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ひらマンのコトバ#11「自分が読者だったら、この作家にはこれを描いてもらわなければ気が済まない、というところ」(鶴谷香央理先生)/「ここでこのキャラがこういうことをするんだ、という驚き。キャラクターに読者を惹きつける、ここでつかむ、という瞬間」(由田果先生)


2月22日の講義「応用1・中間課題 同人誌の制作・販売」を受講しました。 というか、10月4日からの5ヶ月にわたる同人誌制作、コミティアでの販売、そして講評会という一連のいわゆる「同人誌課題」のすべてを体験しました!!!

 

ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 同人誌売上レース & 特別授業2025開催!!!!!!!!

 

「同人誌課題」とは何かというのを授業スライドの文言から引くと「全受講生を3チームに分けて行う、受講生が企画・制作した同人誌の売り上げを競う授業」だとされています。「売り上げを競う授業」というのがあまり現実世界で見たことがない、むしろマンガの中でありそうな言葉の並びだなと思いますが、これはつまり、「そのマンガを誰が読むのかを考えましょう」「読者や媒体のことを考えましょう」という、講義のなかでたびたび言われることを、「今のコミティアで売れるマンガ同人誌を実際に企画して作り、実際に売ってみる」という形で体験しようという授業なのだと思います。

 

他の制作生や聴講生とのグループワークだという点も重要でしょう。常識的に考えるとマンガの実習講座にグループワークは不要なのではと思いますし(ちなみに参加を辞退することもできます)、実際グループワークによってマンガ制作とは無関係なもめ事が発生したり(したんです。嵐のようでした)、一部のメンバーに作業が集中するようなネガティブな面はあったなというのが同人誌課題の参加メンバーとしての素直な評価ですが、しかしその負荷によって、かどうかは定かではないものの、同人誌課題によって生まれた制作生の皆さんのマンガには緊張感というか、責任感というか、当事者意識のようなものが生まれていたなと思います。例年この緊張感・責任感・当事者意識が持ち帰られ、あの最終課題作の気迫が生まれるのでしょう。

 

さて、つくった同人誌を販売したコミティア155当日の夜行われた特別授業はYoutubeで全編配信されています。今年は鶴谷香央理先生、由田果先生、大井先生にさやわか先生という4名の講評で、同人誌課題という謎のマッチメイクにふさわしく謎の緊張が走る場面などもあり、参加メンバーとしてはぐったりと疲れましたが、そのドキュメント部分も含め楽しめる公開授業になっているはずです!

 

鶴谷香央理×由田果×大井昌和×さやわか ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第8期#14ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 特別授業

 

今回の講評では、総評としてマンガとして基本的なことはできているものの、見せ場がなく終わってしまい残念な作品が多かったという声があり、ではその「見せ場」とは何か、それはどうつくったらいいか、という見せ場をめぐる議論がおもしろく、コトバもその中からピックアップしました。「見せ場についてもう少し教えてほしい。自分だともうひと展開必要なのかな思ってしまうのだが、絵が必要ということなんでしょうか?」という質問に対して鶴谷先生はずばっと「自分が読者だったら、この作家にはこれを描いてもらわなければ気が済まない、というところ」と。「気が済まない」という言いかたがいかにも鶴谷先生らしいというか、内に秘めた熱を感じるコトバでした。他方の由田果先生の「ここでこのキャラがこういうことをするんだ、という驚き。キャラクターに読者を惹きつける、ここでつかむ、という瞬間」も、由田果先生らしい想いの強さを感じる回答でした。ひらマンで講義を浴びるように聞くに、マンガ家の先生方は絵を究めているのは当然だと思うんですが、言葉にも独特の強さ、いわゆる「声」を持っているなと感じます。

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