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2人の孤独

七井一汐(なないつ)

七井一汐(なないつ)
2人の孤独

前回の講評を受けて、ネームを若干修正しました。

主にカイ(男の子)のセリフを変更・追加、いくつかコマを追加しています。変更案については、プラカードを持ったおじさんをレイプ犯に変更するなどのアイデアもあったのですが、私がこの作品で表現したかったことは、このような性犯罪に限らず、さまざまな犯罪がニュースなどで報道される中で、加害者や被害者の実情は見えづらく、マスメディアの他、SNSなどの発達も相まって、第三者の声(感想・批判・分析等)が大量に目に入る状況になりました。時には、第三者による勝手な推測で、被害者に対しても二次的被害になるような言葉がかけられることもあります。そのような状況を表現したかったため、プラカードのおじさんをレイプ犯にするという案は却下しました。

しかし、プラカードのおじさんに対して、なぜカイが怒りを見せたのかが分かりにくかったため、セリフで彼の心情を補いました。

次の課題としては、仕上げや背景の技術を向上していきたいと考えています

2人の孤独

今回のテーマが「肉体的接触があるクライマックスを名シーンのように描く」ということで、肉体的接触が困難な状況を作り、最後のクライマックスで接触するというストーリーラインを作りました。名シーンのように描く演出として、13ページ目から14ページ目にかけて接触に至る過程を大ゴマで展開する形にし、最後のページの最後のコマで、主人公と男の子の2人が手を繋いでいるシーンが印象的になるようにしました。

設定が難解なので、シーン展開は少なく、基本会話劇で展開することで、極力わかりやすい話になるようにするのと、最後の接触シーンで動きをつけ、そこが最も印象深くなるように心がけました。

想定媒体は「アフタヌーン」です。理由としては、男性誌ですが、女性読者が多そうな作品が多く掲載されているためです。狙いとしては、女性の方が読みやすいストーリーやテーマ設定ではありますが、男性の目にも触れて欲しいと考えています。