【投稿コース】第6期 投稿コース講評:『マイバレンタイン』【9月分】
ひらめき☆マンガ教室第6期から新設された投稿コースでは、月に一度、ひらめき☆マンガ+内に投稿したマンガの中から自由にひとつの作品をえらんで講評を受けることができ、内容はひらめき☆マンガ+で公開されます。
第6期、9月分の講評には全6作品の申込みがありました。本記事では、ヤマノリさんの『マイバレンタイン』の講評をお伝えいたします。
2.『マイバレンタイン』ヤマノリさん
講評:大井昌和先生
受講生アピール文
投稿コースの ヤマノリ です。
9月分の講評をよろしくお願いします。
バレンタインの贈り物を送りあう男女の話です。
チョコを受け取るかどうかで、人間の感情がいろいろ
生まれるな~と思い、漫画にしました。
明るい話が描きたいなと思い、描きました。
15p内で漫画を描くのは難しいと思いました。
投稿先は考えずに描きました。
自分の目標は、まずは継続して描き続けられるようになることです。
継続することで、漫画を描く力を上げることが出来れば、
自分が投稿したい投稿先も分かって来るのではないかと思っています。
この作品には改善点があると思います。ご指摘をお願いします。
よろしくお願いします。
講師講評(大井昌和先生)
投稿コースに投稿ありがとうございます!
拝読させていただき、おそらくまだ漫画は描き初めですかね?それでも継続すれば力になると言うのはおっしゃる通りだと思います!
最初に思ったのは、しっかり序盤中盤オチという形がちゃんとあるのは、描き始めだとすればこの感覚を持ってるのは大変いいことだと思います。
読み終わって感じたのは、
やまのりさんはこのお話をなぜ漫画で書いたのか?です。
表現をしたいのはびしびし伝わるのですが、例えば大胆に斜めにコマを割るや繰り返し、天丼表現にその感じを受けるのですが、それが逆に漫画を使ってこの話を表現したいのか?と思ってしまいました。
つまり自分の独自表現をしたいのか?
このお話を読者に伝えたいのか?
が対立してるように思えるわけです。
もし読者にこのお話を漫画表現を使って読んでもらいたいのであれば、普通にコマを割って読みやすくする工夫をする方がいいと思いました。
独自の表現を探求すると言うことは、その独自性=新しさが読みやすいと同居してないと機能しないので、プロの作家は独自性を狙うのではなく、読みやすくより面白く伝わるために新しい表現を生み出したりすることもあります。
そして表現性のある漫画でありながら、話はプレゼントにまつわる心の動きを描こうとしています。
これは古来からある形のお話なのですが、15pで十分描ける話なはずですが、前述したような理由でこの心の動きが駆け足になってしまい、伝わりづらい形になってしまっています。それでもこのように話が理解できるのは、お話自体は大変まっすぐなものだからです。
それをこの形の漫画にすることで、読み手にハードルを与えてしまっていると思います。
またこの手の話を新人さんや漫画を勉強中の人が書くときに多いのが、
「これからじゃん!」
と言うとこで終わってしまうと言うことです。
おそらく書き手は、読後感や読者の心の中で感じてほしいと思ったりする場合もあるかと思います。しかしこの文章中で伝える、伝わるをしつこく言わせていただいておりますが、
読者にどう思って欲しいかを伝える!
のが表現の、漫画だけではなく、あらゆる表現の第一目標だと考えているからですし、そうでないとわざわざ表現なんて面倒なことをする必要がないはずです。
ではなぜこのようなことになるのか?
これは創作を始めたときに誰しも最初に起きることなのですが、
表現したいけど自分の考えを言うのが恥ずかしい、
と言う捩れ構造により起きる問題だと思います。
表現=自分の言いたいことを伝える
しかし
自分の言いたいことを伝える=恥ずかしい
こうなったとき、独自表現や読者に委ねると言う現象が起きてしまいます。
漫画表現は先人から今の流行作家が日々その表現手法を研鑽し、より読者に伝えることができるようにし、そしてそれはアプリによっては無料でよたりする時代です。
漫画でやるべき表現は何か?
それを念頭にこれから描き続けていただければ最初に言った構成の勘所はあると思われますので頑張ってください!
講師講評ここまで
以上になります。
ヤマノリさん、講評にお申込みいただきありがとうございました!
おわり