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漫画企画について改めて考えてみました


直近の課題6の作品のコメント欄に色々書いてしまったのですが、言いたいことをまとめると
 
(企画の打ち合わせの初めではよく「まずキャラクターを作れ」と言われるのだが、)
主人公キャラクター単体の「キャラ立て」だけ考えて企画を成立させるのは(僕にとって)難しい。
 
ということでした。
 
理由は出尽くしているから、どんなにキャラ単体の設定やフェチを考えても前例が既にある、目新しくない、響かない、ということで、主人公単体のキャラを考えるのではなくて、「関係性萌え」とか「自分の得意または関心領域」「現在の売れ線(自分が好きな作品ならなおよい)」などのベン図の重なりを考えたほうがいい、という話に結局なりやすいと思います。
 
■以下、リストにして整理してみます。
 
さあ企画を作ろう、という時にチャレンジする順序でいうと
 
① 主人公/主要キャラのキャラ立て  最難関だけど「できたら勝ち」とよく言われる。
 
→比較的楽なのは「特定のフェチ/快楽に強烈に執着しすぎる」キャラクターだが、それはそれで主人公にしてしまうと話の方向性が限定されがちという点はある(でも面白い作品も多い)。主人公は基本的な人格は読者が感情移入しやすい「好感度が高い普通の人間」であることも多く(特定の状況になるとおかしくなる、もあるあるだが)、その場合は②の企画、③以降の組み合わせで勝負になる。
 
② 企画の強さ アイディア勝ち、企画勝ち。プレミス(一行説明文)で既に勝っている。
(①を包括する概念とも言えるけど、必ずしも主人公のキャラ立てにフォーカスしないことも多いと思うので別としました)
 
→不可能では全然ないけど現代の漫画シーンでは非常に難しい、短文だと「どこかで見たもの」になりやすく長文だと刺さらない。ただ常に目指すべき位置で、無理ならやらない、みたいに0か1かで考えるのじゃなくてここを理想として常に考える。
 
でも聞いただけで「何それ、面白そう!」となるアイディアを作るのが得意な人も何人か出会ったことがあって、そういう人は企画の才能があるなぁと思いますね…自分はプレミスで勝負できる作家じゃないなぁ、と思います。
 
③ 自分の強み/好きなもの 自分の特技や関心領域を活かすことを考える。あるいは好きな関係性などを描くことで強みを活かす。
 
ここが軸になって作られる作品が実はものすごく多い、と個人的には思います。得意分野や関心領域が複数あり、「それぞれは既存だが組み合わせでオリジナルになる」ならより良い。「大好きなあの作品みたいなのを描きたい!」もここに含まれると思う。
 
④ 需要ベースで考える/ジャンル編 作家性とはやや関係ない話ではありますが、現在の少年向けならなろう系など、売れ線を取り入れることで企画に訴求力を持たせる。市場を見る目が必要。
 
→出版社と仕事をするわけではなくても、読者に読んでもらうために大事な視点だと思います。
下の⑤もそうですが、「誰に読ませるか」「どこに載せるか」というターゲット設定が特に大事になるポイント。
「自分が好きなジャンルや関係性など」であれば更に良し。
 
⑤ 需要ベースで考える/分かりやすい快楽編 食欲・性欲・睡眠欲のうち使いやすい食欲と性欲を使う、あるいはビルディングスロマンやモテモテ、成金、など分かりやすい「快楽」をめがける構造を取り入れる。あるいは落差、すれちがいなどを構造に入れる「ギャップ」を使う手も分かりやすく快楽になりうる(うまるちゃんが好例)
 
→特に作品の「入口」で刺さるところだと思います。
 
※FANZAで売る作品を考えてみると、①はともかく②~⑤どれも直接的に皆考えられてる気がしますね、、(´・ω・`)
何やらよくわからない「自分だけの作家性」「誰も見たことがない面白いもの」という高すぎる理想に振り回されてる人が少なそう。
 

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それほど打ち合わせを繰り返したわけでもないですが、だいたい経験上、①と②で決めるのは難しいので、③~⑤までを考え併せて、「まずはネームを描いてみて」という場合が多い気がします。(もちろん、①と②を成立させる方向の不断の努力もするんですが)
 
読んでみないとわからないので、まずはネームを仕上げる、ということ……たとえば、冒頭4ページだけでも。
 
③~⑤までを武器に使って、①と②の訴求力を磨き、「力のある企画」の成立を助ける……というイメージになるのかなあ、と書いてて思いました。
 
③~⑤までで自分の好きなものやアンテナに引っかかるものは列挙できるので、それを武器に材料にあらためて①、②を作ってみよう……と考えた次第です(´・ω・`)
 
ぼんやりしか考えられてなかったことですが、ひらマンでの経験を通じて少しだけ考えをまとめられた気がします。
長文失礼しました。

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