あまり読まれてなさそうな漫画を紹介する①
私は他のひらマン生ほど漫画を読んではいないが、他の人が読んでないものを読んでいるかもしれないと思い、紹介する。「みんな知ってる作品だよ!」と言われれば、すいません。
- 『まんが 良寛を慕う貞心尼ものがたり』(高橋郁丸作、考古堂、2000)
江戸時代の禅僧良寛と晩年を親しくし、その死を看取った貞心尼の生涯を描いた漫画。考古堂という新潟市の出版社から出ている。今も新刊で買えるかは不明。私は長岡市の古本屋で購入した。
この本の特徴としては、貞心尼が良寛の歌集を編んだことに因んでか、歌が大量に出てくること。物語の進行を歌のやり取りだけで進めているところもあり、読者のリテラシーが求められる。正直リテラシーのない私には辛い。漫画としてどうなのかと思わなくもないが、こういう形式でしか表現できないものもあるのだろう。
私はたまに旅行に行くと、その土地の本屋の郷土本コーナーを覗くことを楽しみにしている。時々その郷土の偉人(全国的には知られていない)の生涯を描いた漫画が置いてあることもあって、手に取ってしまう。
この前高岡に行ったら高峰譲吉の漫画があったが、高峰はさすがに有名だろう。
- 『奇譚花物語』(星期一回收日作、サウザンブックス、2022)http://thousandsofbooks.jp/project/hanamonogatari/
台湾の小説のコミカライズの翻訳。私は神保町の内山書店以外で店頭に置かれているのを見たことがない(新宿のBOOKS KINOKUNIYAの漫画コーナーに原著があったかもしれない)。「奇譚」とある通り、台湾の風習や伝説が物語に絡む百合漫画(「花物語」なので)。巻末に2ページの訳注が付いているが、特に戦前台湾の、建築物の位置や制度が詳しい(私にはマニアック過ぎて上手く使いこなせない)。
ちなみに漫画作者のpixivで試し読みできる(中文だが…)。 https://www.pixiv.net/artworks/89575316
同じ作家のこの作品が他に翻訳されている。『ネコと海の彼方』https://www.kadokawa.co.jp/product/322303001146/
台湾といっても日本の漫画と同じように読める。読みやすいと思う(全然関係ないが、かつて日中同時連載していた夏達の『長歌行』は、コマ割りのせいか、ところどころで引っかかった)。
以上、みなさんの関心を惹くものがあれば幸いです。