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【マンガ】『スクールランブル』を読み直したよ【No.5】


何の気なしに作業のお供として流したアニメ『スクールランブル』の出来が良かった。当時(2005年)の夕方帯アニメとしてはかなり作画も安定しているし、何よりマンガをアニメに翻訳するのが上手だった。そのままいろいろ懐かしくなって本家『スクールランブル』をまとめ買い。隙間時間に読み直したら思いのほか号泣してしまったので日記としてここに残しておこうと思う。特に21巻は素晴らしかった。

 

 

基本的にはギャグマンガなのだが、連載が続くにつれてラブコメの要素が増えてくる。WWEのチャンピオンシップ・スクランブルからタイトルをもじっているというだけあって、キャラクターが一揃いした6巻、7巻以降はグッと読みごたえが増す。流石に今見ると古臭さを感じるキャラデザも、当時の流行を覚えている身からするとむしろノスタルジーを感じて、高校生のドタバタ青春恋愛劇を読むにはちょうどいいまであった。

 

昔読んだときは気にしなかったが、作品の通奏低音となるギャグ要素≒作品から距離を持たせるようなメタ要素がかえって恋愛における気恥ずかしさと重なって、作品に感情を重ねる手助けをしてくれたように思う。きっと、ずっと真面目に恋愛をされていたらマンガを読んで泣いている自分を、(マンガではなく)自分の意識でメタ化してしまって、フィクションの世界にのめり込むのを妨げていただろう。そういう意味では、このマンガ特有の、各ページに入る柱言葉(あれは編集がつけているのだろうか?)も、常にとは言えないものの、ちょうどいい塩梅を保っていて素晴らしかった。

 

連載当時には沢近派だの八雲派だのというネット特有の茶化し合いっこがあったらしいが、そんなことはどうでもよく、ただただ、描かれているキャラクター皆が生き生きと愛らしく、かわいらしい子たちばかりだったので読み直して良かったと心の底から思っている。

 

ギャグ調の時には安定している一方で、シリアス展開になるとブレ始める描線の様子やリアル調になるデザインにはいろいろないい方ができるとは思うが、ぼくは総じて好ましいと感じながら読み終えた。これが、30代、40代の恋愛ストーリ―であればまた違った印象を持つのだろう。穏やかなコメディという日常から、恋愛という非日常をシームレスに迎えられてしまう青春期の若者には、むしろブレているくらいの描線が似合うのである。

 

あぁ……。泣きつかれた。

おわり

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