【グルメ】柿【No.5】
冬になったので柿を食べる。
ぼくにとって柿というのは果物というより、実家の庭を思い出す、植物としての側面が強い。朝起きてリビングに座るとまず目に入るのが強くしなやかな枝を芝生の上に伸ばしている柿の木だった。
東京に出てからも思ったよりは柿をみる。とはいえ、枝は伸びるままにしてあるし、実がついていても誰もかもが――あまつさえ、野鳥であっても――無視して日常を過ごしているそのさまは、ぼくにとって異世界そのものだった。
スーパーの青果売り場に並ぶオレンジで艶やかな彼ら彼女らもぼくにはとても新鮮だった。
――というわけで、スーパーで柿を買って、食ったぞ!!!!!!!!!
ラインナップは以下の通り。リンクは割と適当。品種登録DBで引っかからないのが悪い!
・輝太郎
宗田早生と安芸津14号(甘秋)の掛け合わせ。2010年に品種登録。早生の完全甘ガキ。小難しい日本語を読みたい方はこちら(早生の完全甘がき新品種”輝太郎”)から。
※果物の話するときは大体、味と形と早生(収穫時期)の違いだと思っておけばいい。
・富士柿
甲州百目とも。名前の通り富士山に形が似ている。いま風に言えば「ハート形」だよね。元々渋柿として干し柿になっていたが、人間が頑張ったおかげで生食もできるようになった模様。脱渋(だつじゅう)についてはこちら。追熟しないと言われている柿だからできるやりかただな、こりゃ。なんかいろいろ調べてみたけどこの柿の出どころには色々な話があって不明。古くからの馴染みある柿であることは確か。
・太秋柿
富有とⅡiG-16(「次郎」×「興津15号」)の掛け合わせ。1995年品種登録。育成者権の存続期間18年。中生の完全甘柿。ようは収穫は早くも遅くもないってコト。
・秋王
福岡K1号とも。富有柿と太秋柿の掛け合わせ。2012年に瀕す登録。育成者権の存続期間は30年。完全甘柿。
・富有柿
甘柿の代表どころ。居倉御所(いくらごしょ)という柿が本家本元らしい。
↓味の話↓
・輝太郎
フォークの刺さりがすごくいい。そしてとにかくジューシー。歯ごたえは弱め。ぬめり系。甘さはしっかりあるものの、ジューシーさも相まってかなりさっぱりとした印象に。量を食べられそうな、テンション低めに効率よくバランスが整った味。ぬめり系にありがちな遷移残り的食感が少しあるので、その手のが苦手だとダメかも。
・富士柿
匂いがしっかりあって実は固い。シャキシャキとした歯ごたえがあるのにほろほろと崩れるような食感。繊維が多い干し柿っぽい感じ。甘さはかなり控えめ。まあ出自をかんがえればそうよね、といった感じ。ただ何とも言えない酸味がしっかりあるので、とりわけこの柿が好きだ、というのは十分あり得る説得力あり。個人的にはそこまでおいしさはない。
・太秋柿
富有柿に続きかなりの柿っぽさ。秋王と比べると食感しっかり。後味の船体的なボリュームが気持ち控え目ではある。正直、秋王と並べられると味では区別つかないかも。ヘタ元(頭)とオシリの味の差が大きいので、切り方によって気分が変えられる。
・秋王
ハイレベルな柿。ふんわりとしながらも程よい歯ごたえ。甘さは強いが後に残るしつこさはない。ぬめり系ではない。とにかく全体的にハイレベルなバランス読良さが目立つ。
・富有柿
ちょいぬめり系。THE柿といった、独特のしっとりとした甘さがある。なめらかな歯ごたえ。昔懐かしの柿らしい匂いがある。柿が好きっていう人が好きな味はこれだよなって感じ。
以上!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おわり