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6期・課題4・ネーム感想


こんにちは。聴講生のmawaranaiです。課題4の方のネームです。大変遅くなりました。投稿完了後、完成稿や課題5のネームを読みます。

 

大須賀健さん 『おかしいとは思わねぇか?』

この話のシチュエーションとして、1回戦と2回戦の間が適切だったか。もしくはこのシチュエーションにこの話が適切だったか。例えば、最後に勃つ理由が曖昧なこと、話全体で「おかしいとは思わねぇか?」が掛かっていないことなど。あるいは自画像を使用するという選択が効いていたか(エッセイ風でもないと思います)が気になりました。僕個人は強い理由がなければ、作者自身が言ったことにする、という手法をあまり好みません。しかし「〇〇 おかしいとは思わねぇか?」という良い感じの決まり文句を立ち上げたこと、「おかしいとは思わねぇか?」と言ってる主人公にツッコミが帰ってくることが多い(相対化がされている)ところが好きです。

 

やながわけんじさん 『カレー牛乳』

少女のほのぼのとした日常を綴るにあたって、少女のキャラが良さがこの作品を読ませる軸として機能していると感じました。『怒りのロードショー』のトトちゃんを思い出しました(『怒りのロードショー』を読み返したら似てるのか似てないのかよくわからなくなりました)。また、主人公の少女だけでなく、まわりのリアクションもキャラ造形として完成度が高く、主人公の良さが引き立っていると感じました。カレーや牛乳、冷凍ミカンなど、言葉のイメージだけでも色とりどりなのも良かったです。

 

くまのぶさん 『おぼんやすみ』

短い話を非常にスマートに展開させていて、今まで作品に比べてもグッと読みやすく、マンガのクオリティが上がっている感じました。出発前に主人公がどのくらい自転車を嫌なのか(例えば運動が苦手・普段全然自転車に乗らないなど)、どのくらいの距離なのか(高速で行く距離だという情報があるが)、などがあると、もしかしたら共感が湧きやすくなるかもしれないと思いました。ただ曖昧にしておくことも、それはそれで良さがあるので、無くてもいいかもしれません。またキャラ造形やキャラデザに問題があるとは思わないのですが、中学生×お父さんというよりは、小学生×おじいちゃんみたいに感じてしまいました。なんでなのかはちょっとわかりません…(むしろまん丸と細長いキャラデザは良かったと思います)。また9Pの「本当にきれいだ」がこの感じだと、少し意味深というか、含意があるように見えます。

 

ほりい泉さん 『Your words are』

「天国」の神秘的な感じや、「地獄」のギャグ調など、情感を表現するのが非常に上手だと思いました。これだけめくるめく変化しているのに、雰囲気を強く感じさせるのはすごいです。ただキャラクターは変化しすぎていて、あんまりついていけないと感じてしまいました。キャラクターに色んな側面があること自体は良いのですが、軸までぶれてしまっているように感じました。また細かいところですが、「獄卒」がわかるのに「彼岸」が分からないというのはキャラ設定として知識に偏りを感じたり(これも前後半のキャラ変によるものでしょうか)、おばあちゃんが亡くなっているという情報はこの話に関係があるのかなどが気になりました。

 

あい乙いなびこさん×邸和歌さん 『公園であの子と』

これはとても好きなタイプの話でした。プリキュアも知りませんし、可愛い女の子が降臨したことが好きということではなく、これはフィクションの現実化を図っているし、そのロジックの通りが大変良いと思いました。思い出すのは映画『ローガン』です。非常に辛い身の上の少女が、コミックに書いてある「エデン」に向かおうとするのですが、当然コミックに書いてあることは現実ではないのに、実際に行くと、みなコミックを元に似た境遇の人たちが集まっていた、という展開がありました。マンガの話に戻ると、情報を出すタイミングが良く、その情報がすべて話の流れの中で自然に出てくるのが本当に凄い。ただ、後半のアリスの「あの時教えてくれたキュアアリスみたいに 一緒にキラメキ叶えましょ!」が突然言ってる感じになっているとは思いました。

 

山岡兄弟さん 『約束を守る』

山岡さんの作品を読んでいると、人物絵がAIであることは、現状厳しいのだろうということが逆に分かってくるようです(あくまで”現状”です。それがAI技術の現状なのか山岡さんの呪文生成力の現状なのかはわかりませんが)。通常のマンガは人物線のタッチにも状況・情感のニュアンスが含まれているのだと実感しました。台詞回しのノリがAI絵にひっぱられているようにも感じました(合わせているのかもしれませんが)。というのもエンターテインメント寄りになると、その台詞をそのキャラが喋っている感じがあまりしません(特に前半)。またモンスターの絵が世界観が合ってないように感じますし、キャラクターに関しても「全力で私を守って」というのは良くも悪くも珍しいキャラ付けで、ここは絵も合っているとは思うのですが、そこの情感に作者の線が関わっていないんだなぁなどと思ってしまいました(逆に言えば、もっとうまく”騙せれば”OKなのだと思います)。AIだというのを感じさせない面白さを発揮するか、もしくは「この良さはむしろAIにしかできないな」と感じさせれば勝ちな気がします(具体的には思いつきませんが…)。また何年も経って、読者がAI絵に特に気にならなくなる可能性は十分あると思うので、状況次第なところはあるかもしれません。古代生物に金属が効くという発想がとても良かったです。

 

高月晃太さん 『魔法少女現実を見ろ』

「魔法少女」が行き過ぎてしまった人が、身バレすることで化けの皮がはがれる話ですね。しかしこのプロットだと、魔法少女は人を狂わせるもの、という話になっており、魔法少女に対してなにかポジティブなことの提示があっても良かったかもと思いました。また、このプロットであれば、仮面をかぶる系のヒーローの方が説得力がありそうにも感じました。何度か読み返していて気付いたのですが、10Pが面白いです。ここで地球を掌握する、わりとヤバい描写が入っており、迫真にせまる雰囲気の形成されていて良かったです。ベタを使うなどすればもっとヤバさを引き立たせられるかもしれないと思いました。細かいところですが、魔法少女⇔泥棒と魔法少女⇔友人の構図(立ち位置)が同じでさらに友人の表情がダウナーなので、ささっと読んじゃうと、友人と泥棒が混同する可能性があると思いました。

 

阿山カンフー 『ツチノコイヌ』

ロボもツチノコイヌも可愛かったです。しかし何かの第一話なら分からなくもないですが、人によっては「何の漫画だろうか?」「何がしたかったの?」という気持ちになるマンガだと思いました。卵から奇怪な生物が生まれる、だけでは物語にはならないと思いますし、物語の軸には関係のないロボを詳細に描くのも面白いですが、”外し”ではあると思います。シュール系だと思うのですが、シュール系は何でもありなだけに、物語のもつ強度と同等の強度が別の要素によって要求されると考えます。阿山さんの作品は常になにかしらの”外し”を入れ、それが魅力的になっているとは思うのですが、そういった”外し”を無しに阿山さんの個性がどう発揮されるのかを見てみたい気持ちもあります。絵の良さとマンガの面白さが短期間でものすごく伸びていると感じますので、引き続き期待しています!

 

赤い氷さん 『三竹さん好きです』

三竹さんが主人公を選ぶ理由がわかりませんでした。三竹さんがあくまで都合よく(?)セックスしよと言ってきますが、その動機が明確でないため、単にセックスが好きな人、自分の身体を大事にできない人なのかな(これは社会的な解釈ですが)と思っていると、最後は他の男を切って主人公が良いと言っていて、なぜ?と思いました。全編にわたり性行為をしており、もっと変化がほしいと思いました(性行為の内容で変化をつけるのも良いと思います)。そのためか、三竹さんがどういう人なのかいまいち僕には伝わりませんでした。細かいところですが、10Pは「早く入れて」で切れているため入れなかったのかと思いました。

 

ヤギワタルさん 『ファクトチェックするトラベル』

あるんかい(フェイクじゃないんかい)!ってなりました。おばあちゃんが出てきたところで「やっぱり近づいたらはりぼてだった」という話になるのかな?と期待してしまいました。その点については肩透かし感は否めなかったです。ファクトチェックというのがもっと活きると(あるいはもっと話に活きる別の設定がされていると)良いなと感じました。設定面の話ですが、ファクトチェックをどうやって証明するのかも気になりました。編集不可能なアナログカメラで撮影させて、位置情報と時間も同期させて、物理写真でチェックするのでしょうか。そして証明したあと政府はそれをどうやってファクトであることの確かな証明を何に活用するのだろうかが気になりました。観光地偽造はSNS時代、いくらでも人が訪れる場所であれば逆に難しそうに感じました(人を集めるのが目的のものが、実際には無かったとなると、いったいそれはどういうことなのだろうか)。ですが、おそらくこの話のメインである、旅行するつもりが無い人が旅行している感じの描写がとても良かったです。

 

ぼんち。さん 『恋に落ちても。』

嫁さんが面接官というのは、やや無理がある導入だなと感じました。嫁がどこで働いており、何をしているかは普通知っているはずだからです。一応あとで「夫婦で会話がなくなった」という情報がありますが、それでも現在の就職先くらいは流石に知っているのでは、と思いました。しかしこれまでの作品に比べ、情報量が少なくなっており、とても読みやすかったです。またおじさんの扱い方について考えさせられる作品でした。『人の振り見てなんとやら。』では明らかにダメオヤジで良かったですが、今回は(悪い人ではないですが)おじさんはいいとこがないキャラになっていると思います(キャラが悪いという意味ではなく、そういうキャラ付けになっている、という意味です)。この話の場合、おじさんがいいとこ無しなのか、多少いいところも描いて同情させるのか、どちらが良いのか分からないなと思いました(どちらでも良いのかもしれません)。また細かいところですが、3Pの学生カップルはあとで拾わないなら必要ないかなと感じました。

 

やまださとしwithうちやまつとむさん 『浮丘千鶴のニチジョ』

申し訳ありませんが、どういったマンガなのか僕にはわかりませんでした。最後クレーンは拾えなかったのかどうかが気になりました。

 

fukadaeihireさん 『極限状態』

筋トレのキツさがよく表れているのが良かったです。本能を理性で超克する、まさしくその通りだと思いますし、良い表現だと思いました。ラストですが、プロテインって美味しいのでしょうか。プロテインはタンパク質の純度が高いほど基本的には味がせず、牛乳で溶かせばいけなくはない(ものに寄りますが・・・)というイメージがあります。いろいろ探せば美味しいのもあるのかもしれませんが・・・。あとストローで飲むタイプもあるんですね。僕はシェイカーから飲んでました。あとせっかくなのでエッチな構図の絵があると良いなと思いました。

 

形井中へいさん 『サッカー部員志田ちゃんの自由なふるまい』

志田ちゃんはどのシーンにおいても倫理的に問題があるキャラクターで、愛嬌がありますが、僕は正直「なんだこいつ」感が上回ってしまいました。生理をこのような形で利用するのはリスクを感じますし、胸を触るシーンも作品のトーンから浮いていると感じました。また靴を踏む描写が最初に来ていますが、話の流れだと違和感ないですが、最初のエピソードは志田ちゃんがどういうキャラなのか、というのがもっと明確になるものの方が良いと感じました。しかし、志田ちゃんを要所要所で可愛く描かれており(構図が良い!)、そしてシュートのシーンではかっこよく描かれているのがとても良かったです。特にショートヘアに変更するのが良かったです。

 

ねりけしさん 『げきあつ!K-POP』

面白かったです。ねりけしさんの感じるフィリックスさんの良さが存分に表現されていると感じましたし、さやわかさんがよく仰っている「マンガとは過剰なものだ」ということが実感できました。またねりけしさんがストレイキッズを知らないところからハマっていく描写にも説得力がありました。First takeを見てみたのですが、たしかにフィリックスさんの低音はとても印象的でした。

 

藍銅つばめさん 『なんとなくネクロマンサー』

僕は過度に倫理観がおかしいタイプのキャラクターが比較的苦手で、前半はいまいちノレなかったのですが(個人的な好みの話です)、おそらく『ハガレン』の設定(ですよね?)をこういう方向にギャグにするという組み合わせがとても良かったです。危うい話のようにも思うのに、読んでいて不快感が全く無いのもすごいです。またツッコミのワードチョイスも大変良かったです。後半のキャラクター同士の距離感も絶妙だと思いました。

 

桐山さん 『境界』

話の内容を理解するの時間がかかってしまいました。2Pの時点でこれが「聞いた人が呪いを受ける系」の怪談であるということや、最後の女の子が冒頭の怪談の女の子だということがしばらくわかりませんでした。僕が怪談に馴染みないからなのか、僕の読解力の問題かわかりませんが。最後の女の子が「ドアから出てくる」あるいは女の子の特徴あらかじめ言及しておくなど、複数の要素で読者を分からせると良いかもしれないと感じました。

 

藤原ハルさん 『1/720の初恋』

ヒロインがとても可愛かったです。後半の合気道+正論だけだと、ちょっと近寄りがたい感じが出ちゃいそうなところ、その前に「えっと ごめんまだ名前覚えられなくて」というセリフから感じられる「普通の女の子」感でとても好きになってしまうキャラでした。そしてオチの歯が取れるところで惹かれてしまった、という理屈じゃない描写も大変良かったです。が、これに加えてズボンがすごいことにになっているのは、”謎”の感じが追いうちでやってくるので、ちょっとついていけないと感じてしまいました。また粘菌のことが話には特に関わっていなさそうで、タイトルのための描写と感じてしまいました(アピール文の内容の限りだと、同性愛の方が主旨に合いそう?)。

 

アキオさん 『万引き少年と援交少女』

社会からこぼれ落ちた人々の話が、単に物語設定がそうなっているというだけじゃなく、作品全体からその雰囲気が漂っており大変良かったです。端役であるコンビニ店員まではみ出もののキャラクターになっており、多少は”普通”の人を配置した方が反社会性が強調されるかもしれないと思いました(ただ、そういう人たちしかいないのだという環境を提示するのも良いとも思います。あと、この漫画でいえば、写真とって拡散している人たちが(いい意味でなく)”普通”の人なのかもしれませんが)。「正しい行いをする」というのが前回の『衝突』では非常にストレートだったのに対し、今回は「それでも正しいことをしよう」という意志が素直に感じられました。おそらく話の構成がとても良くなったからだと思います。ただ、正しいことをする、というのであれば、最後のチョコレートは返した方が良いのかなとは思いました。

 

たにかわつかささん 『梅雨空と真っ黒』

会社が楽しくない⇔絵を描くのが楽しそうという対比と、会社での疲れが絵で癒された、という2つで話が展開されていると思うのですが、完成稿では学生の絵に説得力が必要だと感じました。あるいは、絵を見せないようにするのもテかもしれません。それこそ、10・11Pの見開きの蛍が飛んでる絵が、そのまま学生が描く絵に相当すると思います。また学生のキャラクターがかなり良いと思いました。ハルヒとキョン的な立ち位置なので、語り手をテンションの低い男性に置いたのも良かったと思います。以下細かいところですと、1Pの上段は要らないと思いました(最初から過去パートで良いのかなと思いますし、雨がやむ展開なので、曇りからスタートしなくても良いかなと思いました)。また僕は最初に読んだとき蛍だと分かりませんでした。さらに雨がやむところは、人物のリアクションがあっても良いのかなと感じました(これはかもしれない、くらいですが)。あと絵で泣いているのを見て「そんなに疲れてたんですか!?」という反応でしたが、学生としては自分の絵がどう思われているかに意識がいくんじゃないかと思いました。

 

ひむかさん 『体温の形』

すっごく良かったです。話にとてもまとまりがあると感じました。胸と指を徐々に拡大しながら何度もリフレインするのもとても効果的だと思いました。絵を描かない人にも絵を描くことの魅力を感じさせてくれます。描くためにはよく見ないといけないっていうものがとても官能的に効いていると感じました。ヌードのシーンからの徐々にアップにしていって緊張感をだし、そのあとスッと引くなど、大変良かったです。先輩の側も主人公を好意的に思う理由が分かるとよりエロくなるのかなと思いました。アピール文によると、ヌードデッサンがエロいというのを助長する意図は無いと書かれていますが、この内容でそう主張するのはちょっと無理があるかなと思いました。

 

中山墾さん 『推しとメシで生きています。』

飯マンガはあまり読んだことないのですが、リアクションが多彩でとっても良かったと思います。講義でも指摘がありましたが、たしかに文字の多さが、リアクションの良さを少し減じているように感じます。しかし、ほとんどツッコミどころが無いような、非常に完成度が高いネームだと思いました。もしかしたらリアクションにエロさを入れるのもありかなと思いました。

 

きぬばりさん 『好きは上から、降ってくる』

女の子の絵を描いているのに、それがヒロインじゃないっていうのは少しもったいないように感じました。またラストですが、レイシストという言葉は現状ギャグで使用できるのか怪しいと思います。絵の話をしているところで身体的特徴に言及したことに対し、強めの言葉でツッコミをいれることでバランスを取ろうとしたのだと思いますが、これがレイシズムだと思う人にとっても、このくらいいいじゃんと思う人どっちにとっても微妙に笑えない感じになってしまっている気がします。以下細かいところでいうと、1Pは先生の説明と主人公の内心のリアクションが同時なのが、やや戸惑いました。4Pの1コマと2コマの間で時間が経っているので、コマの隙間などで演出があると良いのかなと思いました。同じページの、熊本から来た、というのがこの話においては必要性を感じないというか、もし読者が日本に詳しくない人だと、熊本の人は横文字の名前で色黒なのかな?と思うように描かれていると思いました。

 

明青りんごさん 『夫のひとこと』

正直にいうと、昨今ネットで流行りの、すごく簡単なことを指して「〇〇できてえらい!」というタイプの話はそこまで好きになれないというのが本音です。もちろん、それ自体が偉いという話ではなく、気を遣ってくれたということが良い、という話だと思うのですが。ネットであれば「生きていてえらい」や「呼吸できていてえらい」など、他者から評価を受けるべきことですらない(自分自身のものであり他者にどうこう言われるものではない)ことにまで使うので(そんなこと言われたら本来怒るべきだと思う)、それに比べたらこの漫画は「朝ベッドから出る」「外出する」なので、悪くないのですが、ネットを想起していまいます。なのでアイディアとしては既視感があります。ただ、これまでに明青りんごさんのマンガには見られなかった、人物のいろんな態勢の絵があり、新鮮な気持ちになりました。細かいことですが、夜23時ってご飯作っておく時間なんでしょうか…(家庭に依ると思いますが)。

 

東京ニトロさん 『グランド・ツアー』

めっちゃ良いです….。話も良いですし、描いてある電車の絵がすべて良いです。特に5Pの1コマ目の電車の車輪部分が好きです。飛行機の現代パートと電車をふんだんに使った旅パート、電車が壊れた事故パートで、話と乗り物が対応しているのも良いと思いました。ストーリーラインだけで見れば、現代パートは不要にも見えますが、「あのとき言えなかった」というのと「あのとき言えばよかったと思った」などを突然思い出すことはリアルだと感じました。またこの話は旅自体が失われているのと、その後、先輩が亡くなり、伝えられなかった、という2重3重の喪失が、現代パートを置くことで2重3重の構造で対応させているのかなと思いました。ただ、11Pが初読時に飲み込みにくかったです。おそらく①この時点だと何を伝えたかったのかがまだ分からないというのと、②「未来は変わったのだろうか」というのは心情においては共感できるものの、常識としてはあり得ないこと、この2点が同時に来ることが理由かもしれません。あと細かいところですが、1Pの絵はかっこいいのですが、主人公が左を見ていることがストーリーに関係無さそうなのが気になりました。

 

ではでは

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