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非業の生

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非業の生

「自分が強く欲望する何か」とは何だろう…と思った時に、知識欲(知的好奇心)、食欲、性欲、物欲、承認欲、金銭欲……などなど、恥ずかしいくらい沢山出てきたのですが、その根底にはいつも「死にたい(消え去りたい)」と思う欲求と、しかしそれ以上に「生きたい」という、生存欲とでもいうような大きな欲求に裏打ちされていることに気付きました。

課題文には「自分が強く欲望する何かを、『その瞬間』を」とありましたが、生存欲を最も感じる瞬間は「死にかけた時など、強く死を感じた時」と「この世界の何かに興味や愛着が湧いた時」の二つだなと思ったので、それを物語のピークで表現しようとしました。

お話としては、アフタヌーンなどの青年漫画誌の読者をターゲットにし、「第一話」感を強く意識しました。主人公の木乃香ちゃんと、小坂さんが、このお話が終わった後も死ぬ/死なないの言い合いをしたり、それでもなお一緒にこの世のちょっと良い所を見つけていると良いな、と感じてもらえたら良いなと思います。

難しかった点としては、主人公(男性の小坂さんの方)を描く事全般でした。そもそも死にたいと思った事が無い方々もいて、死にたいと思っている方々にも抱えるものの違いなど、あまりにも莫大なパターンがあって…という中で、どれだけ主人公を違和感なく、物語の伴走者として見てもらえるんだろう、というのは疑問と不安が残ります。