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好きなマンガ1冊とその理由「俎上の鯉は二度跳ねる」


初めまして。

彩冬八羊(さいとうやぎ)と申します。

私の好きなマンガの1冊は水城せとな先生の「俎上の鯉は二度跳ねる」です。

この作品は映画化された「窮鼠はチーズの夢を見る」という作品の2巻目、つまり前後編で言う後編にあたる作品です。もちろん「窮鼠〜」も大好きなのですが、私はこの後編が特に好きで人生ことあるごとに繰り返し読んでいます。

【ストーリーの概要】

女性に流されやすい主人公(恭一)は、妻から浮気を疑われ探偵に調査される。その調査員は大学の元後輩(今ヶ瀬)で、浮気の事実を隠す代わりに肉体関係を迫られる。場を丸く収めるため彼と肉体関係を結ぶが、結局妻から離婚を言い渡されてしまう。自宅に転がり込んできた今ヶ瀬に流されズルズルと恋愛関係のようなものになるが、自分に執着する今ヶ瀬に対して、同性愛者ではない自分は彼の気持ちに応えられるのかと苦悩する。

(ログラインを書く練習をしてみようと思いましたが、あまりうまく書けませんでした。)

【好きな理由】

①恋愛を「逃れられない業」として描いていてる

この作品を読んだ当時はまだ学生だったのですが、ここまで徹底的に恋愛の「甘くない部分」を描いた作品は初めてで衝撃を受けました。この作品は男同士の恋愛を描いているBL作品(※少女誌掲載)ですが描かれている恋愛感情は男女問わず普遍的な感情だと思います。読んでいて共感するところが多かったです。また、そこに異性愛者と同性愛者という葛藤が加わり、簡単に「好きと」言えない状況が続きます。特にラストシーンは、恋愛における諦観の境地を描いている所が人間らしく、そしてそれが最大限の愛の告白になっている所にとても痺れました。

②心境の変化の描き方がすごい

前編では「流されやすい男が激重な男に流されていく」様子が描かれているのですが、後編では「流されやすい男の責任の取り方」が描かれています(と思います)。どのような経験を経て彼らがラストシーンに向かっていくのか、感情の移り変わりがとても丁寧に描かれている点が好きです。

今回は「好きなマンガ1冊とその理由」という課題だったので、自分が目指したい方向性を提示した方が良いのかな?と思いこの1冊を選んでみました。好きすぎて言語化できない部分も多く、きちんと分析出来てないなと気がつくことが出来ました。

もう一冊でとても悩んだのは、武富智先生の短編集「B scene」です。こちらも思春期/青年期のエモが詰まった最高の短編集で、学生時代から繰り返し読んでいます。

同じ漫画を好きな方がおりましたら是非お話しできたら嬉しいです!

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