死に方
今回は、「リミッターを外す」という課題でしたので、「自分の脳内にあるのものを、とにかく吐き出す」を目標にしてネームを書いてみました。そして、「リミッターを外す」ということは、「ひらめき☆マンガ教室」が課しているページ数等の制限も外すということであると解釈し、32Pのネームになりました。最初から最後までツッコミどころしかないですが、今まで書いたことがないものについて考えることができたことはよかったです。
今回、表現しようとしたことは、吸血鬼というモチーフで、「次世代への継承」を表現できないかと思いました。多くの吸血鬼モノでの「繁殖」は、「血を吸われる」もしくは、「血を与えられる」ことによっておこなわれます。それは私の中では、血判だとか、盃を交わすというようなものに近いイメージでした。実際の繁殖というのは、例えば、サケなど産卵をしたら死んでしまう生物も多くいて、親は命をかけて次世代へ自分の血を継承していきます。その苦しみと、親の愛情を吸血鬼を使って表現できないかという試みが今作です。主人公は、日常的に公務員的な立場で死刑を執行している刑務官です。過酷な仕事で、同僚が次々と辞めていく中、「生活のため」だけに平然と職務を遂行できる主人公が、過酷な「継承」を経ている吸血鬼の過去に触れる事で、本当の愛とは何のかに気づく。そういうストーリーを描きたいと思っていましたが、全然描ききれてなくて、無念です。
気になるところとしては、自分で読んでも意味不明であるということ。最初の出だしの主人公の設定が生きていない。話の本筋を全部説明し切るまでにページを割きすぎているのに、全然理解できない。そして、最後のオチもフワッとしている。セリフが無いところが長すぎる。最後の方はいろいろ諦めていてコマ割りが単調…などなど、反省ポイントしかないです。本当に、このネームはなんなのか、私が一番聞きたいです。
改めて、自分の新境地を探るのはこれほどまでに苦痛であるということは理解できました。もう少し、自分の伝えたいことを明確に伝えるためにはどうしたらよいのか考えたいと思っています。
ネーム講評の際に指摘があった通り、構成の見直しを行いました。主人公の普段の仕事ぶりから主人公のキャラクターがわかる冒頭を追加。通り魔に刺されるところも、登場人物が増えてしまうので、吸血鬼に襲われるという話に変更しています。後半部分もさらに直したいと思っていたのですが、方向性が定まらず、見切り発車のペン入れになってしまいました。可能なら、再度構成を見直して描き直したいと思っています。