
ひらマンのコトバ #3:「モノローグって基本的にめちゃめちゃマンガの得点を下げるんですよ。」(師走の翁先生)
ちょっと時間が経ってしまいましたが、8期第3回授業を現地受講しました! その長さとアツさで毎期伝説として語られている師走の翁先生の授業ですが、8期もほぼノンストップ13時間半の講義となったようです…(僕はやむなく途中退場してしまいましたが)。この記事を書くためにあらためて全編を再チェックしましたが、師走の先生の理路整然とした解説と飽きさせない話芸で思わず聞き込んでしまいました。
面白おかしく語られるものの、師走の翁先生のマンガ理論は「冒頭で読者に5W1Hを伝える」「伝えるべきことへのコスト(割くコマの数、面積、描写…)管理」「マンガのコマや流れのストックを増やすためのネーム模写(既存のマンガのページからそのページのネームを描く)」などきわめてベーシックで、たいへん勉強になりました。取り上げたコトバもそうしたマンガのベーシックな原則として語られたもの。おもうに、安易なモノローグはそのページやコマで伝えるべきことに必要なコストと向き合うことを避けるもので、結果的に読者のマンガへの没入を遠ざけてしまうということなのでしょう。一方で、少女マンガ誌の編集さんからはモノローグをもっと入れてほしいと言われるのですが…という質問に師走の先生は「それは点数を下げてでもマスに届けるという編集の仕事からの意見で、それはそれで正しい」と答えられていて、マンガの表現と商業性のバランスの微妙さが感じられる興味深いポイントでした。
あと、須澤彩夏さんの「除霊師お嬢様 浄怨寺レイカ」ネーム講評のなかで出た
師走の翁先生 「お除霊ヌーボーについてはちょっと金の匂いがする…」
さやわか先生 「『金の匂いがする』は漫画界最高の評価ですからね!」
もひらマンのコトバとして捨てがたいものがありました。