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もっこす人魚姫

阿山カンフー

人魚姫

阿山カンフー
もっこす人魚姫

ペン入れ2個目になります。人魚姫の表情が可愛くなるようにペン入れしました。服にトーンを貼ることを覚えました。

もっこす人魚姫

人魚姫の物語を何度も読み2つの分岐点で、自分と主人公との違和感がありました。1つ目は「王子の船が難破するシーンでの主人公の反応」、2つ目は「魔女の薬をもらうこと」です。1つ目については、主人公が人魚であり人間の死について特別な感情が発生しないので淡々と物語が進みますが、僕が現場にいたら心が回復するまで数年は立ち直れないと思います。この1つ目を題材にして、その困難を乗り切るためにもう一つのメンター的キャラクターを追加したネームを描いてみましたが、課題の要求から趣旨がズレている(キャラ追加している)ことに途中で気づいたため方針を変更しました。2つ目については、僕は薬を貰わないと思いました。前後不覚になるほどの恋心だと選択する力すら無くなることも考えましたが、もともと情熱的な性格ではないため薬はもらわないでしょう。自分じゃない状態(人魚としての死)になり王子に好かれたところで、人魚である僕が人魚である僕を好きでいることができなくなるため、僕の価値観では虚しい行為に思えました。つまり他人に言われるがままアイデンティティを変更するようなことはしない性格なのだと思います。そういう意味で僕は自分が自分でいるために頑固な面があるのだと思います。人の意見は素直に聞くが、自分が自分のことを最終的に決定するというラインは、決して崩さないという頑固さ。人に言われたから従っているのではなく、人の意見を十分に理解し納得したからこそ自分で人の意見に賛同することを決定したいという頑固さ。今回の主人公には存分に頑固になってもらい、力強く楽しい読後感を目指してネームを描きました。クロッキー修行は女の子を上手に描くためにやっていたと言っても過言ではありません。ペン入れまでに画力向上に努めます。