
好きなマンガ1冊:『チェンソーマン』8巻
由月のこと申します。ひらめき☆マンガ教室7期と8期、連続して通うことになりました。よろしくお願いいたします。
【好きなマンガ1冊とその理由】
藤本タツキ『チェンソーマン』8巻
2020年に発売された『チェンソーマン』8巻は、我を忘れて読み耽ったマンガでした。キャラを取り巻く世界観や設定が一段階跳ね上がった感じがして、とても興奮しながら読んでいたのを覚えてます。
「地獄の悪魔」によってデンジたちが地獄に落とされ、根源的恐怖の名前をもつ悪魔たちのひとつ「闇の悪魔」と対峙するあたりの展開と表現は、作者・藤本タツキ氏の特異性が際立った部分ではないでしょうか。
映画のジャンプカット(時間の経過を飛ばしてシーンを繋ぎ合わせる編集手法)をマンガの中で強調的に多用するのが藤本タツキ氏の目立った特徴です。こういう時間の断続的なコマの並びを丹念にやり、独自のリズムを打ち立てて連続性を仮構してしまうところが藤本タツキ氏の抜きん出た才。つまり、断続性の強調が連続性の仮構を担保しているわけです。おそらく私は、藤本タツキ氏がマンガの中で使いこなす時間伸縮のマジックに取り憑かれているのでしょう。