジャーラビット』、最近だと『サンダーボルト』で行われています。
これは、私たちが三次元側にいる事を軸に物を考え、
「そこに二次元が来たら面白い」という観点から作られた作品です。

であれば逆に、「二次元側に三次元が来たら」「主人公も二次元側ではなく三次元側にしたらどうなるか」
と考えた結果が今作です。
(三次元の素材で身近に動かせるものは私しかいなかったのでこんなことになりました。なんとまぁ)

最後に真っ白なページが続くのは、漫画のタブー「真っ白画面」すら作品の内として
漫画の限界を広げたかったためです。
何も音楽を流さない『4分33秒』的なことを漫画でもやりたかったという意図になります。

好き放題やれて楽しかったです!
一瞬でも読んだ方が「これって漫画なの?」と
漫画というものの境界や形を考えてもらえたなら、それで私は幸いです。

宜しくお願い致します。